岸田総理の所信演説から政策を先読みするポイント
1.総理就任後初の所信表明演説に注目
2021年9月29日に自民党の新総裁が岸田文雄さんに決まりました。
今の段階ではまだ自民党の総裁に選ばれたことが決まっただけですが、10月4日に臨時国会が開かれ、次の総理大臣の指名が行われることになります。
この臨時国会では、総理大臣の指名のほかに首相の所信表明演説が行われます。
この所信表明演説、国会議員の前原誠司さんも
政治は結果が全て。総裁選で訴えられたことはもとより、所信表明演説に注目しています。
とつぶやいたように、広く注目されています。
通常この所信表明演説は、その国会の会期内で政府として議論したい内容を伝えるものですが、今回は直後に衆議院議員選挙もあります。
そのため、「今回の臨時国会で政府として決めたいこと」というよりは、今回の所信表明演説は「今後、岸田政権として実現したいこと」という長期的なビジョンを伝える手段になるといえます。
2.所信表明演説の内容が政権の柱に
菅総理も今から一年前の2020年9月16日、安倍総理の突然の辞任を受けて総理大臣に就任し、それから遅れること約一か月後の10月23日に所信表明演説を行いました。
菅総理の所信演説では新型コロナ対策に言及した後、
1デジタル社会の実現、サプライチェーン
2グリーン社会の実現
3活力ある地方を創る
などについて実現を約束しました。
これらの内容は、2021年6月18日に閣議決定された「骨太の方針」でも受け継がれています。政策の具体策を示す骨太の方針第2章では
1.グリーン社会の実現
2.官民挙げたデジタル化の加速
3.日本全体を元気にする活力ある地方創り~新たな地方創生の展開と分散型国づくり~
と所信表明演説で示された政策の柱がそのまま取り入れられていることが確認できます。
言葉はすこし変わりましたが、内容は一緒ですね。
総理就任後初の所信表明演説の内容が政権の柱になることがお分かりいただけるかと思います。
3.政策の実現方法、実施期限に注目
所信表明演説では個別政策の具体的な内容や期限について深堀りすることもあります。菅総理の所信表明演説では、
0)今後5年での自治体システムの標準化
1)2021年3月からの保険証とマイナンバーカードの一体化
2)2021年にデジタル庁を始動
3)行政の押印廃止
といった個別政策の実施期限についての言及も多くあったことが印象的でした。
岸田文雄さんは、現在自身のHPで
■コロナ対策 岸田4本柱
■成長戦略 岸田4本柱
■分配施策 岸田4本柱
を公表しています。
この中には個別の政策も細かく書き込まれていますが、
○○を推進
××を強化
△△の検討
といったように、岸田4本柱の詳細については今後明らかにしていく内容も多く含まれています。
この岸田4本柱と所信表明演説を比べてみて、実施期限や方法について具体化された項目があるかどうかも注目すべきポイントです。
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