#487 どこまで手を加えるか
インタビューや対談内容を、話し言葉の原稿にする機会が度々あります。これ、何度やっても、いつやっても悩ましいのが、録音した会話をどこまで再現して、どれくらい演出するかってこと。
一見、楽な仕事だと思うでしょう? テープを起こしさえすれば、あとは指定された文字量に合わせて、切った貼ったでいっちょあがり。それはまぁその通りなのだけど、音声や映像ではスムーズな流れに感じられても、それをそのまんま文字にしたら、読むに堪えないのが普通です。
そこでライターは、話し手の気持ちを(勝手に)慮って、言葉をかみ砕いたり、付け足したり、削ったり、話の順序を入れ換えたり、本当はAさんの言ったことをBさんの台詞にしたり、時に完全なる創作で仕上げていくわけですが、そのさじ加減が難しい。休日のヨレヨレお父さんを、スタイリストさんやらヘアデザイナーさんやらが寄ってたかって、イケおじに変身させる企画があるでしょ。あれくらいの自由度があるならまったくもって造作もないことで、トム・クルーズ調でも西島秀俊風でも、量産しろと言われればいくらでも。
これまで激しいクレームが入ったり、全面的な差し換えを求められたり、うそつき呼ばわりをされたことはないのだけど(いや、これはある)、いつか大失敗するような気がしないでもなく、自分の中ではわりと緊張感のある仕事のひとつです。
#484で、鼎談記事のリンクを貼りました。あれって実は動画ありきの企画で、演者さん3名は短い時間の中で的確な言葉を発し、起承転結も明確。自分の役割を踏まえながら進行できる人達ゆえ、わりとそのまま文字に置き換えられたものの、それでも映像と文字では印象が異なるかもしれません。
ところで、動画の中でも記事の中でも「これからは若い人を育てよう」、「どんどん若い人に入ってきてほしい」と締め括っていて、それはクルマの世界だけでなく、バイクも世界も同様です。最近の私は、文句言いだと思われている節がありますし、LINEだろうがなんだろうが句点はきっちり打ちますし、仕事上の連絡で「!」を使うことはありませんし、(笑)もそうですし、「w」や「草」なんてもっての他ですが、そんなにうるさくないので、お若い方もそうでない方も、ぜひ気軽に声を掛けくださいね!!!!
■オリジナルの動画・前編
■中編
■後編
■動画を元にした記事