ピアノ続けてて良かったね!
町田市でピアノを教えています田中貴子です。
「たかこ先生のレッスン徒然日記」が更新止まっております。。。
忘れているわけではなく、ネタがないわけでもないのですが、発表会後の日々の雑事に追われてしまっているたかこ先生です。
たかこ先生の子供の頃の話はもうしばらくお待ちいただいて、今日は生徒さんのお話をします。
5歳から教えている高校生Mちゃんは現在アメリカに住んでいます。
昨年夏、親御さんの転勤に伴い一緒についていきました。
現地校に編入、半年ほどは慣れるのに大変だったようですが、4月半ばに「レッスンお願いします!」と連絡がありました。
オンラインレッスンになりますし、時差が半日あってレッスン時間帯が心配でしたが、なんとかお互い無理のない時間にレッスンを組むことが出来ました。
オンラインレッスン初回に画面を繋ぐと、なんと彼女の傍らにはグランドピアノが!
日本にいる時は様々な事情でグランドピアノに出来なかったのですが、アメリカで素敵なグランドピアノを購入されたようでした。
勉強もよく出来るMちゃんですが、音楽やピアノが大好きで、とにかく弾きたいと思う曲はどんな曲でもすぐに譜読みしてきます。作品の背景や作曲家についても、よく調べてきますし、レッスンしていても楽しいです。
そんなMちゃん、小さい頃から積極的にコンクールに挑戦してきました。
そこそこ良いところまでは行くのですが、指導者から見ていて一言「コンクール運」が薄い。
これ、あるんですね。
能力的には音大目指しても良い程度の能力は十分にあるのに、コンクールにおいて少し「運」に見離されてしまう。
原因はちゃんとあるのです。
若干、本番に弱いタイプ。
どうしても意気込み過ぎてスピード違反してしまったり、
調子良い!と思った瞬間、ド派手に間違えたり。
課題曲によっては「合う」「合わない」があって、それが自分の「好き」な曲で起こってしまったり。
何度も苦い思いをしています。
それでも、Mちゃんの「音楽が好き」は変わりません。
私はこれがとても良いと思うのです。
4月半ばにレッスンを再開し、2回目のレッスンの時です。
「先生、地元のコンクール受けたい」
「あら、良いじゃない、いつなの?」
「5月の末で、申し込み明日までなんです」
😱!?(笑)
「課題曲はあるの?」
「ないです。3曲15分でまとめるのが課題です。」
ピアノだけのコンクールではなく、学生対象とした楽器だったら何でもOK、スカラシップに関連したコンクールでした。
「15分、なに弾く?」
「去年、ピティナのコンペで弾いたドビュッシーとバッハは弾こうかなと思っています。」
「ううう、それでも5分か6分で終わっちゃうね。少し大きい曲いれないと」
「それを相談したくて」
彼女がよく練習していた曲はショパンのバラード1番、スケルツォ2番とどれも少し時間超過するプログラムになります。
うーん、、、
「2,3年前にやったショパンのポロネーズ1番は?覚えてる?」
「弾いてみます」
そして翌日、動画でポンと「覚えてましたぁ」と送ってきてプログラムが決まりました。
実はその時、ショパンの英雄ポロネーズをレッスンのしていて、当然、譜読みだけなら終わっていました。
英雄ポロネーズを絡めても良かったのですが、
1ヶ月で仕上げなければならない(暗譜しなければならない)ことを考えたら、無理のない範囲でプログラムを組んで内容を詰めた方が良いと思ったのです。
オンラインレッスンは周知の通り、様々デメリットがあります。
現実に目の前でどんなタッチで音を紡いでいるかは繊細に知ることは難しいです。
動画を送ってもらいながら、楽譜で確認してと出来る限り「Mちゃんの意識が音作り、音楽作り」に向かうようにレッスンしました。
目の前で「Mちゃ~~~っっっっん!!!!」
と叫ばなかった分、癖は直しきれませんでしたが(笑)
それでもレッスン再開後1ヶ月でのコンクール準備はなんとか出来たように思います。
昨日コンクールがあり、
日本時間の今朝、演奏動画と共に連絡が入りました。
『1st Prize いただけたようです!!!!』
演奏動画を見ると、1曲目から審査員と思わしきマダムの声で「ブラボー」と拍手があったり、
終始リラックスしているMちゃんの姿がとても印象的でした。
だからと言って、彼女の癖が直っているわけではありませんでしたが(笑)、
張り詰めたコンクールの雰囲気の中での演奏とは違い、とても伸びやかに楽しそうに弾いている姿が嬉しくて、私はとてもとても感激しました。
賞をいただけたことで「私とのレッスン内容」が変わることはありません。
いつでも、楽譜や作曲家の残した音楽にどのように取り組めば良いのかを真摯に積み重ねていくのみです。
その過程の中で、コンクールや演奏会の機会を得て、言葉通り「努力」したことに対して、審査員や聴衆の考え方、感じ方とのすり合わせをしていけば良いのだと思います。
5歳から始めたピアノ苦節12年、、、(笑)
初めての「1st」Prize、
アメリカ行ってもピアノ辞めなくて良かったね!
Mちゃん、おめでとう!
お読みくださってありがとうございます。
マイペースに更新します。
気長に待っててくださいませ😊