最優秀中継ぎ投手

 我らがカープ、全日程を終えましたが、順位がまだ確定していないというもどかしい状態です。そうした中で、シーズン通して8回を投げてくれた島内颯太郎投手が最優秀中継ぎ投手に輝きました。62試合に登板して3勝3敗39H2S、防御率2.31は立派です。後半打ち込まれるところが目立ちましたが、それでも2.31ですから素晴らしいです。

 2018年、ドラフト2位で九州共立大から入団、大瀬良大地投手は大学の先輩にあたります。最速157㎞のストレートにフォーク、チェンジアップを織り交ぜるピッチングは、リリーフ向きなように思えましたが、中々制球が安定しておりませんでした。3年目の2021年に51試合に登板しますが、0勝2敗15H、防御率3.12と試合数の割には今一つな数字です。メンタルが課題とも言われていましたが、マウンド上でのなんとも言えない不安そうな顔はとても印象に残っています。それでもストレートのポテンシャルは凄まじいものがありますから期待せずにはいられませんでした。

 そんな島内投手の大躍進ですからうれしい限りなのですが、どこが変わったのか。秋季キャンプで横山・菊地原両コーチから「(捕手が)コースに構えるよりは、ど真ん中にかまえてもらったらどうか」と助言したのだそうです。言われる方からすれば失礼な話かもしれませんが、島内投手は素直にそれを受け入れて今に至るそうです。横山コーチは「あの球威をいかすためには、を考えた。プロですからプライドもある。過去には真ん中に構えてもらえと言っても拒否した選手もいる。聞く耳を持っていたから買われたのだと思います。」とコメントしています。そうした助言に対して島内投手は「どっちにしろ狙ったところにいかない。真ん中を狙ってもうまく散らばるだろうし。コントロールで勝負するよりもボールの勢いとか関急で勝負するタイプなので」、「今、伸び伸び投げられているのは“コースを狙わなくていい”とコーチの方に言われたから。投げやすさが変わった。ありがたいアドバイスだったと思っています。」とコメントしています。プライドが邪魔をせずに、素直が導いた結果だということでしょう。

 先日、久しぶりに登板シーンを観ることができました。コレだけの成績ですから、自身に満ち溢れた顔で投げているのかと思いきや、相変わらず何となく不安そうな顔つきで投げていました。ですから、そういう顔なんですね。それでもしっかり押さえてくれれば良いのです。島内投手、おめでとうございます。来シーズンも頑張ってください。

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