#14 ベンチャー経営者(または幹部)になるなら覚えておきたい略語集
みなさまこんにちは。
高橋聡です。
今回はベンチャー経営者(または幹部)になるなら覚えておきたい略語集です。
成長フェーズになると毎日略語が飛び交いますので覚えておいて損はありません。
KGI(Key Goal Indicator)
KGIは「Key Goal Indicator(主要目標指標)」の略で、組織やプロジェクトが達成しようとする主要な目標や戦略的な目標を測定するための指標を指します。KGIは、組織の戦略的方針に基づいて設定され、組織が望む結果や成果を示すのに役立ちます。
KGIは通常、より広範なビジョンや目標に関連しており、それが達成されるかどうかを判断するための高レベルな尺度です。一方で、KPI(Key Performance Indicator)は、これらの高レベルな目標を具体的な数値やデータで評価するための手段として使用されます。
例えば、ある企業が「市場リーダーシップを確立する」という高いレベルの目標を掲げている場合、それに対応するKGIとして「市場シェアの拡大」や「新製品の導入における成功」などが考えられます。これらのKGIを測定するための具体的な数値や指標がKPIとなり、例えば「市場シェアの拡大率」や「新製品の収益性」などがKPIとして設定されることがあります。
KPI (Ker Performance Indicator)
KPIは「Key Performance Indicator(主要業績評価指標)」の略で、組織やプロジェクトのパフォーマンスを評価するための重要な指標や基準を指します。KPIは、特定の目標や戦略の達成度を測定し、ビジネスや組織の成功を評価するために使用されます。これらの指標は、組織の戦略的目標に対する進捗状況や健全性を示すために設定されます。
KPIは業界や組織によって異なり、例えば、営業部門では売上高、顧客獲得数、顧客満足度などが一般的なKPIとして使われます。
KPIは定期的にモニタリングされ、必要に応じて調整されることで、組織が戦略的目標に向けて進展しているかどうかを把握するのに役立ちます。 KPIを適切に設定し、追跡することで、組織は目標達成に向けた方向性を確認し、意思決定を行うことができます。
YoY/QoQ/MoM/
YoYは「Year over Year(前年比)」の略で、特定の期間における統計データや数値をその同じ期間の前年と比較する際に使用される用語です。これは通常、経済指標や企業の業績などを評価する際によく使われます。前年比の比較は、トレンドや成長率、変化の傾向を把握するのに役立ちます。
例えば、ある企業が売上高のYoY成長率が10%であれば、その企業の売上高は前年に比べて10%増加したことを示しています。同様に、経済指標や雇用データの前年比を見ることで、経済全体の健全性や特定のセクターの成長状況を評価することが可能です。
YoYは、特定の期間の比較だけでなく、「QoQ(Quarter over Quarter:四半期比)」や「MoM(Month over Month:月次比)」など、他の期間の比較にも応用されることがあります。
ROE(Return on Equity)
ROEは「Return on Equity(自己資本利益率)」の略で、企業の収益性を評価するための財務指標の一つです。ROEは企業が自己資本をどれだけ効果的に活用して収益を生み出しているかを示します。
ROEは通常、次の式で計算されます:
ROE=純利益/自己資本×100
ここで、
純利益(Net Income)は、企業が一定期間内に得た総利益から総費用を差し引いた金額です。
自己資本(Shareholders' Equity)は、企業の資産から負債を差し引いた金額で、株主による出資や利益の再投資などが含まれます。
ROEは、企業が投資家に対してどれだけのリターンを提供できるかを示す重要な指標です。高いROEは、企業が資本を有効に運用している可能性があり、経営陣が収益性を確保していることを示唆します。ただし、ROEが高いからといって、他の要因やリスクが無視できるわけではありません。業界や企業の状況によって、適切なROEの水準は異なる場合があります。
ROI(Return of Investment)
ROIは「Return on Investment(投資利益率)」の略で、特定の投資がもたらす利益の割合や率を示す指標です。ROIは投資の収益性を評価するために使用され、投資した資本に対してどれだけの利益が得られたかを示す数値です。
ROIは以下の式で計算されます:
ROI=(収益−投資額/投資額)×100
ここで、「収益」は投資から得られた利益、そして「投資額」は投資した金額を表します。ROIが正の値であれば、投資が利益を生んでいることを示し、負の値であれば損失を表します。
ROIはビジネスや投資の意思決定において重要な指標であり、異なる投資の比較やプロジェクトの収益性の評価に利用されます。ROIが高いほど、投資が成功し、収益が大きいことを示します。
ROA(Return on Assets)
ROAは「Return on Assets(総資産利益率)」の略で、企業がその総資産を活用してどれだけ収益を生み出しているかを示す財務指標です。ROAは企業の収益性を測定するための重要なメトリックであり、投資家や経営者が企業の運用効率を評価するのに利用されます。
ROAは通常、次の式で計算されます:
ROA=純利益/総資産×100
ここで、
純利益(Net Income)は、企業が一定期間内に得た総利益から総費用を差し引いた金額です。
総資産(Total Assets)は、企業の保有する総資産の金額で、これには現金、設備、在庫、債券、他の投資などが含まれます。
ROAは企業がどれだけの価値を総資産から生み出しているかを示す指標です。高いROAは、企業が効果的に資産を活用して収益を上げていることを示し、経営の効率性を示唆します。一方で、低いROAは資産の活用が効果的でない可能性があります。
ROAは業界や企業の特性によって異なり、比較的類似の業種内での比較がより意味を持ちます。
EPS(Earnings Per Share)
EPSは「Earnings Per Share(一株当たり利益)」の略で、企業の純利益を発行済みの株式数で割った値を示す財務指標です。EPSは、投資家が企業の株式の収益性を評価するための基準として広く利用されています。
EPSは通常、次の式で計算されます:
EPS=純利益/発行済みの株式数
ここで、
純利益(Net Income)は、企業が一定期間内に得た総利益から総費用を差し引いた金額です。
発行済みの株式数は、企業が市場に出回っている全ての株式の数です。
EPSは、株主が一株あたりに期待できる利益を示す指標であり、投資家はこれを用いて企業の収益性や株式の評価を分析します。高いEPSは、一株あたりの収益が大きいことを示し、株主にとって魅力的な投資とされることがあります。逆に低いEPSは、収益性が低いことを示す可能性があります。
EPSは通常、基本EPS(普通株主に配当される利益を基に計算される)と希薄化EPS(発行済み株式数に潜在的な新株の発行を考慮したもの)という二つの異なるバリエーションが存在します。
MRR(Monthly Recurring Revenue)
MRRは「Monthly Recurring Revenue(月額継続収益)」の略で、サブスクリプションベースのビジネスモデルにおいて、特定の期間(通常は1ヶ月)における継続的な収益を示す指標です。主にサービス提供業界やソフトウェア企業で使用されます。
MRRは、サブスクリプションサービスや定期的な支払いがあるビジネスにおいて、新規契約やアップセル(既存の顧客に対するアップグレードなど)などがどれだけ収益に貢献しているかを示すのに役立ちます。
MRRは通常、以下の要素を含むことがあります:
新規契約(New MRR): 新たに獲得された顧客や契約による月額収益。
アップセル(Expansion MRR): 既存の顧客が追加のサービスや機能を利用することによって生じる追加の月額収益。
ダウングレード(Contraction MRR): 既存の顧客がサービスのレベルを下げることによって生じる減少分。
チャーン(Churn MRR): 既存の顧客がサービスを解約することによって失われる月額収益。
これらの要素を考慮して、MRRは通常、次のような式で計算されます:MRR=New MRR+Expansion MRR−Contraction MRR−Churn MRR
MRRの正確な計算方法はビジネスモデルによって異なりますが、この基本的な考え方が共通しています。 MRRはビジネスの成長や収益性をモニタリングする上で重要指標の一つとなっています。
ARR(Annual Recurring Revenue)
ARRは「Annual Recurring Revenue(年間継続収益)」の略で、サブスクリプションベースのビジネスモデルにおいて、特定の期間(通常は1年)における継続的な収益を示す指標です。MRR(月額継続収益)と同様に、サービス提供業界やソフトウェア企業などで使用されます。
ARRはMRR(Monthly Recurring Revenue)を年単位に拡張したものであり、通常、以下の要素を含みます:
新規契約(New ARR): 新たに獲得された顧客や契約による年間収益。
アップセル(Expansion ARR): 既存の顧客が追加のサービスや機能を利用することによって生じる追加の年間収益。
ダウングレード(Contraction ARR): 既存の顧客がサービスのレベルを下げることによって生じる減少分。
チャーン(Churn ARR): 既存の顧客がサービスを解約することによって失われる年間収益。
これらの要素を考慮して、ARRは通常、次のような式で計算されます:ARR=New ARR+Expansion ARR−Contraction ARR−Churn ARR
ARRは企業の収益性や成長を把握する上で役立つ指標であり、ビジネスの安定性や将来の予測に重要な情報を提供します。
ARPU(Average Revenue Per User)
ARPUは「Average Revenue Per User(ユーザー当たり平均収益)」の略で、特定の期間内において、サービスや製品を利用するユーザー一人あたりに発生する平均的な収益を示す指標です。主にサブスクリプションベースのビジネスモデルや通信業界などで広く使用されています。
ARPUは通常、以下の式で計算されます:
ARPU=総収益/ユーザー数
ここで、
総収益は特定の期間内に得られた総収益(例: 1ヶ月)を指します。
ユーザー数はその期間内にサービスや製品を利用したユーザーの総数を指します。
ARPUはビジネスの収益性を評価するのに役立ちます。高いARPUは、各ユーザーがサービスから得られる平均的な収益が高いことを示し、企業が効果的に収益を最大化している可能性があります。一方で、低いARPUは、ユーザーあたりの平均収益が低いことを示し、ビジネスが収益を向上させるために戦略の見直しが必要かもしれません。
ARPUはビジネスの戦略や市場状況によって変動するため、長期的な分析や競合他社との比較を通じて理解されることが一般的です。
Churn(Churn Rate)
Churn Rate(弊社では解約率)は、特定の期間内に顧客やサブスクライバーがサービスや製品を離れる割合を示す指標です。
Churn Rateは通常、次のような式で計算されます:
Churn Rate=解約した顧客数/(期初顧客数+期末顧客数/2)×100
ここで、
解約した顧客数は特定の期間内に解約した顧客の総数を指します。
期初顧客数は期間の開始時点での顧客数を指し、期末顧客数は期間の終了時点での顧客数を指します。
Churn Rateは、サブスクリプションベースのビジネスモデルや顧客獲得が重要なビジネスにおいて、顧客の維持度やビジネスの安定性を評価するのに重要な指標です。低いChurn Rateは、顧客が長くサービスを利用されていることを示し、企業の安定性や成長の指標となります。逆に、高いChurn Rateは、顧客の解約が多いことを意味し、ビジネスが改善や再評価が必要かもしれません。
Churn Rateの低減は、カスタマーサービスの向上、製品の改善、プロモーションの実施、リテンション戦略の導入などを通じて達成されることがあります。
LTV(Customer Lifetime Value)
LTVは「Customer Lifetime Value(顧客生涯価値)」の略で、特定の顧客が企業との取引や関係を続ける間に、企業がその顧客から得るであろう総収益の予測値を示す指標です。LTVは、特にサブスクリプションベースのビジネスモデルや顧客獲得が重要なビジネスにおいて、顧客の価値を理解するのに役立ちます。
LTVは通常、次のような式で計算されます:
LTV=ARPU×平均顧客寿命
ここで、
ARPU(Average Revenue Per User)は一人あたりの平均収益を示します。
平均顧客寿命は、顧客が企業との取引や関係を保つ平均的な期間を指します。
LTVを計算することで、企業は新規顧客を獲得するための最大の予算や効果的なマーケティング戦略を策定するのに役立ちます。LTVが高いほど、企業は顧客を獲得し、長期的な関係を築くことができる可能性が高まります。逆に、LTVが低い場合、改善やリテンション戦略の導入が必要とされることがあります。
CAC(Customer Acquisition Cost)
CACは「Customer Acquisition Cost(顧客獲得コスト)」の略で、企業が新しい顧客を獲得するためにかかる総コストを示す指標です。これは通常、特定の期間(例: 1ヶ月、1年)内での総広告費、営業費、マーケティング費、プロモーション費用などを含む、新規顧客獲得にかかる総費用を指します。
CACは通常、次のような式で計算されます:
CAC=総顧客獲得コスト期間内に獲得した新規顧客数
ここで、
総顧客獲得コストは、新しい顧客を獲得するためにかかる全てのコストを指します。
期間内に獲得した新規顧客数は、特定の期間内での新しい顧客の総数を指します。
CACは企業にとって非常に重要なメトリックであり、これを正確に評価することは収益性やマーケティング戦略の最適化に役立ちます。通常、低いCACは効果的なマーケティング戦略や効率的な販売プロセスを示唆し、高いCACは改善の余地があることを示す可能性があります。企業はLTV(Customer Lifetime Value)と比較してCACを評価し、収益性を最適化するためのバランスを見つけることが求められます。
SMB(Small and Medium-sized Business)
SMBは「Small and Medium-sized Business(中小企業)」の略語です。この用語は、事業規模が小規模または中規模で、従業員数や収益などが大企業よりも小さい企業を指します。
中小企業は、一般的に大企業よりも規模が小さいため、リソースや従業員数が制限されていることがあります。それにもかかわらず、中小企業は地域経済において非常に重要な存在であり、様々な業界で活動しています。中小企業は、小売業、製造業、サービス業、技術企業など、多岐にわたる業種で見られます。
SMBにはさまざまな特徴があり、これには次のような要素が含まれます:
規模: 従業員数や年間売上高が一般的な定義に基づいて小規模または中規模である。
リソース制約: 大企業に比べて財政的な制約や資源が限られている。
柔軟性: 意思決定がより迅速で柔軟であることが期待される。
SMBは経済において重要な存在であり、多くの国で中小企業の促進やサポートが行われています。技術の進歩やグローバルな市場へのアクセスの向上により、中小企業もさまざまな機会に挑戦しています。
B/S(Balance Sheet)
B/S"は「Balance Sheet(貸借対照表)」の略です。貸借対照表は、企業の財務状態を示す財務諸表の一部であり、特定の時点での企業の資産、負債、株主資本などの状態をまとめて示します。
貸借対照表は企業の会計方程式を反映しており、以下のような形で表現されます:
資産=負債+株主資本資産=負債+株主資本
具体的な貸借対照表は以下のような要素から構成されます:
A (Assets):資産
企業が所有し、将来的に経済的な利益を生み出すことが期待されるもの。例えば、現金、債権、在庫、不動産、機械などが含まれます。
L(Liabilities):負債
企業が将来的に支払わなければならない債務や責任を表します。例えば、借入金、未払いの請求書、長期債務などが含まれます。
E(Equity):株主資本
株主への配当、株主からの出資、過去の利益から生じる保有権益などが含まれます。
貸借対照表は企業の財務状態を把握する上で重要な情報を提供します。これにより、企業の資産がどれくらいの負債と株主資本で賄われているかを確認することができます。
P/L(Profit and Loss Statement)
P/Lは、「Profit and Loss Statement」の略で、企業の収益と費用に関する情報をまとめた「損益計算書」を指します。損益計算書は、特定の期間(通常は1年または1四半期)における企業の業績を示し、企業が稼いだ収益とそれに対する費用・損失を明示的に表示します。
損益計算書の主要な要素には次のものが含まれます:
Revenue: 売上高
商品やサービスの売上によって得られた総収益。
Expenses:費用
商品やサービスの生産・提供にかかる費用や営業活動にかかる経費。
Profit or Loss:利益または損失
売上高から費用を差し引いた結果。利益が出た場合は「純利益」、損失が出た場合は「純損失」とも呼ばれる。
損益計算書は企業の収益性や業績を分析するのに重要な財務諸表です。これを通じて、企業は特定の期間内において収益を上げる能力や、どのような費用がかかり、それによって純利益または純損失が生じたかを把握することができます。損益計算書は、資産や負債の状態を示す貸借対照表とともに企業の健全性を評価するための基本的な財務情報を提供します。
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