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組織のあらゆる動きは、1人の思いから始まる

みなさんはどのような組織で働いていますか?組織の中では、さまざまな活動をしている人がいて、それぞれの働きが組み合わさることで社会に価値を生み出しています。また、組織の目的、構造、規模、業界、アウトプットとアウトカムやそれを生み出すためのプロセス、さまざまな違いがあることが、その組織が社会で独自の価値を生み出していける理由でもあるはずです。

さまざまな組織があれど、共通しているのは、組織によるあらゆる行動と結果は、組織の中にいる「誰かの思いと行動」がきっかけにあるということです。書籍「組織を芯からアジャイルにする」で、「組織のアジャイルも、まずあなたが、自分がいる場所から始めよう」というフレーズがあります。組織アジャイルも、それ以外の活動も、誰かがその一歩を踏み出すことが大事なわけですが、その人の属性によりその進め方は少しずつ異なるのかな、というのが私の考えです。この記事では、組織の各レイヤーに属する人に合わせた、組織アジャイルのスタートのさせ方を考えていていきたいと思います。

この記事は以下のマガジンへの寄稿です。

どこから始めても良い

前提としてお伝えしたいのはまず、「どこから始めても良い」ということです。普段仕事をしている中で、自分のやっていることや、やりたいことに対して何かしら、こうしたい、こうあれば良いのに、と思いをもつことが誰しもあると思います。それがボンヤリした考えであれ、具体的なアイデアであれ、生まれた想いは自分の中に秘めておかずに、誰かに伝えたりアウトプットをすることで組織の中の1つの想いになります。そうでもしなければ、その想いは自分の中にしか存在しないものとして、広がることはありません。もちろん行動にも移すことはできません。

人ごとに、組織の中で役割は異なり、そのため異なる階層に所属しています。ただ、自分のいる場所が理由で想いをオープンにして行動を取らない理由はありません。その行動が生む影響や効果をフィードバックとして糧にしながら、また次の行動を踏み出していくことができるようになります。トップ、ミドル、ボトムの3階層の場合どういう始め方があるか、考えてみました。

トップダウン

組織のトップに期待する役割は、組織の方向性の提示とそれをメンバーや外に向けて魅力的に見せることと、それに対して自分自身が行動していることを見せることだと思っています。トップにいれば権限があり、そのため行動に向けてハードルが低く、組織全体に対して強い影響力を持つポジションだと思います。組織アジャイルを目指すのであれば、始めさせるのではなく始めることとその姿勢をオープンにすることが大事です。それを見て回りが始めていくことがリーダーシップの良い発揮方法だと思います。

ミドルアップダウン

組織の状況を俯瞰的に見えやすい立ち位置にあるのがミドル層です。トップの意図を近い場所から確認しつつ、仕事の実情も把握することができることが強みとなります。全体をつなぐための場作りを一番ハードル少なく作れると思っています。トップが突然やろうとしたときの「警戒されないか」という心配、ボトムがやろうとすると「自分で良いのか」という心配、そういったハードルを越えやすいからこそ動き出せることができるはずです。

ボトムアップ

ボトムアップの場合、期待と責任が少ない状態で新たなチャレンジをすることができます。スモールスタートが当たり前なので、リスクも失敗したときのダメージも少ないはずです。リターンは最初は少ないかもしれません。ですが着実に実験と実績を積み重ねて信頼貯金を作っていけば、少しずつ大きな動きを作ることができます。この「動きだす」ことを早い段階から続けられる人は絶対伸びますし、その動きは自己管理の現れです。

立場は違えど壁は同じ、越えたその先

組織である以上、さまざまな立場があってその中で行動を始めるにはそれぞれのハードルがあります。そのためには上記のような、それぞれの始め方を模索する必要が最初はあります。まず、動いて、認識してもらって、共感してもらって、周りを動かすというステップです。そこにはいくつもの壁が存在しますが、結局ぶつかるのは同じような壁なのではないかと感じています。

組織の行動になるまでの壁

出力の壁と認知の壁に関しては、自分で越えることができます。書籍の「まずあなたが、自分がいる場所から始めよう」という言葉は、一歩を踏み出すための後押しでもあります。いきなり全社や部門全体に向けなくていいのです。まずは、自分のチーム、共感できる仲間と行動をはじめてみませんか。越境はそのあとにでも遅くないですし、もしかしたらその最初の一歩を踏み出すこと自体が自分の中の壁を超える越境なのかもしれません。

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Takahiro Ito
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