移住してからのお話
都会に疲れて田舎に移り住もうと思う人は少なくないと思われる。
ただ、それぞれに移住先にいろんな癖や問題があるもの。県民性だったり常識の違いや人の距離感など。ほとんどの田舎においては似ている部分があるので東京都大田区から高知県の四万十市へ移住して感じた事を書こうと思う。
まず私のプロフィールからであるが、22歳まで札幌市で過ごした後上京しIT企業へ。6年後家庭の事情で札幌に6年戻り設備関連の自営業、また東京に戻りトレーラーの運転手を7年。自費でトラックを買い、支払いが終わると同時にコロナが流行り片付けて高知県の高知空港から2時間の秘境四万十市に移住へ。
この地域に住んで感じたことはお年寄りが滅茶苦茶優しい。と言うよりも面倒見が良すぎる。親戚のじいちゃんばあちゃんレベルなのだ。
そして若い男の子はウチナータイムがあるのかと言うくらい時間を守らない人がとても多く感じる。実際職場で会った若い子は皆『朝弱い』と言う理由で平気で遅刻して悪びれる様子もない人が多かった(笑)
経済面で言うと四万十市は市民人口3万人。平均年収は200万ほどで『移住してくるなら雇われるのではなく絶対に自営業をしろ』と地元の人に言われるほど。移住促進してはいるが人材が来ても受け入れられる会社が殆どないと思われる。特殊なスキルを持っててもそれを使う業界が存在しなかったりもする。
割と商売に関しても保守的で固定概念が強く、新しい商売を認めない場面をとても頻繁に見たので逆にビジネスチャンスを感じた。
仲が良いことは良いのだが『みんなが苦しい時はあなたも苦しむべきだ』と言う考え方も中村地区にはあったりする。
四万十市の人は割と大人しめで隣の宿毛市は明るく元気がいいのもハッキリしていて面白い。
方言に関しては土佐訛りと幡多弁で結構違うし、こちらの地区のお年寄りの話は知らない単語が多くて3割くらい聞き取れない(笑)
政治面では共産党と自民党が強いが、集落全部でれいわを指示してたりなど明らかに年齢層によって支持政党が違う。高齢者ほど共産とれいわが多く感じた。
生活面では東京であったような頭のおかしいお隣さんの確率はほぼ皆無で癖がある人でも高が知れているレベル。
怒ることを嫌う主張を我慢する男の人が多く大体癖のある人や嫌がらせをしてくるような人は中年以上の女性が目立った。
移住に関してのコツなんて物があれば良いのかもしれないがほとんどは本人の素行であり、どこに住んでいても最低限のコミュニケーション能力があって挨拶ができればうまく行くとは思う。お裾分け文化が強いのでエンドレスお裾分けが続く(笑)
都会との違いは、例えば都内のマンションに住んでいてもフロアの人全員の名前を知ってる人は少ないけど田舎は集落の人全員把握してたり電話番号を知ってたりがある。
外からの情報の少ない場所では必然的に近いところから情報を得ようとする形になるので当たり前だとは思われるが慣れればなんとも思わない。それよりも地域の人とつながってビジネスに繋げる人にはいい環境だとは思う。難しい人がいないからだ。
多分自分がそこで馴染めるかどうかと言うのはいくらでも変われるので、もしも別荘として考えておらず拠点とするのであれば『土地が合うのか人が合うのか』よりも『自分がそこで何をしてどうやって生きていきたいのか』を先に考えた方がいいと思う。
たぶんそうした方が自分のしたい事から人と繋がっていくはず。
実際私はそこに重点を置いて飲食関係の仕入れ先を探してたら漁師さんと知り合いその関連のビジネスを始めた。田舎は横のつながりが強いので繋がった人から勝手に自分の情報が流れてはじめましての挨拶がしやすくなる。
上京も移住も転職も起業も、飛び出してしまえばあとは勝手に動き出すものではないのだろうか。
ただ、人間関係に関しては嫌な人は1人は居るはずなのでそこはうまくかわすしかない。
心構えはこの辺にしておいて、移住に関わること。
殆どの過疎地では首都圏や大都市から移住してきた人に支援金制度がある。大抵50万円から100万円。
その他格安で住める移住者用の空き家を紹介してくれるシステムなど。
例に出すと、NPOの力を借りて今私は一軒家の空き家を借りていて月の賃料は27000円。庭と物置と車庫があり4DK。
更新料も無いけど(四万十市の物件自体2年毎更新料が存在しない)修繕費が借主持ちという条件がある。
以上の点から『移住のコツ』と言うのは難しいけどその人の人柄、解決力などのマンパワーが大事なのかも。この地域ではどこかの会社に入って失敗する人は見るが自営業をする人は悪く無い生活をしている。何かあった時自分で工夫して生きる力が無いと厳しいのかも。移住先が田舎だった場合まともな給料をもらえる会社が募集して無かったりするので。
もっと単純な話をするとどんな状況でも一歩踏み出せる人は出来るだろうし踏み出せない人は難しい。移住とは自分の責任で選択して飛び込むと言う投資や起業にも似た物だと思う。
だって田舎から上京する人はそう言う事考えないでしょう?どちらも経験したけど上京した時と感覚的に変わらなかった。大人になって変わることはどんな制度やメリットがあるかを探すくらいで最後は飛び込むか飛び込まないかの違いだろうから。
私は友達からネジが外れてるとか怖いもの知らずと言われることがあるけど飛び込んでみると大抵何とでもなるから、どうしてもやりたい人は悩むより決める方をお勧めする。経営者になるのもそうだけど、『決断をしてから対処をする』のがある程度の情報収集してからの基本と言われている。この『決断』は中々普通の人には出来ないので決断する事に迷わないことから始めるべきでは無いのだろうか。
ただ決断して動き回って今色んな人と知り合って『意外と何とかなるもんだな』と思えてるのでやっぱり問題は決断した先にあるのだと私は思う。
全然アドバイスにはならなくて申し訳ないけども(笑)
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