レ・ミゼラブル(一) 3


 昨日の続きです。

 読み進めていくと、マドレーヌ市長はなんとなくジャン・バル・ジャンなのではないかと思えてきます。その、マドレーヌ市長が出世する一方で、ファンティーヌはこの街にいてもあまり恵まれることはありませんでした。ようやくマドレーヌ市長が経営する工場に就職することができたのですが、「子供を捨ててきた」という噂から工場を解雇され、前歯を売りに出すなどして、テナルディエ夫婦にお金を送ります。売春のようなことまでするようになりますが、身体を壊してそれさえできなくなってしまいます。

 マドレーヌ市長がファンティーヌを助けてくれるのではないかなんて思っていましたが、マドレーヌ市長がジャン・バル・ジャンではないかを疑いをかけてくる人物が登場します。しかし、マドレーヌ市長は否定し、別な場所でジャン・バル・ジャンが裁判にかけられるということも分かります。しかし、マドレーヌ市長は実際にはジャン・バル・ジャンなわけですから、その裁判にかけられる人物を放っておくことができません。しかし、現在の地位をなげうつことも出来ず、葛藤している様子が上手く描写されています。しかし、ジャン・バル・ジャンは馬車を飛ばして裁判が行われている地へ赴き、自らがジャン・バル・ジャンであることを証言します。

 ジャン・バル・ジャンは逮捕され、マドレーヌ市長が徒刑囚だという事実だけで、彼が今までしてきた善行は2時間足らずで忘れられてしまったとのことでした。そんな悲惨な話はないですね。ここが「ああ無情」たる所以なのでしょうか。いや、まだまだ物語は先が長いですから、この程度で凹んでいてはいけません。ジャン・バル・ジャンはまた脱獄して、新たな旅に出かけ、ファンティーヌは亡くなって、第一部は終了となりました。

 第二部のタイトルは「コゼット」ですが、なぜかワーテルローの戦いの描写から始まりました。ワーテルローってベルギーなのですね。そんなことさえ知らずに読み進めますが、カタカナの名前と地名がもうゴチャゴチャで、しかも、これがコゼットとどういう関係があるのやらよくわかりませんでした。

 しかしながら、ワーテルローの戦いの後に、死んだ兵士たちが身に付けた貴金属などを盗んで回る、火事場泥棒のような輩が登場し、彼の名前が「テナルディエ」だと分かったところで一巻は終了です。ボリュームがあるので、少しずつレビューしていかないといけないなと思いました。また、難しい熟語が多かったので、後ほど、それらもまとめていきたいと思います。来年5月、カーネギーホールに行くまでにあと3冊、なんとか読み終えたいと思います。

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