【軽貨物】1話。大富豪に『2000万作って俺の所に持ってこい。商売教えてやる』と言われた話。
『ピンチはチャンス』といえば、よく聞く言葉だと思う。軽貨物ドライバーとして独立して仕事を始めたのは、今思えばきっとそんなタイミングだった気がする。
軽貨物ドライバーになる前、僕は便利屋だった。軽トラに乗り、引越し、不用品の回収、ハウスクリーニングなど依頼があればなんでもやった。まさに、何でも屋だった。
変わった依頼もあった。夜逃げ、買い物代行、裁判傍聴、ペットの犬を病院に連れてってなど、色々やった。
刺激も多く、仲間にも恵まれていた。
しかし、そんなに給料が高いわけではなかった。基本給➕インセンティブという給料形態で、インセンティブがないと正直キツイといった感じでした。
何度か『家のお金が減ってきている』そう言われていた。
仕事変えなきゃ、なにしよう?
迷いながら仕事を続けてしまっていた。
そんなある日、完全にお金はなくなり、家賃すら払えない状況になってしまった。数ヶ月後には2人目の子供が産まれるタイミングだった。
今思えば、すぐ動くべきだったし、会社に相談するなりして手は打てたと思う。
結局、奥さん方の祖母にお金を借りてその場は凌ぐが出来た。
情けなかった。とにかく情けなかった。今まで生きてきて1番の情けなさだった。
いざ、転職するにも何をすればいいか決めかねている時に、小学生の頃よく一緒に遊んでもらっていた友達のお父さんと、仕事の帰りに久しぶりに再会した。小学生の頃から親父と呼ぶほど仲良くしてもらっていた。
今の自分の置かれている状況、今後どうしていったらいいかも完全に迷子状態であることをそのまま話した。
その相談している時に出てきたのが軽貨物ドライバーだった。どうやら儲かるらしい。でもキツいらしい。詳しいことはわからない。そんな感じだった。『2000万円を貯めて、俺のところに持ってこい。商売教えてやる』そう言われた。嬉しかった。
なにより強烈だったのは、人の下で働いているからダメなんだよ。『全部自分でやれ』これだった。この親父も若い頃に古紙回収を自分ではじめて、お金を貯め、貯めたお金で商売始めて成功している人だった。知らなかった…
かれこれ3年以上経ちましたが、貯金が底をつくというピンチから、周りにいる方達のおかげでチャンスに変わり今があります。
つづく