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#504 787Bのホイールどうする問題・前編

ホットウィールから発売されたレナウンカラーのマツダ787Bを手にして以来(10月初旬に買った時は440円でしたが、10月20日現在、アマゾンでは375円に下落中)、日々の悩みがまたひとつ増えまして。それが「あの金ぴかホイールをどうにかせねば」という深刻な問題です。実車はマグネシウムホイールなので、決して的外れではないものの、色味もさることながら、あの造形もなぁ……と悶々。とりあえず、手持ちのホットウィールの中からマツダ車を並べてみたところで、どれもこれもマッチせず、1/64スケール用のアフターパーツを探してみるも、いまひとつピンとこず。あればあったでSOLD OUT(これとか→ https://kabukiwheels.kawaiishop.jp/items/73188093)だったりで、さらに悶々としていたわけです。秋ですね。

そうこうしているさなか、そもそもホットウィールが最初に787Bを発売したのは2018年のことで、『CIRCUIT LEGEND』と呼ばれたその一連のシリーズは、どうやら仕様が全然異なっていたことを知るわけです。

そこで私、一所懸命探しました。PCもスマホもフル稼働で一所懸命探しました。そして……かつての787B、見つかりました。メルカリで。

はい、どーん! それがこちら。

いくらトランポ好きとはいえ、このセットは別にいらんねんけどなぁ、と思いつつも、背に腹は代えられないので、3秒ほど逡巡して購入。2000円が微妙にあれですが、幸か不幸か、まったく刺さらないカラーリングなので、ためらうことなく、検体としてバラせそうです。

ところで、このオリジナル787Bのなにがいいの? いい質問です。まずリアホイールが5本スポークのディープリムであること。そして、その色調がほんのりマグネシウム風味なところです。

どうでしょう。なかなかいい感じではないでしょうか。

しかもこれ、驚くべきことにリアカウルが脱着式になっていて、取り外すことによってエンジンルーム御開帳。なのに、御本尊たるロータリーエンジンが見当たらないという壮大な肩透かしを食らいつつも、こうしたギミックはホットウィールでは極めて珍しく、へぇぇぇ~と感嘆しております。

バルクヘッド後方にオルタネータやラジエター用のリザーバータンク、サスペンション前方にはギヤボックス用のリザーバータンクまで再現されているのにエンジンレスという超ドS級の焦らし感。#503の記事において、55号車はリアカウルが脱着できないにもかかわらず、エンジンルームが作り込まれていることに感動しましたが、この201号車を筆頭とする『CIRCUIT LEGEND』用の型(ただし、一部形状が異なる)と製造工程が活かされたということでしょう。

感嘆ポイントは他にもありまして。アンダーフロアのサイド部分を見てもらうと、黄色っぽく(ほぼ金色だけど)塗装されてるでしょう? 実は、実車のこの部分にはケブラーが採用されているため、その繊維色に寄せたようです。

エキパイと排熱用のスリットを塗装で表現。55号車はここのスミ入れが簡略化されています。

そんなわけで、いろいろと素晴らしいオリジナルの787Bですが、なんでやねんポイントもしっかり仕込まれていて、そのひとつがタイヤ。これまでの写真がお気づきかもしれませんが、スリックじゃなく、なぜか溝つきなのです。しかも、4本すべてが溝つきならレインタイヤかな、と思えたものの、フロント2本はスリックというトリッキー仕様。「もしかして、路面コンディション的にそういう選択をしたレース史実があったのでは?」と思って、一応、過去のリザルトを遡って調べてしまいましたよ。

ちなみに、廉価版である55号車のアンダーフロアはプラだけど、この201号車はダイキャスト。重量は55号車が38グラムなのに対し、201号車は53グラムあって、ずっしり感が全然違うのです。

そして、もうひとつがホイールのサイズです。フロントが大径、リアが小径という(実車は前後18インチ)、これまた変な組み合わせになっていて、脱着式カウルの精度の甘さも手伝って、リアフェンダーとタイヤのクリアランスは、ダカールでもお目指しか?ってくらいがばがばです。

シャコタン&ツライチの美学を追求しているヤンキー君が見たら発狂しそうな隙間。めちゃくちゃ貧相に見えます。

「ホイールの調達が急になげやり」というのは、38個くらいあるホットウィール七不思議のひとつなのですが、その悪癖を遺憾なく発揮。一体なんの車種からの流用品なのか、むしろ興味深いところです。

とはいえ、この201号車のリアホイールを55号車に移植することは決定なので、その工程は(というほどのものではない)、次回また。

レナウンカラーの55号車は、1991年のSWC(スポーツカー世界選手権)第4戦ル・マン24時間で総合優勝を成し遂げた超メジャーモデルにして走る文化遺産ですが、アンフィニカラーを纏った201号車のマイナー感たるや。この車両は、同年のJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)第6戦富士スピードウェイと第7戦SUGO、そしてSWC最終戦の第8戦オートポリスに参戦。フロントタイヤの前にカナードが装着されていないので、JSPC第6戦でJ.ハーバート&M.サンドロ-サラ組が乗った時の仕様がモチーフかもしれません……と、もっともらしく語っておきます。


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