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【妄想シチュエーション#15】バレンタイン「ドキドキの、初チョコ渡し」

※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で不定期に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。


(モブ女子サクラ)「そうそうナオミ、明日一緒にチョコ買いに行かない?」
(ナオミ)「いいよー。じゃあ、いつものように名駅の金時計集合で行く?時間はどうしよう?」

明後日は、バレンタイン。
ウチらのグループは毎年、女子同士で集まって、チョコ交換するのが恒例行事。
で、今年もいつものように、中学から一緒のサクラと、お昼休みにご飯を食べながら、交換用のチョコを買いに行く予定を立てていた。
ちょうどそのとき、
(モブ男子)「なあ、ショウって、バレンタインにチョコもらったことある?」
(ショウ)「ええ?あるわけねーだろ。そもそも仲いい女子もいないんだから。」

聞こえてきたのは、男子の会話。
ちらっと目をやると、この間から気になっているショウくんがいた。
へー、ショウくん、もらったことありそうなのにな…と思いながら、聞き耳を立てる。
(モブ男子)「そーかそーか(笑)、仲間だな、オレたち。ちなみに、もらうとしたらどんなのがいい?」
(ショウ)「そうだな…手作りはもちろん嬉しいし、買ったやつならゴディバとかもらってみたいよな。」

なるほど、ゴディバかあ。ちょっと、探してみようかな…。
(モブ女子サクラ)「やっぱ、気になる?さっきから目がそっち向いてるけど(笑)」
ハッと我に返ると、サクラがニコニコしながら私のことを見つめていた。
当然、サクラは私の恋愛事情をすべて知っている。
男子に聞こえないくらいの声で、サクラが私にささやいてくる。
(モブ女子サクラ)「どうせなら、買っちゃう?ゴディバ。」
(ナオミ)「ん、その…考えとく(笑)」
ちょっと、顔がほてってきた。親友とはいえ、そんなこと言われると何だか恥ずかしい…。

次の日、デパートの売り場でサクラの追撃を何とかかわしつつ交換用チョコを購入した私は、そのまま2人で交換会へ向かったのだが…。
(モブ女子サクラ)「そうだ、聞いて聞いて!
昨日、ナオミとお昼食べてるときに聞こえてきたんだけど、ナオミが気になってるショウくん、買ったチョコならゴディバがいいんだって。
みんな、どう思うー?」
チョコの交換が一通り終わった後、何とサクラが突然、昨日のことをみんなに話し始めたのだ。

(モブ女子A)「えっ、そうなの!?で、ゴディバ買ったの、ナオミ?」
(モブ女子サクラ)「いや、それがまだなんだよね~(笑)」
(モブ女子A)「ええー、せっかくだし、勇気出して買ってみたらいいんじゃない?ね、みんな?」
(モブ女子B)「そうだよーナオミ、今ならまだ間に合うよ!!ウチらも一緒に選んであげるからさ!」
サクラの作り出したペースに、私はもう逃げられなくなってしまっていた。
こうなったら、やってみるしかない。ちょっと怖いけど…。
(ナオミ)「えっ、うーん…。わかった、じゃあとりあえず買ってみる。」
こうして、みんなに押し切られた私は、その足でデパートの売り場へ引き返し、みんなとワイワイしながらゴディバのチョコを買った。

そして、バレンタイン翌日の月曜日。
(モブ女子サクラ)「で、もうショウくんにはLINEした?」
週末、サクラたちとのグループLINEの結果、放課後にショウくんを呼び出してチョコを渡す作戦で行くことになった。
しかし…、

(ナオミ)「えーっと、それがまだ…。」
今までこういうことをやったことがなかった私は、恥ずかしすぎて、まだショウくんと約束できていなかったのだ。
(モブ女子サクラ)「ちょっ、早くしないと今日終わっちゃうよ!?(笑)
はい、今からLINEするよ!スマホ取り出して!」
サクラに急かされるがまま、私はドキドキしながらショウくんへ「放課後、ちょっと話があるんだけどいい?」とLINEした。

放課後。
(ショウ)「お待たせ!ナオミさんから話があるって、珍しいね(笑)」
校舎の玄関の外で待ってると、ショウくんから声をかけられた。
それだけで、もう心臓がはち切れそう。
ちょっと震える声で、ショウくんに返事する。
(ナオミ)「あっ、突然ごめんね。この後って用事ある?」
(ショウ)「いや、今日はもう帰るだけだよ。どうかした?」
(ナオミ)「そうなんだ!じゃあ、ちょっと歩きながら話してもいい?」

そして、私たちは歩き出した。
何とか緊張を隠しているものの、相変わらず心臓はドキドキが止まらない。
(ショウ)「なんか、新鮮だね。ナオミさんと2人きりって、今までほとんどなかったよね?」
(ナオミ)「そうだね。そう言えば、バレンタイン昨日だったけど、ショウくんはチョコもらった?」
(ショウ)「いや~、いつも通り、母さんと姉さんだけだよ(笑)義理チョコすらもらってないわ。
ナオミさんは…誰かにあげたりしたの?」

ドキン。
いよいよだ。
勇気を出せ、私。
(ナオミ)「いや、私も今のところ家族と友達だけ。…それでね…。」
歩くのをやめ、震える手でおそるおそる紙袋を差し出す。
(ナオミ)「…これ、もしよかったら…ショウくんに…。」
(ショウ)「えっ、本当に…いいの…?」
(ナオミ)「うん…。ゴディバ、買ってみたんだけど…、嫌いじゃない?」
顔が、熱い。
穴があったら入りたいというのは、きっとこんな状態なのだろう。
胸のドキドキは、最高潮だ。

(ショウ)「…ありがとう。これって、もしかしてそういう…?」
恥ずかしい。
思わず顔を伏せ、無言でゆっくり、コクリとうなずく。

(ショウ)「…マジ、かあ…。もしかしてと思ったけど、こんなことって、ホントにあるんだ…。」
ショウくんはそう呟くと、おもむろに背中のカバンからゴソゴソと何かを取り出した。
(ショウ)「…あのさ、よかったら、これ…。」
顔を上げた先にあったのは、私が差し出したのと同じデザインの紙袋だった。
(ナオミ)「…えっ…?これは…?」
(ショウ)「いや…その、オレも買ってみたんだ、ゴディバのチョコ。
『そろそろ、彼女くらい作りなさい!今は逆チョコもありだから!』って、昨日姉さんに買わされてさ。」
(ナオミ)「もしかして…私に…?」
(ショウ)「…うん。」
そう答えるショウくんの顔は、ほんのり赤くなっている。

私は、思わず口を手で覆った。
信じられない、私たちって…両想いだったの?
しかも…、選んだプレゼントまで同じ、なんて…。
(ショウ)「ナオミさん…オレ、ナオミさんが好きです。
よかったら…これ、ナオミさんのと同じやつだけど、受け取ってくれる?」
あまりのビックリさと嬉しさで、もう頭は真っ白。
(ナオミ)「はい…私も、ショウくんが好きです。
これ…ショウくんと同じチョコだけど、受け取ってください!」

こうして、私とショウくんは、まったく同じチョコを交換し、晴れて仲良しカップルとなったのだった…。

サムネイル:写真ACより(URLはコチラ)

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