“なにもしない”ための宿
昨日書いたプロポーズの話の続きを書こうと思いつつ、なんとなく恥ずかしいので、これ以上は書かないことにして、その日に泊まった「養生館 はるのひかり」という宿を紹介することにする。
ここは“なにもしない”ための宿だ。というのも、温泉と食による「養生」を旨とする旅館で、逗留(連泊)による静養が目的の場所。特に連泊を推奨しており、日常の疲れた大人がそのストレスや疲労をとるための宿で、まさに温泉とご飯以外“なにもしない”場所だ。食事も、胃腸の疲れを癒すために計算し尽くされた丁寧な料理が3食提供される。
もちろん宿の周りにも何にもない。坂を登るとコンビニこそあるが、もちろん日が暮れるとやっていないので、特に夜なんかは早く寝る以外に仕方がない。
エントランス棟から庇の下を通って温泉のある宿泊棟へ移動すると、そこには温泉と書斎、そしてそれぞれの部屋があるだけ。だから、昼間どうするかというと、書斎でのんびり本を読むか部屋でゴロゴロするしかない。もしくは温泉街の散歩をするのもいい。
温泉宿というのは基本的に“湯治”というくらいで、なにもせずに疲れを癒しに行くための場所なわけだがが、卓球はおろか、最近ではゲームセンターがあったり、お土産コーナーが充実していたりと、コンテンツもりもりな温泉宿も増えている。そんな一方でアミューズメントを一切排除し、“なにもしない”に粛々と向き合う温泉宿は今後もあり続けてほしいものだなと思うのだ。