建築におけるサスティナブルとは
先日、インテリアライフスタイル展に行ってきました。
東京ビックサイトで開催されたイベントで、その名の通り様々なインテリアやライフスタイルの提案を行っている企業がブースを出展しています。
単純な商品の展示だけでなく、これからの社会に対してどう向き合っていくかを提案している商材が多く、いろいろと勉強になる部分が多いとだろうと思い、参加させていただきました。
特に中央アトリウムでは「エシカルやサスティナブル」といったテーマを持たせており、持続可能な社会に向けての企業の様々な取り組みは非常に勉強になりました。
また、連日トークショーも行っており、Blue BottleCoffee Japanの伊藤諒さんと建築家の芦沢啓治の空間づくりとブランドといったテーマはとても興味深い内容でした。
伊藤諒さんが仰っていたこと
・地域性、その場ならではの体験
店舗として建てる以上、その場所性を壊してはならない。
そして、その場所の風土を感じる場所でひと時を過ごして欲しい
・どんな人が何時に誰と来たくなるか
事前に市場の調査をして什器の雰囲気、座席数
来られた人がどのようなひと時を過ごすか
・場所性があるので、いろいろな店舗に行きたい
私は〇〇の店舗が好き、私は〇〇が好きと
人の感性によって好きな店舗が異なる多様な店舗を増やし
ブルーボトルのファンを増やす
・コーヒーを販売するのではなく、コーヒー体験を伝える
なるほどなと感じるようなお話であると共に、地域性やその場所ならではの体験を大切にしたいという想いは、普段から我々も同じような事を感じていたので、第一線で活躍している方々も同じ事を仰っていたのはとても良かったなと思います。
また、非常に言語化が上手い方であったので、そのあたりはとても勉強になりました。
また、ブルーボトルは余計な装飾のない空間が多いようです。
それは余計なものにとらわれることなく、自分の時間を大切に出来るようにとのこと。
一流のホテルも同様に余計な装飾に頼らず、その場所から見える風景や、素材そのものの持つ質感を大切にしていると思います。
そのあたりも含めて改めて考えさせられるお話でした。
芦沢啓治さんのお話もとても面白く、言語化もまた秀逸ですので、非常に刺激的でした。建築としての話は勿論勉強になったのですが、私がとても印象に残った話は
「一人一人が本当の意味でサスティナブルを考える」
ということです。
つまりはスーパーやコンビニに行ったときに
食材をあえて後ろの陳列棚から取っていないか?
1人1人が手前の製造・収穫の古い日取りから商材を取れば、
最も簡単サスティナブルであると
日本はクレームにとても敏感な国です
木材1つとっても節が少しでもあるだけでメインラップにはのせられないとのこと(こちらはカリモクさんのお話)
メインラップにはのせられないだけで、廃材を集めてまた別の使い道があるようですが、
芦沢さんが訴えかけたかったのは、
「皆さん、節があるだけでクレーム言うのは辞めましょう」ということ
これは木材だけでなく食材にも言えるかと思われますが、
本当の一級品でないと市場には出せない
という現実があります。味や品質はある程度担保出来るのに見た目で廃棄にせざるを得ないものがたくさんある。
それを無くしていく事が本当のサスティナブルであると。
かつそれぞれの価格も安価になっていく
なので、皆さん一人一人の意識を変えていく事が大切であるとのことです。
少し建築の話に戻ると
サスティナブル→リサイクル
は本質的な意味では正しくありません。
廃棄する時にもう一度使えるように
という考えは素晴らしいですが、リサイクルする事にも何かしらのエネルギ
ーが使われるからです。
なので、建築でいうサスティナブルとは
長く使う
ということ。これ以上のサスティナブルはありません。
そういった意味で、天然素材は使えば使うほど味が出てくるものです。日日のメンテナンスの必要はありますが、
それも含めて、愛情を持って共に過ごす事が大切であると思います。
ちなみにJALとクリエイターがコラボして、飛べなくなった飛行機の廃材を利用したアップサイクルの展示もありました。
日常的に使えるものかはおいておいても、アップサイクルという認識を一人一人が考えるきっかけになれば良いなと思います。
またこちらのイベントで弊社の代表取締役の日比野が登壇させていただき、
「これから求められる福祉施設とは」というテーマでお話させていただきました。
機能やデザインは快適性と直結しており、利用者と働く人の双方のためにあるべきですが、現実的にはそれが成り立っていないものも多く見受けられます。
そういった状況に対し、弊社での福祉施設での事例を交えながら、高齢者施設の事、障碍者施設の事、そして子供の施設の事についてお話をさせて頂きました。
多くの展示とレクチャーから非常に刺激的な1日を過ごす事が出来ました。
このように定期的にインプットとアウトプットをしていきたいと思います。