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星の王子さま

「砂漠が美しいのは」王子さまが言った。
「どこかに井戸を、ひとつかくしているからだね……」


わたしの本棚より〜、
幼少の頃から羅針盤でもあり、教科書でもあり、哲学書でもある、大切な一冊。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』を紹介します。


転勤族家庭に育ち、数えてみると今日まで引っ越した回数は計13回。星の王子さまとの出会いは小学4年生の頃になりますが、それ以来、ロンドン時代も、東京時代も、いつも“王子さま”と一緒に旅をしてきました。

誰にでも辛い現実に胸を痛める日があるように、わたしにもどうしようも無くしょんぼりして、1日中空を眺めて過ごす日があります。
そんな時、王子さまは鈴のような笑顔で「おねがい……ヒツジの絵を描いて!」と静かな声でそっと話しかけてきてくれます。

王子さまは楽しそうにおしゃべりしながら沢山のことをわたしに教えてくれます。
例えば、それにまだ出会ってないだけで、きれいなものや、面白いものは沢山あること。やっぱりいいことってまだまだいっぱいあること。事実は目に見えるけど、それが真実とはかぎらないこと。持っている一輪のバラに王子さまは責任があること……。などなど。

「じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」


そうやって最後には、もう悲しまなくて済むように、“笑う星々”の贈り物をしてくれるから……。
こころは充分に満たされて、わたしもまた、周りの大切な人たちに王子さまがくれた“笑う星々”を贈りたい気持ちで胸がいっぱいになる、そんなわたしの愛読書です。

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