感受性に重きを置く、ロマン主義文学
前回に続き、文学史上のロマン主義について、まとめていく。
イギリス文学(1800年ごろ)
ワーズワース、コールリッジは1810年から1820年頃。
バイロン、シェリー、キーツ、ブレーク、
バイロンが特に有名である。彼は「チャイルドハロルドの遍歴」(1812年)で名をあげる。最晩年、ギリシャ独立運動に参戦し、ギリシャで病没。享年36歳。
フランス文学(1820年から30年にかけて)
フランスのロマン主義はイギリス、ドイツに比べてスタートがやや遅れる。1810年にかけてスタール夫人、1820年から30年以降にかけてユゴー。ユゴーはレ・ミゼラブルが特に有名。
ドイツ文学(18世紀末)
シュトルム・ウント・ドランク時代は、18世紀後半、ドイツで見られた文学運動である。古典主義や啓蒙主義に異議を唱え、理性ではなく人間の感情の優越を主張した。
ゲーテ(1749〜1832年)
長い人生過程で、古典主義からロマン主義の時代を生きた人物。古典主義かロマン主義の傾向は、彼の代表作あの「ファウスト」にもその変遷の経過が認められる。
グリム兄弟
兄ヤコブ・グリム(1785〜1863)、弟ヴィルヘルム・グリム(1786〜1859)。2人の収集した「グリム童話」(初版、1812年)以降、1830年代にかけて数版の出版をする。
ハイネ(1797から1836年)
「歌の本」(1827年)で有名になる。フランス7月革命(1830年)にドイツからの特派員として、パリに赴き、その死までパリにとどまることになる。
以上、各国の文学上のロマン主義は当然のことながら、19世紀後半には「自然主義的レアリズム」にとって換えられることになる。19世紀後半はロマン主義から自然主義的レアリズムへ移行する。→エミール・ゾラへ
しかし、ロマン主義の次の時代への移行には、耽美主義の移行もあった。→ボードレール「悪の華」。
この傾向は、世紀末の退廃ムードへとつながる。20世紀初頭の「青の時代」にもつながっていく→ピカソへ。