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オトナの読書感想文 〜第4回〜

どんな男になんねん
鳥内秀晃、生島淳 著

満足度  ★★★☆☆ (3.3)

この本はビジネス大学院の先輩から勧められて読んでみた。

おそらく本屋だったり、Amazonをザッピングしていても私は手には取らない部類の本だと思う。

そういう意味では、自分の考えには及ばないような視点や考えの違いに触れられ、興味深かった。

この本を書いた著者、鳥内氏は関西学院大学のアメフト部でプレイヤーとして経験した後、
米国に渡り、そこでフットボールの本場で勉強帰国後に母校のコーチ→監督になられた、
フットボールをこよなく愛し、人生を捧げた自伝である。

元々、移り気の激しい私にとって、一つのことを貫き通す気持ち、胆力はそれだけで心底尊敬できる。

鳥内氏は、想像するに根底には情熱の人でありながら、自身の成功・失敗経験通じて、フットボールを人材育成(教育の場)と捉え、しっかりとした理論を持ち、学生や社会人の育成に尽力を注いできた方だ。
大変素晴らしい功績とフットボールチームとしても、幾度となく大学日本一という名誉ある実績を残されてきた。

もしも、私も鳥内氏のような方と出会ってれば、人生大きく影響受けたのだろうと思うし、恩恵を受けた感謝をきっとチームやその人への恩返しがしたいと思うんだろうな、と。

ふと私にとって、人生に影響を与えてもらった人は誰なんだろう考える。

何人かはいるが、強烈な存在がいるかと言われたらどうだろうな…
そういう存在がいてもいなくても、人生にどう影響与えるのか、それは分からない。

ただ、生きてく上で誰と出会うかって、
人生にハリや豊かさを求めるとするならば、かなり重要な要素であると個人的に思っている。

結局本のタイトルにもあるように、
「どんな男になんねん」
という、人生の目的設定が明確でなく、加えてそれをやり切る胆力の弱さをこの本通じて思い知らされた気がした。

特に、自分が若い頃を振り返った時に思う。

今でこそちょっとはマシにはなったかもしれないけど、昔から自分に甘くて、自身の可能性を追いかけきれず、無理だと勝手に決めつけ、違う方向に舵をきったり、途中で諦めたり。

その時は自分なりには真剣に考えていたとしても、浅はかな決断をしてしまった若い頃の自分を後悔することが正直ある。

なぜ、困難な選択肢を取らなかったんだろうなと。

もしかしたら、あの時諦めず続けていれば…
どうしてあの時、やりたかったことに決断できなかったんだろう…

決心して一生懸命やり続けていたら、鳥内氏のような方に出会い、人生が変わっていたかもしれない。

出会いとは不思議なもので、頑張っていればこそ、良縁に引き寄せられる確率も高くなるってことを今だから余計に思う。

今更「たられば」は言いたくはない。
なので、過去の後悔が今の生きる源になっているけど、もう少し若い頃に気がついていれば。。。

改めてこの本通じて、強い決断とやり抜く胆力、何より他人のためでなく、自分自身がどんな男になるか(目標設定)の重要性を感じた。ある種、今後の人生を謳歌する上で、自分自身への戒めの意味としても。

そして、自分の後輩や愛する息子に対して、鳥内氏のような良き影響を与えられる人物にならねば、とも思う。

そのためにも自分で決めた道を貫き通し、悔いない道をしっかりと歩んでいきたい。

ここからは内容云々というより、個人的に感じた好き嫌いのお話。
文中に違和感や、なんとなく肌感としてアレルギーを感じるところもあり、途中、目を顰めそうなときもあったので、心から感銘したとは言い切れないというのが、正直な感想だ。

その点については、さくっとだけ。

ちょっと関西と関東の文化の違いについて、幾分論理が乏しいまま、雑な形で論じていたり、関西学院大学それ自体の誇りや、「あるべき」的なところの思考の偏りについては仕方ないこととはいえ、読み手と少し距離を感じても致し難いのかなとも思う。

あとは、体育会なノリは前提になっている点。

根性や精神は据わっていて当たり前で、人それぞれのいわゆるソフトな部分(心の機敏や、メタファーのような比喩表現、シニカルなところなど)の文書表現や語彙としては乏しく、直球勝負なのはこれもおそらく読み手との相性だろう。

それもまた含め、総じて表現の好き嫌いあるかも知れないけど、人間愛の溢れる著者の気持ちのこもった一冊だったと思う。

ありがとうございました。

(あくまで個人の感想なので、悪しからず…)

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