生まれてきてくれてありがとう
「お誕生日のメッセージ書いてね」
次男とともに通う療育園の先生から手渡されたのは、藤色の小さな紙片。途端に、2年間の出来事が脳裏を走った。
激しいつわりが少し治まり、ママの妊娠を知って号泣した3歳の坊やが「はっぱのあかくなるあきにアカチャンにあえるの?」と口にするようになった深緑のころ、私は破水した。絶対安静を言い渡されてから2週間後、胎内で6カ月過ごしただけで、次男は生まれた。
31.8㎝、744g。生命を求め、光を求め、ようやく家へ迎えたわが子を、真綿で包むように育てた最初の冬。一息ついた頃、桜の下で見せた長男の満面の笑み。しかし、お誕生日に待っていたのは、脳性まひの告知だった。
不安ととまどいの最中で、私は「おめでとう」の一言をしぼり出すようにして、二男の満一歳を祝った。小さな兄はおおはしゃぎで、弟の代わりにケーキのろうそくを吹き消した。
あれから一年、めまぐるしく変わる生活のなかでふと気がつけば、五歳にしては大きくたくましい兄が、小さな弟に添い寝しながら微笑んでいる。愛らしくつぶらな赤子の瞳は、リハビリに明け暮れるうちに強さを増した。父として母として、この子たちと共にある幸せ。支えてくれた家族と友人が、多くの出会いが、今はただありがたい。
すべては、あなたがここにいるから気づけたこと。藤色の紙片には心をこめて。
2004年6月 芝 多香子 34歳
産経新聞夕焼けエッセー
今日、51歳になりました。
私が結婚した年の、母の年齢を迎えて、ひときわ感慨深い誕生日の朝でした。
1970年大阪万博の年生まれ
2020年50歳は東京五輪の年…と思っていたらコロナの1年。
この1年で、父を看取り、長男は卒業就職で家から巣立ち、次男も社会人となりました。
私もまた、第3の人生をスタートします。
第2の人生は、子どもたちの誕生・成長と共にありました。そこで感じたことを、伝えたい!想いを実現したい!
共感・賛同してくださる仲間との絆を築いていく1年にしたいです。
過去に書き残したもの、これからの日々の気づき、実践記録を、ここに残そうと思います。
時々のぞいてくださると嬉しい♡
どうぞよろしくお願い致します。