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#055 総画数42
原稿で「ひんしゅく」という言葉を使うことがある。ひんしゅくを買う、のひんしゅく。ものを評価する仕事をしていると、しばしばこのひんしゅくってやつを買う。積極的に買いにいっているつもりはないものの、ちょいちょい嫌われる。
買いにいくという行為はつまり身銭を切っているわけで、だったらその対価として、いい思いができてもよさそうだがそんなことは起こらない。心が豊かになったり、健康になったり、気持ちよくなったり、もてたりすることはない。甚だ残念なことに。「あのライター、やべぇな」という評価がくだり、下手すれば仕事だって失いかねない。
先日、「ひんしゅく」と書いた後に何気なく変換ボタンを押してみた。ポチっとな。
「顰蹙」
おぉ、お前。そんな面構えだったのか。そりゃ、嫌われても仕方がないよね。総画数は42画。その数字も相まって明らかにオドロオドロシイ。
しかもこいつ、拡大しないと分からないのだけど、最初の「歩」っぽい部分が「歩」じゃないという罠までついている。一画足りないのだ。とことん性根が曲がっている。
顰蹙、怖い。