観劇レポート・ムニ『つかの間の道』『赤と黄色の夢』
2024年3月12日。アトリエ春風舎でムニの『つかの間の道』『赤と黄色の夢』を観た。
また!雨。寒いけど、そんなにつらくはなかったです。痛いほどの寒さではなかったので。
アトリエ春風舎に行くのは初めてです。
ホームページを見ると、「小竹向原」から徒歩3分とありました。小竹向原?
電車でスマホをいじっていたら充電残量50%以上あったのに、電源が急にブツッてなった(戸惑い)携帯バッテリー持ってたから挿したら復活した。よかった。
小竹向原は住宅街でした。駅前にはスーパーや病院が。目的地の「アトリエ春風舎」は、住宅街の、小ぶりなマンション?の地下、白い螺旋階段があって、そこをぐるぐると降りると、降りるのが、ちょっとこわい階段を降りると、下が劇場でした。
中に入ると、人がぎゅっとしていて「みんな雨の中、お芝居を観にきたんだね、」と考えて少し不思議な感じになる。(平日昼間という事で年齢層は高めでしたが、若い人も居ました。アフタートークも豪華)
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宮崎玲奈『つかの間の道』は、電車が遅れていた事もあり、2、3分遅れて上演開始。アフタートークは佐々木敦さん。
薄暗い劇場。舞台装置は何もない。パンフレットには、宮崎さんが書いた「現代口語演劇について」についての、ちょっと長めの文章が書かれていて。
『つかの間の道』は役者が全員、奇妙な動きをしながら会話をしていました。舞台は東京で、どうやらお芝居自体は再演らしいです。
奇妙な動き、奇妙な服、ちょっとリアリティを感じさせる会話。可愛いというか、気持ち悪いというか、へんてこでおかしい。
ストーリーを追いながら、「東京にいる私は、奇妙なものにしか心をひらくことが出来ないだよな〜」とかなんとか。それっぽい事を考えた。
アフタートークでは、佐々木敦さんが「チェルフィッシュを連想した人も多いのではないかと思う。だけど全く違うことをやろうとしているような気もする」といった旨の発言をしていましたが、自分は、奇妙な動きをみて「自分もやってみたい!」と思いました。
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その<宮崎ムニ>『つかの間の道』が終わったのが16時前。次の<黒澤ムニ>『赤と黄色の夢』まで3時間以上あります…。それまで私は小竹向原で時間を潰さなければいけません。
雨が降ってるので、暖房が効いたところを探したのですが、見当たらず、ガストはあるけど、ガストじゃない。近くに座席があるローソンがあったので、そこに座って、文章を書きながら2〜3時間つぶしました。東京には色んな人がいます。
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19時30分からの『赤と黄色の夢』(黒澤優美・初演)を観にいきました。舞台上にセットが出来ていました。
(物干し竿から布が垂らされていた。テーブルに編み物が乗っかっていた)
黒澤さんは、観劇前の挨拶からして、ぎこちない、というか、とても魅力溢れるたどたどしい挨拶だったので、つかまれました。
『赤と黄色の夢』は普通に面白かったです。(自分は演劇の情弱なので、「普通に面白い」ことに、どのくらいの価値があるのかわからない、、)
わたしは登場人物にシンパシーを感じていました。「彼/女らは、おそらく黒澤さんの分身なのだろうな」と思いました。それは多分<宮崎ムニ>と補完しあって考えているからなのだろうな。立ち現れていた世界観が、なんか良かった。
主人公がピンチを切り抜けて成長していくタイプの物語でもないし、登場人物は特に、ジェンダーとパーソナリティーが紐づいてないし、ディオニソス的/アポロン的とかもない。そういう演劇でもない。意外と観たことがないタイプの話で。
役者は3人。登場人物は5人ほど。シーンの数はたくさんあったけど、移行がスムースで、淡々と進行していく。芝居のトーンはあまり変わりません。
キャラクターに作者自身が溶けているので、大きな対立があるわけではないけれど、ちょっとした「おかしみ」があって笑えました。
しかし、そんなの当たり前っちゃあ当たり前だなとも思うわけです。
現代を生きるわれわれ…。ちょっとだけ生きづらいけれど今すぐ死ぬ程きついわけではないわれわれ…は、他者との衝突しないように生きてます(…衝突すると大変なので、なるべく衝突を避けて生きている…)そりゃそうだ。
だけど、生活しながら、ジワジワと追い詰められている感じはする。しかし、その追い詰められ方に、その人の個性が出るといいますか。人それぞれ「追い詰められてる気がするポイント」がちがうので、そこで摩擦が起こるんですよね…。
ただ、そういった、ままならないカタチで現れる小さな不満や、不安。寂しさみたいみたいなものを、忘れがちだけど、無かったことにしたくないな。いや、そういうものこそ大切にとっておきたい、という気持ちはあります。(例え、それがネガティブな感情であっても「生きている」という悦びと裏表なので)
<黒澤ムニ>を、自分はそんな感じの話だと受け取りました。
丁寧に作られていて、素朴だけどテクニカルな感じもあって、だけど何故そう感じるのかわからないから本当に不思議でした。アフタートークで松井周さんが聞き出そうとしていた。でも、まだわからなかった。独特すぎて作家自身が言語化出来ないのかもしれない、とすら思った。
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『赤と黄色の夢』の戯曲を買って帰りました。
家で、彼女に「ここがウケてた」と、コメントしながら読み上げました。
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