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特別支援学級と通常の学級ってどんなところがちがうの?
こんにちは、たかこばです。
このnoteでは、公立小学校教員であり、親子と先生の気づきを促す雑談コンサルタントの私が、親子も先生も幸せにする特別支援教育の話、2歳・0歳の子育てで我が子から教えてもらった話、その他、日々の気づきの話などをお届けしています。
stand FMでは「たかこばの想像して対話する発達障害支援のヒント集ラジオ」という放送をしています。
#1「自己紹介と「気づき」の大切さ」を聞いてくださった方から、ありがたいことに質問をいただきました。
1つ目が「特別支援学級の中のことを知りたい」ということ。
2つ目が「なぜ私が転職だと感じたのか」ということについてです。
今日は、その2点について考えていきたいと思います。
特別支援学級について
まず、特別支援学級について文部科学省は次のように定義しています。
「小・中学校において、障害のある児童生徒に対し、障害による学習上または生活上の困難を克服するために設置される学級」
「困難を克服する」と言うと、苦手な部分、マイナスの部分をゼロやプラスの方向に持っていくというニュアンスだと思います。しかし、それに加えて「自分の強みや得意を知る」ことも大切だと考えています。
つまり、自己理解をするということです。そして、自分の強みを生かしていく力をつける。これも、特別支援学級でとても大切なことだと考えています。
ここからは、いわゆる通常学級と特別支援学級の違いについてお話しします。
①自立活動があること
特別支援学級の大きな特徴の一つとして、「自立活動」というものがあります。自立活動には、以下の6つの観点があります。
1.健康の保持
2.心理的安定
3.人間関係の形成
4.環境の把握
5.身体の動き
6.コミュニケーション
この6項目の中から、子どもの状態やニーズに合わせて必要な支援を行い、自立を促します。この6つの観点は、特別支援学級の子どもにとって大切であるのはもちろん、通常学級の子どもたちにとっても、非常に重要なものだと私は考えています。
ただ、特別支援学級は最大8名の在籍に対し、通常学級は最大40名という大きな違いがあります。そのため、通常学級では一人一人に丁寧に支援するのが現実的に難しいという課題があります。
②教科の内容について
特別支援学級では、必要に応じて下の学年の教科内容に変更できるという決まりがあります。そのため、子ども一人ひとりに合わせたオーダーメイドの教育を提供しやすい環境になっています。
ただし、オーダーメイドとはいえ学級全体としての方向性も決めた上で、一人ひとりに合った教育を提供していくことが求められています。
また、特別支援学級には異学年の子どもや多様な特性を持つ子どもが在籍しているため、多様な仲間と共に学ぶことで得られることが多い環境だと感じています。
特別支援学級での実際のエピソード
特別支援学級で担任していた、小学校4年生の女の子のお話を紹介します。その女の子は、絵がとっても大好きな子でした。
そこで、その子が4コマ漫画を描き、それを国語で説明文として発表するという授業を組み立てました。すると、その子は本当に授業が楽しかったようで、いつもなら教科書の内容の学習があまり好きではないタイプだったのですが、4コマ漫画を何枚も何枚も描いて、たくさん説明してくれました。
授業が終わる頃、その子は「先生、将来の夢が見つかったよ!」と教えてくれました。「何?」と聞くと、「私、漫画家になる!」と、とっても嬉しそうに話してくれました。
このように、一人ひとりにあった授業や関わりができることが、特別支援学級のいいところだなと思っています。
特別支援学級担任の腕の見せ所
しかし、良いことばかりではありません。特別支援学級にはさまざまな特性の子どもがいるため、教員には「聖徳太子」のような能力が必要だと感じる場面も多いです。
例えば、
大きな声を出しながら体を動かすと集中できる子
静かな環境で学習に集中したい子
この2人が同じ空間にいると、どちらかがストレスを感じてしまうことがあります。そのため、その時間にいる子どもたちの特性を考えながら、授業をパズルのように組み合わせる必要があります。
8人同時に来た時が一番の腕の見せ所で、「どの子とどの子を一緒に学習させるか」「どの子は一人で学習させるか」ということを毎回悩みながら、必死に授業を作っていました。
通常学級と特別支援学級の違い
一方、通常学級は最大40名の大人数のため、子どもたちは同じ空間で学習し、遊び、関わることが基本になります。
もちろん、一人ひとりを大切に関わりたいと思っていましたが、現実的には人数が多いため、どうしても関わりが薄くなってしまうという課題がありました。
特別支援学級と通常学級の大変さの種類がまったく異なることを知り、この違いに気づいたことが「私が転職した」と感じた理由につながっています。
特別支援教育を学べば学ぶほど、障害の有無に関係なく、すべての子どもにとって大切な教育だと感じています。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
このnoteを読んでくださったあなたの気づきが、もっと生まれますように。
それでは、また!
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#3 特別支援学級と通常の学級ってどんなところがちがうの?