教養としての着物


 上杉惠理子著「教養としての着物」を読みました。著者は和装コンサルタント兼マーケティングコンサルタント。着物の着こなしを学ぶ「和創塾」を主宰されています。私個人としては、半纏、作務衣、浴衣、下駄どまりで、和服を着たことがないのですが、ずーっと興味はあったので手に取りました。

 着物に対する質問からスタートします。「着物は何で出来ているの?」から始まり、勝手に綿かなと思っていたのですが、着物の90%が絹で出来ているのだそうです。残り10%にウール、木綿、麻、ポリエステルといった素材がありますが、木綿専門の着物店もあると後半に書いてありました。

「着物は暑くないの?」とという質問ありました。個人的には「寒くないの?」の方が気になるのですが、袖が長く、袂があることで通気性をよくしてあり、夏に涼しいことを重視して作られているということでした。「寒くないの?」については、後半に答えがあり、ネックウォーマーやアームウォーマーを使うと良いとありました。女性のコーディネートのところでは「洋服ミックス」なんていうことも書いてあり、「そういうの、使っていいんだ」と拍子抜けしました。私はどうしても下半身の冷えが気になるので、ヒートテックとか使っても良いのかもしれません。

 男性の着物に無地が多いのは、江戸時代の奢侈禁止令の名残と言われているとありましたが、「奢侈禁止令」がわかりません。読めなかったのですが「しゃし禁止令」だそうです。読み進めると何となく理解できましたが、調べてみると贅沢を禁じて倹約を推奨するという法令とのことでした。

 結城紬、大島紬、西陣なんていう私でも聞いたことがあるような着物も詳細に解説されていました。いや、西陣は着物ではなく帯なのですね。ホントに聞いたことがあるくらいなのですが、結城は茨城、西陣は京都くらいは想像つきます。大島は、、、伊豆の大島かと思いましたが、大島行った時に着物なんて見なかったしなんて思っていたら奄美大島でした。その大島紬で西郷柄という着物があるのだそうです。西郷とは、西郷隆盛。奄美大島での西郷隆盛については植松三土里著「愛加那と西郷」を是非読んで頂きたいですが、西郷柄、欲しくなってしまいました。先述した奢侈禁止令の名残で男性の羽織は裏地をお洒落に仕上げるそうですから、羽織の裏地に「敬天愛人」と刺繍してもらって、西郷柄を着ることが出来たらいいなぁなんて妄想を膨らませてしまいました。

 着物を中心に、様々色々教えて頂きました。実際着るときになったら、また読みたいと思います。

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