国防七校

 国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の上級主任研究員が2018年4月、自身が研究しているフッ素化合物に関する情報を中国の民間企業にメールで送り、営業秘密を漏洩したとして、警視庁公安部に不正競争防止法違反で逮捕されました。

 逮捕された研究員は2002年から産業技術研究所に勤務しているそうですが、出身校は南京理工大学だそうです。この南京理工大学は、中国人民解放軍の兵器開発などと関係が深い国防七校の一つとされており、他に北京航空航天大、ハルピン工業大、ハルピン工程大、北京理工大、西北工業大、南京航空航天大があります。また、逮捕された研究員は北京理工大学の教職とフッ素化学製品製造会社である陝西新光化学工業有限公司の会長を兼務しているとのことでした。なんでこんな人が20年以上も勤務しているのやら、困ったものです。

 この国防七校は日本の多くの大学と提携しており、それらの大学は国防七校からの留学生を受け入れています。岸田総理がいつだったか留学生について「我が国の宝」なんて言っていたことがありましたが、うーん、どこが宝なのでしょう。高市経済安保大臣がセキュリティ・クリアランスの法制化に取り組まれていると聞きますが、是非とも早い段階で、骨抜きにされることなく法制化してほしいものです。

 本件では国防七高出身かつ教職者であったことから、入り口の段階で制限すべきということでしたが、そうしたところをセキュリティ・クリアランスの中で謳うとまた色々と物議を醸しそうです。まったく別な話かもしれませんが、中小企業には定期的にハローワークから公正採用選考人権啓発推進制度の案内が来て、選任されている公正採用選考人権啓発推進員がセミナーを受講するなんて言うことがあります。ここで公正な採用選考について勉強するわけですが、様々な質問が制限されて、面接で何を話せばよいのかという感じです。もちろん、外国人であるとか出身校などを理由に不採用なんて言うことがあってはいけません。

一方、セキュリティ・クリアランスは国籍、出身校などで制限をかけるわけですが、先述のような採用選考を啓発されていたりすると、セキュリティ・クリアランスについても異議を唱えるような人が増えてしまうのではないかと思います。いろいろ気持ち悪いのですが、LGBT法はあれだけ急いで可決、施行してるのですから、こちらはさらに急いでほしいものです。

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