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「リセットの習慣」が変身のためのトリガー
匂いが気になるようになっていた。キラキラしている人、モノ、場所のそばに行くと匂いがする。甘くてスパイシーで少し苦味のある香り。
その匂いを嗅ぐたび、「私も、あんな風にワクワク・ドキドキしたい。」と思うようになっていた。淡い匂いに誘われて、とりあえず、やりたいことを始めてみる。でも、なかなか長続きしない。仕事が忙しい。仕事でイライラする。仕事にやる気がすり潰される。そして、やりたい事、やると決めた事すら長続きしない自分に、ガッカリする。いつものように。
職場から家に帰り、大好きなアニメ『ワールドトリガー』を見る。主人公「三雲修」が、変身ベルトならぬ変身「トリガー」で、「普通の中学生」から「ヒーロー」に変身する。自分のことではないけれど、変身ヒーローにワクワクする。あんなふうに「変身」できたらいいなぁ、とあり得ない希望を持って眺めていた。
そんな時、#読書の秋2022 が始まり、課題図書の中に、『リセットの習慣』を見つけた。
「これだ!私に必要なのは、リセットだ!」
そう直感して、Amazonをポチた。
・・・
『リセットの習慣』が届いた。シンプルな表紙の文庫本。開いてみた。
読みやすい。
リセットを習慣にするための99のコツが、見開き1ページに書き分けてある。見開き1ページなら、活字を読むとすぐ肩が凝って読むのが嫌になる私でも、読み切ることができる。忙しくても、コマ切れ時間を使って、1コマづつ読み切ればいい。実際、気負わずにこの本を読むことができた。
でも、私が『リセットの習慣』を読破できた本当の理由は、読みやすさ、ではない。
この本の「はじめに」に書かれている「リセット」の考え方が私のこころに刺さって、この本を読み進めたい、と思った。
私はリセットという言葉を使う時、初期化という意味で使うことが多かった。例えば、私の黒歴史をなかったことにしよう。とか、嫌なヤツのことなど忘れてしまおう。という内容として使っていた。つまり、これまでの私は、リセットとは「ゼロの状態に戻す」と言う意味だと思っていた。でも、この本が示す「リセット」はもっと積極的だった。
この本の中で使われる「リセット」の意味は、「悪い流れを断ち切り、いい流れに変えること」。「リセット」しる時、意識すべきは「戻す」ではなく、「新たに始める」こと。「なんとなく変える」ではなく「思い切ってリセットする」こと。
さらに、この本は、この「リセット」の考えを人生に応用・発展させる。
曰く、
人生は常に「今」からスタート。
本当の意味でのリセットとは「常にスタートゆ切ること」。私たちはどんな瞬間からでもスタートすることができる。決して、終わりに向かって生きているのではない。
[これは]「ゴールではなく、スタートを目指して生きる」というメッセージ。
何かが終わるなら、そこから何を始めるのかを考える。始めるために、今からどんな準備をするのか。それが「リセットの瞬間」。
この本が教えてくれたこと:リセット」は思い切ってやらなくてはならない。そして、いつでも、スタートできる。
私に足りなかったことは、これだった。だったら、これから、やりたいことは思い切ってやろう!と思った。「時間がない。」だの、「年を取りすぎている。」だの、「仲間がいない。」だの、できない理由にウジウジせず、始めるなら、始めたなら、思い切ってやってみよう、と。
・・・
私がこの本を推す理由は、もう一つある。それは、「リセット」する方法が精神論でないところ。この本の中で紹介されている99の「リセット」の方法は、どれも共通して、気持ちではなく「体の状態」を整えるアプローチをしている。
例えば、想定外のことで焦らないために、「朝起きたら一日の流れをイメージする」。その行動で自分を落ち着かせることが、自律神経のバランスを整える。
例えば、「ここまでやる(それ以上はやらない)と決めておく」。決めることで自分に納得感を与え、ストレスをコントロールする。
どうすれば自分の「体の状態」を良い状態にできるか、良い状態を保てるか、を知り、調子が悪くなりそうだったら、悪くなったら、その行為を意識して行えば、「リセット」は成功する。
なるほど。意識して行う「リセット」を常に発動できれば、無限に、「アキレスと亀」のように無限に、調子の良い私は悪循環に捕まることない、悪循環に陥ることはない、という訳だ。「無下限」リセット、最強じゃん!
「リセット」を意識して行うことでいつでも「なりたい自分」になることができれば、それは、もはや「魔法の呪文」であり、「変身ベルト」であり、「領域展開」だ。私も、この本が提案している「リセット」の方法を参考に、自分のリセット方法を見つけ出し、それを習慣にしていこう。その習慣が身についた時、私も、変身「トリガー」を手にしているだろう。
・・・
今から、私は、まず、『リセットの習慣』を読み返して、「リセット」を私の習慣にするコツをもう一度おさらいする。そして、私は、たくさん訓練して「リセット」という「トリガー」を身につける。そして、「思い切って」唱える。
「トリガー・オン」
そう、私も主人公の「三雲修」よりも強い無双のダークヒーロー「ヒュース」になれるはず。