日本の美学 7

 続きです。

 「漢文」が取り上げられていました。この「漢文」、いつから習い始めたのやらわかりませんが、私自身は学生の自分は大嫌いでした。「アジアの国のほとんどで中国から偉大な文物が入ってきました。そしてそれは中国語の音で受け入れられたのです。しかし日本だけが、アジアの国で唯一、日本語で中国語を読むことに取り組みました。大和言葉で中国の文献を読むやり方、つまり『漢文』を日本人は発明したのです。それによって、日本は中国文明に食われなかった。」とありました。レ点とか一二点とかありましたが、あれは日本人が考えたものなのですね。そのあたりも全く分かっていなかったのですが、こういうお話を聴くと「勉強しておけば良かったなぁ」なんて思ってしまいます。いや、この「良かったなぁ」なんて言うのは駄目で、今からでも勉強すれば良いのです。

 「昔の日本には、慈善事業のようなものは一切ありませんでした。」とありました。どうしてなかったのかと言えば「自分が商道にのっとった商売をやっていれば、その商売を通してすでに近隣の人たちや社会につくしているためです。だから引退しても、アメリカの大富豪のように、後からわざわざ社会貢献などをする人もいませんでした。」ということです。「わざわざ慈善事業などをするということは、それまでの生き方に引け目があるということです。」ともありました。そこまで言わなくても、、、なんて思いもありますが、アメリカの大富豪は原住民から奪った広大な土地と、膨大に押し寄せる移民たちを低賃金で使えるという中で巨万の富を築いたということですが、そのあたりが引け目なのでしょう。そういう意味では、アメリカやヨーロッパの同性婚とかLGBT関連のお話も、キリスト教の影響で同性愛者を迫害した引け目から出てきており、日本に押し付けるようなことはちょっと違うのかなと思います。日本側も日本側で、「我々は今までも差別していないのだから、今後も差別しません。」くらいのことを言ってほしいものです。

 ここから石門心学の話になり、出光佐三のお名前も出て来ました。松下幸之助と出光佐三が石門心学における成功者だということです。その松下幸之助は、若い頃は非常に運が悪く、非常にまじめだったのですが、真面目で運が悪いと、素晴らしい結果が出るということでした。「真面目で運が悪いというのは、非常に素晴らしいことなのです。」とあり、真面目で運が悪い私は、ちょっと喜んでしまいましたが、それほど素晴らしい結果に恵まれてもいません。ですので、ちょっと考えたのですが、諸々私の人生振り返ると、決して運が悪いなんて言うことはなく、いろいろ恵まれていたなぁ、、、なんてありがたく思ってしまうのでした。

 続きます。

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