浜松5人死傷事故、逆転無罪判決

 平成27年5月、浜松市の交差点で信号無視の乗用車が加速しながら歩行者を次々とはねた上、200m程離れた別の交差点で信号待ちをしていた乗用車に衝突して停止するという事故があり、跳ねられた歩行者は1名が頭を強く打って死亡、他に4人が軽傷を負いました。

 この事故で殺人などの罪に問われたドライバーの女性ですが、10月下旬の高裁で逆転無罪の判決が下されました。ドライバーの中国籍の女性は事件当日統合失調症の症状が悪化していたというのが無罪の理由です。「外国人だから無罪なのか?」という論調があり、祖も含めてなのですが、色々と分からないところがあります。

 まず、交通事故なのになぜ殺人罪に問われているのかという所が分かりませんでした。車を凶器として、相手を殺すつもりで走らせれば殺人罪にもなり得るのでしょうが、本件は交差点での事故ですから、そんなことも無いと思ったのですが、この事故によって亡くなった女性の夫も現地におり、「人のいる交差点でアクセルを吹かせていた。絶対にわざとだ。許せない。」と話しているということです。

 また、逆転無罪とのことなので地裁では殺人罪が認められていたのでしょう。静岡地裁浜松支部の裁判員裁判判決は完全責任能力を認めて懲役8年だったのだそうです。そうなるとこれはこれで随分短い気がします。危険運転致死傷罪だと20年なんて言うこともありますからね。容疑を危険運転致死傷罪に切り換えれば、もっと懲役を長くすることが可能かもしれません。

 統合失調症の悪化により心神喪失状態、責任能力がないということですが、この理由で納得いく判決を得られず、長年寝覚めの悪い思いをしている方というのは相当数入らっしゃると思います。責任能力がなければ、車を運転してはいけないでしょう。どうしてこんな判決になるやら訳が分かりません。殺人罪は駄目にしても、別な容疑でもなんでもしっかり捌いて頂きたいものです。

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