デザイナーはアーティストなの?~仕事としてのデザイン~
クリエイティブに想えば想うほどぶつかるのがこの問題です。
仕事やクライアントが絡んでくると、どうしても言葉を悪く言えば独りよがりなデザインは嫌われます。
アートとしてはクオリティーが高いはずなのに、何故営業にもクライアントにも受け入れられないのか。
答えは簡単です。『カタチにした結果が売り上げと結びつかないと判断された』からです。
私も特に仕事を始め出す前の当初、非常にここに悩みました。
とにかく美大時代は、奇抜な提案と時代を先行く提案を心掛けていました。
それは正直、自分が目立ちたく、認められたい(笑)という気持ちからでした。
たしかにそれは、美大の中では通りました。
それは「ビジネスではない」からです。
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それを本当に知ったのは、仕事をし出してからでした。
大学時代も、「何故世の中の広告はこんなにダサいんだろう?自分だったらもっとトータルにカッコ良く出来る!!」と本気で思っていました(笑)。
それもある面、間違いではないでしょう。ただ、一番の大きな間違いだったことは、その発想が『独りよがりな、好みのデザインでのアプローチ』であったということでした。
ここも重要なことですが、この世の中では人の為に役立つものでしか評価されません。絶賛されているアーティストの美術作品ですらそうです。
そこには、「人を喜ばせる」、もしくは「人に共感される」という重要な要素が入っています。
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よく「アーティストとデザイナーは違う!」なんていう話を聞きますが、私は違うと思います。見つめる方向は前途の通り同じだと思います。
大きな違いは、「自分のオリジナリティーある表現を、世の中の需要にマッチすることができた、もしくはマッチした」か、「世の中の需要にどこまでも合わせて、綺麗に表現できた」かの違いだと思います。
前者がアーティストで、後者がデザイナーです。
そういう意味では、誰でもがデザイナーになる資格があると思います。
「綺麗に見せる」ことはコンピューターのオペレーションでカバーすることができます。コンピューターは時間を掛ければ本当に誰でもが扱うことが出来るようになる素晴らしい「道具」です。
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ここは予断ですが、もしあなたが「アートディレクター」になりたければアーティストな発想を、「プランナー」になりたければビジネス的な発想をより強く持っていかなければなりません。
デザイナーの後に続く職種は結構あるんです。
(2008年6月11日:記述)
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