七里ヶ浜_2

やうやう白くなりゆく空

 僕の誕生日は1月1日。人からはよく「珍しいね」「覚えやすくていいね」と言われるが、小さい頃は冬休みで友だちにも会えないし、なんなら家族だって「誕生日おめでとう」より先に「あけましておめでとう」と言ってくるので、なんとなく嫌な日に生まれたもんだなと思っていた。

 とりわけ、誕生日だから何を食べたいだとか、どこに行きたいなどと思ったことがない。早朝に初詣へ行き、軽く睡眠をとっておせちを食べてお年玉をもらう。それが定番コースだった。

 大人になった今、誕生日には毎年妻と由比ヶ浜の初日の出を見にゆき、そのまま鶴岡八幡宮へ行くことにしている。そして、必ず変わりゆく空の色を写真に収めている。ここ5年はずっとそうだ。「枕草子」の「やうやう白くなりゆく山ぎは」は春(当時の2月)だけれど、正月・鎌倉のあけぼのにも新しい年を迎えるのにふさわしい、広い空があると思う。

 空を見上げることが大好きな僕にとって、お正月は今年一年を占う空だと言ってもいい。幸いなことに、ここ5年はずっと晴れている気がする。

 実はフリーランスになって新しく作った名刺の裏面には、今年のお正月の空の写真を使ってみた。年が変わればまた、新しい空の色を名刺に取り入れようと思っている。僕にとって、お正月、つまり誕生日に見上げる空はどんな天気であれ、すごく大切な光景なのだ。

僕が好きなクリーンでピュアなものごとを「mu」というnoteマガジンでまとめていこうと思います。詳しくはこちらの記事をご覧ください・・・!


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