人生を輝かせる「親孝行」の心得

 秋山利輝著「人生を輝かせる『親孝行』の心得 一流を育てる二十箇条」を読みました。著者は家具職人で秋山木工グループ代表。家具職人としては、特注家具を迎賓館、国会議事堂、宮内庁などに納品する一方、経営者としては独自の職人研修制度で一流の職人を育成しています。

 タイトルからして反省させられてしまいます。本文中にも「『親孝行していますか?』なぜか『ドキッ』としてしまったという人が多いのではないでしょうか。」とあり、まんまとその人でした。「ドキッ」としてしまうほど後ろめたい気持ちになるのは、大昔から「親孝行しなさい」と言い伝えられており、遺伝子に組み込まれているからだと考えているとのことでした。著者本人のお考えですから、根拠に乏しいところはあると思いますが、私は説得力を感じました。

 自身がこの世に生を受けるためには両親がいて、両親にもそれぞれの両親がいる。10代遡ると2の10乗で1024人、1代を30年として1000年遡ると171億人以上のご先祖様がいて、そのうち1人でも欠けていたら、自分はこの世にいないとのことでした。先日読んだ「10年前の君へ」もそうですが、自分の「今」のありがたみというが、分かっていなくて反省ばかりです。

 著者の会社では、以前の著書にも掲載されている「職人心得三十箇条」を唱和するのだそうですが、本書では「親孝行心得二十箇条」が紹介されていました。これはどちらかというと、親孝行をするひとはこうなれるといった内容でしたが、もう一つ、「親孝行の十の方法」というものあり、実践するにはこちらの方が参考になりそうでした。最初が「1、五世代前まで、ご先祖様の名前を覚えましょう」からダメでした。4代前の祖父だけなら名前がわかるのですが、これからちょっと調べたいと思います。

 そうした項目の解説の中に「叱る人には、叱られる人の10倍エネルギーが必要です。叱ることは自分のパワーを人にあげることにほかなりません。」とありました。これはおっしゃる通りで、叱るとものすごく疲れます。いや、叱るというよりも真剣に話をすることで結構疲れてしまうんですよね。しかし、「叱ることは自分のパワーを人にあげること」という発想はありませんでした。疲れることから逃げていても会社は良くなりませんから、まだまだ頑張っていきたいと思います。もちろん、親孝行も実践していきます。

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