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LIVE LIFE #005 公教育の現在地と限界値

私は、小中学校は公立だった。
そして、私には、子供が3人いる。(長女,長男,次男)

東京都市部では中学受験が大いに盛り上がっており、中学もしくは小学受験をしない家庭は白い目で見られるくらい加熱している。(と知り合いからよく聞く)

しかし、私は3人も私立に通わせるほどの経済的余裕がある訳もなく、次男が生まれた時に、3人とも小中学校は、公立と決めた。

そして、例え朝帰りしても、子供達の行事には積極的に参加した。(朝帰りすなよ汗)
授業参観、家庭訪問、運動会、音楽祭、文化祭、入学式、卒業式、地域の自治会行事、餅つき大会、夏祭り。
死ぬほど忙しかったが、子供の行事には、参加した方だと自負している。

10年以上、子育てに携わり、子供たちの公教育を実体験し、確信した。

公立の小・中学校の教育は、終わっている。
私が通学していた時と驚くほどに、何も変わっていない。
全く進化もしていない。
時代の変化のスピードを勘案すると後退しているといっても良い。
壊滅状態であり、思考停止している。

教育問題は、色々なところで議論されているが、
私が注目する論点は、
1,気をつけ!前ならえ!の前時代性(安宅和人氏の記事参照)

気を着け、前へならえ! 学校で行われる号令による「集団行動」のルーツは幕末期にあった

2,ランドセル重たい問題。それに対する大人たちの批判が1000件超も殺到

小学生に大人たちの批判が1000件超【悲しい発売】

3,教員の質低下や高齢化(藤原和博氏の記事参照)

地域によっては新採用教員の大学偏差値が50を切る…日本が"教員の質低下"を避けられない構造的原因

4,厳しすぎる校則

【調査結果】小中学生の約8割が「おかしいと思う決まり・校則がある」と回答

5,不登校児童生徒数が過去最多

小中29万人、不登校児童生徒数が過去最多に

これ以外にもデジタル化、部活動問題、教員の過重労働等。。。
教育問題は、無限に課題が山積している。
今後私自身も、1つずつ論点深掘りしていくが、公教育の限界は、語るまでもなく顕在化している。
進化も、変化も、スピードも、柔軟性も、失った。

そこで、まずは小中学校の現在の公教育の税金を確認してみたい。

児童1人あたりにかかる税金
小学校:¥928,000×6年間=¥5,568,000
中学校;¥1,091,000×3年間=¥3,273,000
合計:¥8,841,000

わたしたちのくらしと税金

国税庁財務省厚労省文部科学省が、それぞれ試算している。上記数値は、最新と思われる令和5年の学習教材として配布された文部科学省の数値を参照した。
こちらの数値は、全て税金なので、各家庭が負担する給食費や毎月の修学旅行等の積立費用は含まれない。

この金額は高いか?安いか?

1年間の平均は、約98万円。
月々の平均は、約8万円。
私の場合は、3人いるので、月々約24万円。
3人総計すると、約2600万円。

税金でなく自己負担だったら、なかなかに痺れる金額だ。
この規模の税金で、現在の公教育を支えている。 
とはいえ、月〜土まで先生や事務員が、朝から夕方まで対応してくれているので、安いとも言える。

令和4年度 義務教育費国庫負担金
年間:1兆5千億円
小中学校の公教育に、年間1兆5千億円の税金が投じられている。
義務教育の総金額と捉えてもらえれば良い。(もちろんこれ以外の税金もあるが)

「文教及び科学振興」の内訳

この金額は高いか?安いか?

因みに、社会保障費は、131兆円!
これまた別の論点になりますが、子供の公教育費の87倍も、年金・医療・福祉介護等の主に高齢者に、税金を使っている。。。。。泣
規模が桁違いだ。

社会保障の給付と負担の現状(2022年度予算ベース)

これでは、なかなか日本で教育への投資が進まないのも頷ける。
費用も意識も、公教育の議論が進まない。変化も起きない。改革も進まない。この構造自体が破綻している。

子供がいない世帯もいるし、知らなかったこともあると思うので、今日は、まず論点に必要な基礎的な数値を定義してみた。今後、一つ一つの論点については、書いてみる。

最後に、孫泰造氏の『冒険の書 AI時代のアンラーニング』という大好きな書籍がある。近著にして名著だが、示唆深い問いがある。

どうして子どもは夢中なまま 大人になっていくことができないのか?

孫泰造氏の『冒険の書 AI時代のアンラーニング』

今の公教育を放置してしまったのは、私たち世代の責任でもある。
この絶望を希望に変える為に、私たち現役世代が変えなくはいけない。


私は、孫氏の様に、素晴らしい書籍を書くことはできないが、中学生に「一人一人が経営する時代」として、講演活動を実施している。主に、公立中学校に赴いて、話す。

まだまだ、小さな取り組みだが、500名以上の中学生に語りかけてきた。少しでも良い。
一人一人ができること、声に出して発信し、行動して欲しい。

最後に、孫氏の言葉で締めくくる。

「世界はみずから変えられる」

孫泰造氏の『冒険の書 AI時代のアンラーニング』


では、また。


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