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ご機嫌でいる技術

なんでいつもそんなにご機嫌なんですか?と聞かれることがあるので、考えていることをここにまとめておきます。通称藤井ご機嫌パックです。


前提

  • ご機嫌でいること≠いいことです。どちらかというと、この考え方は僕の短所でもあります。ご機嫌でいることを過度に優先すると、本当に大事なことの実現を遅らせる可能性があります。

  • なので、ここに書いてあることをまるっと参考にするよりは、皆様がもう一歩ご機嫌でいたい、その時にこの技術が役に立ちそう!と思ったら部分的に流用する、試してみる、そんなことをおすすめします。

  • 本当は文献などと照らし合わせた方がいいのですが、思っていることをまずはnoteにします。あとでそういったものを見つけた場合は追記するかもしれません。

1. 自分にとって大事なことが何かを明確にする

自分が大事にしたいこと、優先したいことが何かを明確にできると、そうではないことに対する寛容度が高まります。

例えば、プレイヤーからマネージャーになった時。
個人の成果の最大化から、組織、チームの成果の最大化こそが優先になるタイミングがあったとします。
今までは、自分がやりたいこと、決めるべきことが出来ないとご機嫌を損ねていたかもしれません。でも、組織が最大の成果を残すためには、それを優先しなくても良いと感じる、思えることがあります。その場合は、組織の成果の最大化こそが一番実現したいことなので、個人の選択を一歩客観的に選べるようになります。それは、他人から見るとあなたがご機嫌できるようになった、と見えることにもなります。

補足すると、組織の成果の最大化のために、あなたの成果の最大化こそが最善だと感じた時は、退く必要がないということです。一歩引くことだけが組織の成果の最大化の最適解ではないことを、知っておく必要があります。
チームファーストでいることが正しいということが、ここで言いたいことではありません。

あとはよくある話だと、就活、転職の軸、大事にしたいこと(環境・収入・人)が何なのかもこの話だと思います。

2.先入観・バイアスを疑う(環境・文化・価値観の違いを前提に)

年齢を重ねることに感じることが増えましたが、皆、それぞれの人生を経てきて今ここにいます。あなたにとって当たり前のことが他の人には当たり前ではないことは、思ったよりも良くあることです。

自分にとって当たり前だと思っていることを他の人が当たり前にやらない時、突発的にイライラすることがあります。
自分もこれでよくイライラしていました。
ただ、色んな国の人と働く中で、環境・文化・価値観が異なる、自分にとっての当たり前が他に人にはそうでなかったことが本当に自然なことだと知りました。

ここでのポイントは、だからどんなことでも受け入れろということをいいたいわけではありません。

やや単調な例ですが、あなたはメンバーが仕事を頑張っていないと思ったとします。その時に、

  • 「なんで仕事頑張らないの💢?」

と聞くか、

  • 「最近仕事に集中できないと感じることがあるんだけど、何か不満に感じていること、困っていることってあったりするかな」

と聞くかの違いを上記の考え方が生み出してくれると思っています。環境・文化・価値観の違い≒多様性、だからなんでもOKというのは、特に仕事においては適切ではないことがあります。
会社として大事にしたいことがある、基準があるのであれば、それを知ってもらうこと、その上でどうしていきたいか、は大事にすべきです。

環境・文化・価値観の違いを前提にすることで、「ん?」と想った時に、一歩ご機嫌な状態を維持してコミュニケーションすることができます。

3.分からないことは自分のご機嫌を損ねることがある(でも必ず分かるわけではない、残念ながら)

2ともつながりますが、他人のことでイライラするときは、「なぜその人がそんなことをするのか分からない」ということがきっかけになることが多いです。
この時、分からないままの状態を維持してしまうことがあります。「たまたまそうだっただけなのかな」・「時間が解決してくれるかも」・「今はそれより大事なことがある」などなどあると思います。
ただ、分からない状態を維持することは、あなた(自分)のご機嫌を損ねることがあります。時にそれを自覚できていないこともあると思います。
そうすると気付かぬ間に自分でストレスを溜めて、ご機嫌じゃなくなってしまうことがあります。

そういう時は、直接聞けるなら聞くのも良いです。
人の問題ではなく事象の話であれば、紙に書き出すのがおすすめです。
プロジェクトが上手くいってない時に、なぜプロジェクトが上手くいってないかをマインドマップなどで自分なりに整理してみる、といった感じです。
その分析が正しいかどうかはまた別の話ですが、自分なりの仮説を立てることはできます。

ここで言いたいことは、プロジェクトを成功させるために、これが大事ということではありません。仮説を立てることで、完全に分からないという状態を一段緩和させることができます。
これがあなたがご機嫌でいることの助けになります、という話です。

でも、仮説から必ず答えを見つけられるとは限らないのが現実の難しいところですね。

4.正しい決定をすることと、それがなぜ正しいかを理解してもらうことは違う

これは特に私がマネージャとして意識して、向き合っていることです。
あなたがメンバーの方からの提案を受けた時に、

  • 「この設計はうまくいかない」-> 「この場合はこうした方がいいよ、以前こういうプロジェクトで上手くいかなかったんだ。なので今回は僕の案で進めさせて欲しい。」

みたいなことを思う・伝えることがあると思います。(少なくとも思うことはあるはず。)

上記のコミュニケーションが必ずしも悪いという意味ではないですが、ここで勘違いすべきではないことは、上記のコミュニケーションで少なくとも達成出来たことは(経験則的に)正しいと(思われる)決定をすることができたことであり、そのメンバーがなぜ正しいかを理解出来たかどうかはまた別の話であるということです。

もしかしたら、表面上メンバーはその提案を受け入れたとしても、将来マネージャが変わった時に、メンバーはまた同じ提案を別の人にするかもしれません。(考え方の違いによるものだ、と思っているかもしれません)

説明によって理解することと、決断・体験して理解することには差があります。個人差がありますが、基本的には自分で決断・体験して失敗したことの方がより深く定着します。

その前提を踏まえた上で、あなたがより成し遂げたいことは(1とも連動します)

  • 正しい決断をすること

  • その人になぜ正しいかを理解してもらうこと

どちらなのかを意識すると、あなたの判断やご機嫌が変わるかもしれません。

特に後者を優先する場合

  • 許容できる範囲で(失敗するかもしれないけど)メンバーに決断して実行してもらう

    • それが成功するかもしれないし、失敗したとしても糧になる、そしてそれは中長期的により良い選択肢である

などの選択肢が生まれることがあります。となると、他人から見るとあなたはより寛容で、ご機嫌に見えるかもしれません。ですので、これもご機嫌になる技術になりえます。

5.言い合えるようになるまでの時間と距離感は人によって違う


お互い言いたいこと、本音を言い合い、フィードバックし合える関係になれることは大切です。一方、どうなったらそうなれるかの条件、時間、距離感は人によって違います。(2とも関連します)

個人的な経験に基づくと、チームスポーツをやっていた人はこの時間が短く済むことが多い印象があります。
例えば、私はバスケをやっています。最近はその場で即席のチームを組んで練習(試合)をすることがあります。そのようなチームで試合に勝つためには、試合の時間中に問題や課題を解決する必要があります。なので、限られた時間でフィードバックするしかありません。スポーツの限られた時間内での課題解決は、素早くフィードバックをし合える必要が基本的にはあり、関係性の構築に役立つと思っています。もちろん、スポーツ以外でも上記のようなことや経験はありえるはずです。

一方で、そういう経験や体験が多くなく、関係性構築に時間がかかる人もいます。こういった感覚には個人差があります。

経験によって、関係性構築の時間を早くできることは基本的に良いことだと思います。一方で、繰り返しにはなりますが、みんなが同じ時間、感覚で関係性を構築できるわけではありません。
この前提を忘れると、フィードバックしている側は、素早く言い合える関係性を作りたいと思いフィードバックしているが、されている方が十分な受け入れをすることが出来ず、結果として片方の主張が強くなり、片方が萎縮する(言い合える関係にはならない)ということは、仕事の場で少なからず目にすることがあります。

2によってその時間と距離感が人によって違うことを意識しておくと、コミュニケーションの仕方の選択肢が増えるかもしれません。
あなたにとって大事なこと、実現したいことによっては、時間をとって関係性構築をはかる心づもりが出来ると、他人から見るとあなたはより寛容で、ご機嫌に見えるかもしれません。
ですので、これもご機嫌になる技術になりえます。

6.ご機嫌でいれるキャパには限度がある

ご機嫌でいるにも限度はあります。上記の手法を用いたとしてもです。
人によってキャパは違います。ただ、どこかしらに限度はあります。
花粉を受け入れられる量は違うけど、超えたら花粉症になる、みたいなイメージです笑

キャパに近づいてきたときの兆候としては、いつもそのことを考え、プレッシャーを感じたり、イライラすることが増えます。脳内シェアが増えます。

これを回復させる方法は、私にとってはスポーツ以外にはありません。(あとその後の銭湯♨️)
スポーツをして、限界まで疲れると、考えられなくなります。目の前のことしか考えられなくなります。脳内のメモリを解放することが出来ます。
一度そのことを忘れると、想像以上にすっきりします。一度すっきりすることで違った考えや、アイデア、解決策を思いつくこともあります。
お酒は思考をぼかすことが出来ますが、脳内のメモリを解放することは出来ません。

キャパが迫ってきた時ほど、運動した方が良い(キャパが近づく前の方が良いですが)と思っています。
ですので、最近体動かしてないし、ストレス溜まっているなーという方は体を動かすことをおすすめします。(できれば、何も考えらないくらい追い込むのがおすすめです笑)

7.ご機嫌でいる必要が無いと思っている人もいる(追記)

※ このnoteにフィードバックを頂いて、この観点も大事だなと思ったので追記しました。(2024/11/06)

ご機嫌でいることの必要性、大事さみたいなものは人によって異なります。ご機嫌でいる必要性など全く感じずに、実現したい、やりたいことに向き合っている方もいます。

みんなが等しくご機嫌でいたいと思っているわけではないです。
その時に、ご機嫌でいること自体を目的にして議論すると大抵上手くいかないです、価値観が違うので。

一方、1や5などの相関が強いと思いますが、ご機嫌でないことの影響が他者に出ることは当然あります。組織やチームとしてのパフォーマンスが下がったり、顧客満足度みたいなものが下がって、その人は自分のパフォーマンス基準で物事を考えているが、組織でみた時にパフォーマンスが最適化出来ていない、下がっているみたいなことが起こりえます。

仕事の種類にもよって重要性も異なると思いますし、過度にご機嫌を重視したり、ご機嫌でいること自体が目的になってしまうと、ただのお人よしみたいな状態になってしまいます。

価値観が異なったとしても、本当に目的を達成する上で大事なことは何か、ということに立ち返って議論することができると、建設的な議論が出来るので、場をご機嫌にするのに役に立つことがある技術かもしれません。

8.感情も理屈も大事にする

自分へのアンチテーゼですが、上のようなことばかり考えていると、自分の思考が理屈っぽくなります。
でも、感情が無くなるなんてことはありません。
理屈もあるけど、やっぱり自分がやりたいこと、やりたくないこと、大事なこと、大事じゃないことは理屈だけではなく、感情からも生まれます

それを軽視する必要はないですし、自分の感情も大事だなって思うことが最近増えてきたので、これを最後に書いておきます。

さいごに

ということで、僕的ご機嫌でいる技術をまとめてみました。
ご機嫌でいることは必ずしも寛容になる、お人よしになるということではなく、上記のような技術で補いうるものだと個人的には思っています。
もしも、あなたがもうちょっとご機嫌でいたいと思った時に、上記の技術の何かしらがお役にたてば幸いです。

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