彼女からプレゼントされたペンタブそれがデジタルでマンガやイラストを描くようになったきっかけ
アナログの絵を描くようになったのはもう本当に物心ついた頃からで覚えていない。幼稚園や小学校での絵の授業、地面への落書き、到るところに絵を描いていたと思う。
絵で食べていけたらとデザイン専門学校へ行って、特に何が描きたい!これを作りたい!と思う事もなく、ただお給料さえ貰えればとデザイン事務所を受けにいっても受かるはずもなく、その頃自分を雇ってくれたのは小さなゲーム会社だけだった。デジタル画なんて興味も無くて学校で選択もしなかった。全くわからないまま始めた世界で、当時のゲームの絵は「描く」と言うよりドットを「打つ」というものだった。
絵を描くことよりもゲームという物を創り上げる事が楽しくなってきた頃、グラフィッカーをおろされた。当時の開発チームが人数が少なく、企画兼シナリオ兼デザイナーという人間は多かったと思う。少し人数を増やせるようになったとき、自分は企画シナリオでやって欲しいと言われ了承した。
その事を一緒に暮らしていた彼女に話すと、慰めてくれようとしたのか、誕生日も近いからとWacomのペンタブをプレゼントされた。
「仕事でなく趣味で好きなものを描けばいい」と。
そうして自分のHPを作り、イラストを描いたり、マンガを描いたりするようになった。アナログとは違った楽しさ、ドットを打つのとは違うデジタルの楽しさを知り、仕事に追われていたけれど時間さえあれば描くようになった。
もう20年以上昔の出来事で、当時貰ったペンタブで今も描いているのだが、そろそろペンがヤバイ事になっているので芯だけでも変えようとWacomに問い合わせたら生産中止になっているらしい。新しいペンタブに変えないといけないようでどこか寂しさを感じている。
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