母を想う⑨おかあさん、優しかったよなあ・・・は、おいしかった思い出
「たかこそうそうのお母さんは、優しいよね~、
たかこそうそうのお母さんは美人だよね~」
小学生の頃から、友だちにいつも言われて
いました。
自分の母親のことを褒められるとやっぱり
嬉しいものですよね。
わたしが小学生の頃、学期の終わりごとに
クラスで『お楽しみ会』という行事があるのが
通例でした。
10人にならないくらいの人数でグループを
作り、そのグループごとに手品だったり、
歌だったり、劇だったりの出し物を
するのです。
学校が終わると誰かの家に集まって、何をするか
決めたり、練習をしたりするのですね。
習い事をしている子も少なかったですから、
すぐに集まることができるわけです。
「きょう、だれんちにする?」
「おれんち(の家)むりむり!」
「たかこそうそうんち(の家)いいろ~?」
「たかこそうそうのかあちゃん、
やさしいもんなあ!」
「いいよ」と答えます。
急にクラスメイトがたくさん来てもいつも
にこにこ出迎えてくれました。
広い家ではありませんでしたが、みんなで
ぎゅっと集まって、あーでもない、こーでもない
と計画を立てるのはまた楽しいことでした。
みんなでわいわいやっていると、
「おやつ、どうぞ!」
とかならず運んできてくれました。
食パンにバターとはちみつが塗られたトーストが
三角形にカットされ、ちょっとおしゃれに
お皿にのっています。
飲み物は紅茶でした。
「お砂糖はいれる?
牛乳もちょっといれる?」
と母が聞くと、
女の子たちは、「ありがとうございます」
男の子たちは、「おれ、はじめて、のむんや~」
なんて、言ってましたっけ。
同級会でそのときの男の子に言われました。
「たかこそうそうのおかあさん、
やさしかったよなあ」
「いっつも、おやつだしてくれたよなあ」
その彼、あの頃になんで、わたしの家に集まって
いたのかは憶えていませんでした。
ただ、おやつを食べたことと母の優しさが記憶の
なかで繋がっています。
それも、嬉しいことだなあと思います。
うちで練習したかったのは、母のおやつが楽しみ
だったのでしょうね。
それもまた、嬉しいことです。