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建物の構造

北九州の幼稚園の改築計画では基礎工事が進んでいます。
基礎とはその名の通り、建物を建築する上で最も重要な要素の1つです。
上屋の建物の重量が重ければ重いほど、それに伴い、基礎の大きさも大きくなっていきます。重量の違いは上屋の構造によって大きく異なり、鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて、木造は躯体自体が軽いので比較的基礎も小さく設計が出来ます。

今回の木造の基礎
鉄骨層の基礎


上記の鉄筋の量を見比べても違いが分かるかと思います。

地盤が良くない場合は杭や土の改良を行うなどの措置を施しますが、今回は比較的良好な地盤であった為、直接、既存の地盤の上に建築を行う事が出来ました。
ただし、地盤が水平でなく、高低差がある敷地であった為、地盤が低い部分はそれなりに高さのある基礎となっています。

地盤の良し悪しは資金計画に大きな影響を与えます。
特に土地代が安い場合は注意が必要です。畑や田んぼだったような敷地は基本的にあまり地盤が良くない場合が多いです。さらにそういった敷地は都市計画法の開発に該当する可能性が高く、造成費と杭の費用が嵩むので全体の資金計画を圧迫します。これらの費用は規模にもよりますが、数千万にも上るので、事前に土地の情報を把握しておく事が大切です。

構造の種別

日本に建築する際の一般的な構造は大きく分けて3種あります。

・木造(W造)
・鉄骨造(S造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)

大規模なビルになると、鉄骨造と鉄筋コンクリート造を合わせた鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)というものもありますが、幼稚園や保育園規模で使用される事は稀です。その他にもいくつか種別分け出来るものもありますが、大きくは上記の3種に種別分けされます。

時に、「鉄筋造」や「鉄骨コンクリート造」と表現するお客様がいらっしゃいますが、おそらく上記の3つのどれかと勘違いしているものかと思われます。

これらの構造の種別は全て上屋(地上より上の部分)の事であり、建物の基礎は基本的に鉄筋コンクリートで施工します。

建物の基礎


鉄筋コンクリートとはその名の通り、コンクリートの中に鉄筋を施したものを言います。

上記は図面の一部ですが、基礎の大きさ、鉄筋の径、数、ピッチ等が記載されています。これらがきちんと図面通り施工されているかの確認を配筋検査と言い、先週はその検査を行ってきました。
相当量の鉄筋が張り巡らされているので、一般の方は理解しにくい部分が多いかと思われますが、鉄筋通しの折り重なり方、終点の終え方、型枠との離れなどが構造の強度に大きく影響するので、入念な確認が必要です。

配筋の確認をしている時にお客様から次のような質問を受けました。

「コンクリートの中に、鉄筋を入れるのは何故ですか」

コンクリートとは硬さがあり、それだけでも十分に強度を確保できてそうなイメージがあるかと思われますが、弱点があります。
コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱いと表現されます。押しつぶされる力には強いけど、両側に引っ張る力には弱いのです。
そしてその弱点を補うのが鉄筋です。上記の力の強弱に対して鉄筋はコンクリートと逆の性質があります。
鉄筋は圧縮に弱い分、引っ張りには強い力を発揮出来ます。
また鉄筋は空気に触れると錆が出てきますが、コンクリートで保護される事によって、その強度を維持する事が出来ます。
両社は相性が良く、共に利用する事でデメリットを補い、建物の構造としての強度を確保出来るようになるのです。

基本的にどの材料もメリットとデメリットというものがあります。
それらをきちんと理解し、お施主様と共有しながら進めていく事が
建築をするうえで重要な事だと思います。




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