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今年はサーファーになるしかない (2024年の振り返り / 2025年の抱負
人生初のワイキキで浮かれている。年始のホノルルはどこも開いていないので結局スターバックスでPCを開いてしまう。2024年を振り返った上で、2025年の抱負を考えてみたい。
考えてみれば2024年ほど前半と後半でダイナミックに過ごし方が変わった年はない気がする。前半は作品制作に生活のほとんどを使っていたので、半ば引きこもりのような生活であった。後半は都知事選やメディア露出なども含めて人と会いまくる生活をしていた。
どちらの生活もそれなりの良さがある。自分としては一時期にバランスを取るというよりも極端に振動しているのがちょうど良い感覚がある。死ぬほど人と会うか、死ぬほど人と会わないかを繰り返している方が学びが深い感じがある。
2024年の振り返り
都知事選候補者として
振り返ってみると、始まりは妻の一言だった。4月5日に言っていたらしい。
妻が「あなたは次の都知事選に絶対に立候補してください」と言っている。
— 安野貴博 (@takahiroanno) April 6, 2024
そこから2ヶ月後の6月6日に立候補表明。
本日、都庁にて #東京都知事選 への出馬を表明しました。AIエンジニア、起業家、作家の経験を活かし、未来の東京のビジョンを皆さんと一緒に描いていきたいと考えています。
— 安野貴博 (@takahiroanno) June 6, 2024
継続して情報を発信していくので、ぜひXのフォローをお願いします~!#TOKYOAI pic.twitter.com/MB0kXmnrs4
1ヶ月後の7月7日に投票日を迎えた。結果は5位。当落には絡めなかったが、意味のある戦いになったと思う。
みなさまありがとうございました!
— 安野貴博 (@takahiroanno) July 6, 2024
7月7日は安野たかひろに皆様の一票をよろしくお願いします!https://t.co/9Xk5ojKsTu
ここまでは一切テレビには取り上げられなかったが、投票日以降は選挙報道の規制もなくなるため、一気に露出が増えた。
報道における量的公平性を重視するがあまり、選挙期間中の報道に抑制的になる構造自体がいかがなものかと思うので、上記切り抜きのようにチャンスがある度にちくちくと主張していた。
都知事選が終わった直後期(〜9月迄)は下記の3点にフォーカスしていた。意外にも生活は落ち着くかと思いきや落ち着かなかった。
・都知事選の宿題をこなす
・ネクストステップの検討
・(都知事選の残り香があるうちに)認知拡大の打ち手を打つ
9月末には陣営で開発したソースコードの公開を実施した。今後、選挙に出馬したい人がいたら是非気軽に使ってみて欲しい。公開したのは下記の4点。
1)有権者からの質問に24時間回答し続けるAI安野
2)GitHubでマニフェストの磨きこみの議論を行うためのリポジトリ
3)掲示板にポスターを貼るためのポスターマップシステム
4)Talk to the Cityと呼ばれるブロードリスニングツールの活用ノウハウ
10月には解散総選挙があった。日本テレビ様と一緒にブロードリスニング型の選挙特番を実施する事ができた。地上波テレビ局としてはかなり先進的な試みで、チームとしても非常に勉強になった。
昨日は日テレの選挙特番に出演しました! コメンテーターにとどまらず日テレチームと一緒にデータ解析も行いました。ブロードリスニングを地上波でやり切ったのは初の事例ではないでしょうか。youtubeアーカイブもあるので是非ご覧ください〜 pic.twitter.com/JjBRlXeQM8
— 安野貴博 (@takahiroanno) October 28, 2024
10月末にはスマートニュースの鈴木健氏に誘っていただき、アメリカ横断ロードトリップに行ってきた。生トランプ、生ハリスはそれぞれ大変迫力があった。
大統領選中にスイングステートを巡る旅をしてるんだけど、大統領選のスケールが日本の選挙と違いすぎてヤバい。踊るトランプ。爆音野良トランプトラック。ゴミ袋に身を包む共和党支持者。戸別訪問先をボランティアに指示するアプリなど pic.twitter.com/8bvC218d9T
— 安野貴博 (@takahiroanno) November 3, 2024
突然の告知となりますが、明日11/10(日)20時からアメリカでの旅を振り返る配信をします!
— 安野たかひろ事務所【公式】@都知事選応援ありがとうございました (@annotakahiro24) November 9, 2024
📣📣📣いつもより1時間早い配信になりますのでご注意くださいhttps://t.co/WEIVIg9iDq pic.twitter.com/c90vfZxll5
11月には東京都の外郭団体であるGovTech東京のアドバイザーに就任した。東京の未来ビジョンを策定する #シン東京2050 というプロジェクトにおいて、ブロードリスニング型の方法で都民の声を収集、分析する方法について助言させていただいた。
作家として
新刊の長編を1作。既刊の文庫化を1作。SF作家としてのインタビューが収録された本が2冊出版された。短編が1作星雲賞候補作に選ばれたが、残念ながら受賞には至らなかった。
【新刊のお知らせ】
— 安野貴博 (@takahiroanno) July 17, 2024
デビュー2作目の長編小説『松岡まどか、起業します AIスタートアップ戦記』が7月18日に刊行されます! AIと働き方をめぐる令和のお仕事小説です。何卒よろしくお願いします。https://t.co/z61uzAh8nI pic.twitter.com/BcfGTnxxQH
【お知らせ】
— 安野貴博 (@takahiroanno) March 19, 2024
4/5に『サーキット・スイッチャー』の文庫版がハヤカワ文庫JAより発売されます!
小島秀夫監督、斜線堂有紀先生に帯の推薦コメントを頂きました!また解説を吉田大助先生に書いて頂きました!
何卒よろしくお願いします!https://t.co/8dj2ViIYZQ pic.twitter.com/aSyGvY2rX1
小説家📚が自作の映画風予告編📷をAIで作ってみた
— 安野貴博 (@takahiroanno) April 7, 2024
自作 『サーキット・スイッチャー』 好評発売中です! pic.twitter.com/HDEP5qC5qR
やり方はこちらに記載している。当時のGen2を使っていたが、今であればKling、Sora、Veo2などより良い動画生成AIが普及してきているので、もっと制作はやりやすくなっているはず。
どうやら本当に星雲賞の短編参考候補作に自作の『シークレット・プロンプト』を選出頂いた模様です!ありがたい・・・!AIモデルによる完璧な監視が行き届いた未来で起きる中学生連続誘拐事件を描いたジェンダーSF短編になっております。日本SF大会にいかれる方は是非投票を!! pic.twitter.com/Mch7JC27ox
— 安野貴博 (@takahiroanno) April 23, 2024
大澤博隆先生の『AIを生んだ100のSF』の見本を頂きました! AI研究者たちにSFのことを聞きまくるというアツい一冊になっております。巻末の年表はSF作品と実際のAI技術の発展が並べられていて面白い。松尾先生と安野の対談も収録されております pic.twitter.com/HB18i5M5eM
— 安野貴博 (@takahiroanno) April 26, 2024
日本SF作家クラブ編『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』の見本を頂きました! 『SFと科学技術を再考する』の章で昨年のさいこんの対談を収録頂いています! pic.twitter.com/WZ4Dd9T3YU
— 安野貴博 (@takahiroanno) May 9, 2024
山根有紀也と一緒にやっている実験東京という制作グループにおいては、福岡市美術館、キャナルシティ博多、SHIBUYA AWARDSなどで展示の機会を頂いた。美術館で展示する体験は初めてだったのだが、やってみるとわからないことだらけだった。
本日より福岡市美術館、アジアデジタルアートアワード大賞展でAIがあなたの影絵を幻視する作品「幻視影絵」を展示しております pic.twitter.com/H6nEOpFUoI
— 安野貴博 (@takahiroanno) March 12, 2024
ナムジュン・パイクの作品と実験東京の『生成時計』が並んどるがな・・・! https://t.co/t5W1xLAc1B
— 安野貴博 (@takahiroanno) April 25, 2024
渋谷アートアワードで自作『生成時計』が渋谷区長賞を受賞しました!風景画であると同時に時計でもあるという作品です。同賞でAI作品が受賞したのはおそらく初めて。AI技術が可能にした新しい表現を模索する中、出来あがった作品の一つです。明日より渋谷で受賞作品展もありますので是非! pic.twitter.com/ZVQLhQWE7V
— 安野貴博 (@takahiroanno) March 22, 2024
引き続き『テクノロジーが開いた新しい表現の可能性』を模索し続ける活動を実験東京ではやっていきたい。
YouTubeチャンネルの開設
また、YouTubeチャンネル『安野貴博の自由研究』も本格的に始める事ができた。安野が興味があることについて興味がある人に対してだらだらと話す動画チャンネルだ(是非チャンネル登録と高評価を!)。他のメディアではどうしてもマニアックになりすぎることは喋れないわけだが、自分のチャンネルでは今後もゴリゴリにマニアックな話や実験的な試みをどんどんやっていきたいと思う。
まだ見たことがない方には例えば下記がオススメ。
高校の後輩の伊沢さんとの対談
同じ苗字だけど読み方が違う安野(やすの)先生との対談
デザイナーの山根さんとデザインについて語る会
正直、自分は自撮りすら敬遠してしまう程に動画カルチャーとは疎遠だったのだが、歯を食いしばって自分を撮り続けていると、『動画を出す』というのは新しい思考のやり方でありコミュニケーションの方法なのだとわかり始めた気がする。文字をしたためるだけでは到達できないコミュニケーションがここにはある。
それは昔は一部のメディア人だけに必要とされるスキルセットだったが、今は違う。情報をブロードキャストしているのではなく、リアルタイムに時間を共にするという擬似共通体験のブロードキャストが動画だと出来る。これは日記を書く / ブログをやるぐらいのインパクトを持ちうるものだと思う。
2025年はハイプと向き合う
過去に書いたnoteを見てみると、2023年の抱負は『ゆるふわに迷走』だった。2024年の抱負は『もう少しチームプレイの比重を増やしつつも、引き続き探索する』だった。幸い、これらの目標は概ね達成されたような気がする。都知事選ではチームで臨むことが出来たし、いま焦点を当てるべき活動も見えた(何に焦点を当てて今後やっていくかは別記事にてポスト予定)。
別の角度から捉えると、2024年の自分は良くも悪くもハイプの山を登りはじめてしまった気がする。ハイプ・サイクルとは、新技術が市場に登場してから普及するまでの期待値の変化を表すモデルのことで、要するに新しいモノが出てきたときに『過度な期待』からの『幻滅の谷』を経て適正な期待値に収束していくというサイクルのことだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1735773089-wilDETrpmV4noSvHxkdqYXN9.png?width=1200)
このハイプの山とどう向き合うか選ばなければいけない。バブルが弾けないように冷や水を浴びせ静かに競争から降りる手もあるし、炸裂覚悟で思い切りハイプの山を駆け上がる選択肢もある。そして現時点では後者しかないと思っている。来年の今頃には幻滅期に突入し爆散している可能性も高いが、そうなったら生暖かく笑ってやって欲しい。
まずは波にどう乗ればいいのか知るために、Airbnbでサーフィンのレッスンに申し込んでみた。いよいよ明日、人生初サーフィンをやる予定である。楽しみすぎる。