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#2 次世代AI広告チェックツール『KONOHA(コノハ)』とは。SaaSサービス開発ノウハウを交えて解説 | 高橋 聡

こんにちは。
株式会社アートワークスコンサルティング
高橋 聡(たかはし さとし)と申します。

「KONOHAとは?」「KONOHAを作ったきっかけは?」と聞かれることが最近多くなり、毎回口頭でお話しするよりnoteを読んでいただいた方がイメージしやすいのでお話できたらと思います。

システム開発についても少しお話させていただきます。
SaaSサービスをこれから立ち上げたい人にとって学びになれば幸いです。

KONOHA(コノハ)とは

KONOHA(コノハ)とは、AIを実装した次世代AIレビューシステムです。
複数プロダクトがあり、コノハシリーズとして展開しています。
現在大手企業様を中心にご利用頂いてます。
嬉しい限りです。感謝しかありません。

KONOHA(コノハ)が生まれたきっかけ

きっかけは2019年に遡ります。
広告表現チェックデータベースで特許を取得し、展示会に出展した後「薬機法や景品表示法のNGワードデータベースを使いませんか?」と各所に提案したのですが、全く興味を示してもらえませんでした。
それはそうですよね。
薬機法、景品表示法に係る広告監修業務なんてニッチもニッチですし、どのように活用していいのかわからない。まあ辞書程度には使えるな。という代物です。
ただ、私自身としてはめちゃくちゃ宝物に見えていたんですよね。
ホント、ダイヤモンドの原石を見つけた感じです。
私が毎日欠かさず広告表現で利用してはいけないNGワードをコツコツと貯めてきた情報ですから、これ以上の宝物はないはずだ。と。
しかし、他人から見たらただのNGワード集にしか過ぎませんでした。

ある時「このデータベースを使ってどのようなことに活用できるのかプロトタイプが見たい」ということを言われました。

それじゃあ、社内でツール開発してみようと。

KONOHA(コノハ)の由来

まずはプロダクト名を考えなきゃいけない。
プロダクトの名前はとても重要です。これからずっと使うものなので。
めちゃくちゃ考えました。
1ヶ月位で20-30案書き出しました。
コピーライターさんにお願いする。という方法もありましたが、やはり思い入れのあるプロダクトにしたかったので自分であれこれ考えました。
名付け親になりたいですし。

日本らしいプロダクト名にしたいと考えた
日本らしいプロダクトにしたいと考え、日本古来の名前を調べまくりました。
広告表現データベース『ツクヨミ』も実は日本書紀から頂いてます。
プロダクト名も同じように日本書紀から頂こうと。
その中で「コノハナサクヤヒメ」が目に留まりました。

言の葉(ことのは)から「と」が抜けた「このは」
言の葉(ことのは)から「と」が抜けた「このは」という名前がぴったりだと直感で感じました。
広告チェックツールというプロダクト。
言葉を補うツールであって欲しいという願い。
そして、日本書紀に出てくる神様「コノハナサクヤヒメ」。
この2つの言葉が重なり、「KONOHA(コノハ)」と命名されました。

ミッション「全ての広告で、広告チェックを事前に行う」世界を作る

人を動かすには、お金だけでは難しいです。
情熱がなければ人は動きません。心が動かない。
ミッションを作って、登る山を明確にし心を一つにせねば。
私はミッションを作ることにしました。
どうありたいか。
どういう世界を作りたいか。
借り物の言葉でなく、オリジナルのミッションを作るためにひたすら調べ、書き、修正を繰り返しました。
そして、「全ての広告で、広告チェックを事前に行う世界を作る」が生まれたのです。
ミッションが生まれるまで、2ヶ月ほどかかりました。
ミッションの詳しい話は別の機会でお話しさせて頂けたらと思います。

チェックの抜け漏れを防ぎたい

毎日監修をしていると、チェックの抜け漏れが発生する恐れがあります。
人の目、人の手で行うため致し方の無いことですが、チェックが抜け漏れたことにより行政または消費者から指摘を受けた場合ご依頼企業様のブランドに傷がつく恐れがあります。
常に気を張って作業に取り組まなければなりません。
幸い私の監修した商品やサービスで行政または消費者から指摘されたことは今まで一度もありません。
運が良かったと言えます。
ただ、今までは運よくミスが無かっただけでこれから発生する可能性はゼロとはいえないため、チェックの抜け漏れを防ぐツールの必要性を強く感じていました。

コンセプトは「毎日の作業が少し楽しくなる」

監修業務は地味に大変です。

1.一行一行誇大表現が含まれていないか、効果効能を想起していないか確認する。
2.気になる点があれば該当箇所をキャプチャしてパワーポイントに貼り付ける。
3.指摘箇所に指摘理由と代替案があれば代替案を記載。
4.写真素材とキャッチコピーの組み合わせで誇大表現が含まれていないか、効果効能を想起させていないか確認する。
5.最終的に総合的に確認する。
6.クライアントからの指摘内容の質問を随時受け付ける。

この作業を毎日行い、年間で100件以上対応する監修者がいます。
Webサイト制作の付加価値として、私も2015年からずっとこの監修作業をさせて頂いてました。
監修数が多すぎて正確な商品点数は覚えていませんが、少なく見積もって延べ500商品以上監修させて頂いているかと思います。

苦行ともいえる監修を「毎日の作業が少し楽しくなる」ようなUIにしたいと考えてワイヤーとデザインを仕立てました。

ホリゾンタルSaaSとは

ホリゾンタルSaaSは、幅広い業界や業種に対して一般的な機能を提供するソフトウェアアプリケーションのことです。
ホリゾンタルは「水平方向の」という意味であり、ホリゾンタルSaaSは特定の業界や業種に特化せず、多くの異なる分野で利用可能なソフトウェアを指します。

ホリゾンタルSaaSの例としては、プロジェクト管理、顧客関係管理(CRM)、人事管理、会計、コラボレーションツールなどがあります。
これらのソフトウェアは、さまざまな業界や業種の組織が利用する一般的なニーズをサポートするために設計されています。

ホリゾンタルSaaSの利点は、幅広い顧客に対して市場を開拓できることです。さまざまな業界や業種に適用可能なソフトウェアを提供することで、より多くの顧客を獲得し、需要を拡大することができます。また、ホリゾンタルSaaSは一般的な機能を提供するため、柔軟性があり、顧客の特定のニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。

KONOHA(コノハ)は今後一般的な業務プロセスの効率化や自動化を支援していくことと決めました。

伝説のサービス「やくじるし」

私が監修業務をしていた頃、お世話になったサービスで「やくじるし(セプテーニ社提供)」があります。
2011年にリリースされたサービスです。
無料で広告表現チェックができるサービスです。
悲しいことに2018年にサービス終了となってしまいました。
弊社は実際に行っているので分かりますが、NGワードは常にメンテナンスが必要で運用負荷が極めて高いです。
無料で提供するにはコストがあまりにもかかり過ぎます。
しかし、やくじるしの意思は何としても継ぎたい。
なぜならクライアントからの無茶ぶりで始まった監修業務で、私が右も左も分からないときに利用させて頂いたから。
お金が無いから誰かに教えてもらうこともできず、本も高価なので買うのも難しい。
学ぶ方法といえば行政にお伺いを立てて質問させて頂いたり、知り合いの弁護士に聞くくらい。
そんなとき、無料でチェックできるサービスは大変有難かったです。
恩と義で仕事していきたいですよね。
無料で診断できる環境を引き続き提供するのは私たちの役目だ。恩送りだと。
KONOHA(コノハ)のLPには無料で広告チェックができるサービスを提供しようと決めました(テキストチェックのみ)。
後日談ですが、やくじるしの中の人と繋がることができました。
やくじるしのいちファンとして嬉し過ぎて初回ご担当者との打ち合わせでは何を話したか忘れてしまいました。

システム開発始まる

弊社はホームページ制作会社なので、システム開発は行いません。
ただし、私は常駐してシステム開発のプロマネをさせて頂いたことがあるので開発のやり方を知ってました。

開発はプロジェクトマネージャー(PM)から始まる
プロジェクトを始める際は、プロマネがいた方が良いです。絶対。
プロマネの基本は「ヒト、モノ、カネ、情報」のマネジメント。
プロマネの仕事は進行管理だけじゃありません。

プロマネとしてPMBOK、ITIL、ISMSは知っていて損はないかと思います。
ただ、システム開発のベストプラクティスをインプットしておくのは大事ですが実際の現場で役に立つかといえば話は別。
知識と経験は両輪です。常に知識と経験をフル回転させてプロジェクト全体を把握し最適な状況を作ることが肝要です。

今回は特に少数精鋭のプロジェクトのため、ウォーターフォールモデルじゃなく、アジャイルモデルでの開発で進めることにしました。

まずは概要書作成から着手
まずは私のオリジナル資料である、概要書(背景と目的、要件、ワイヤー(画面設計書)、WBS等開発に係る必要な情報が簡易にまとめられた資料のこと)を作りました。
プロマネ高橋といえば、この概要書。秘伝の書です。
数々の修羅場を経験した中で編み出した私のオリジナルフレームワークです。

贅沢なシステム要件
・WebサイトのURLを入力するだけでチェックができる。
・テキストを入力するとチェックができる。
・png、JPG、PDFだってチェックができる。
贅沢な仕様をシステム要件としました。
さらにAI(OCRによる文字判別)を実装しよう。2010年当時では先進的な内容でした。

次にチームビルディング
次にチームビルディング。
方々に声をかけてプログラマーさんを見つけることから始めました。
システム開発を始めるにあたり1番大事なものの一つは、そう「お金」です。
もちろんお金はありません。
そのため、知り合いから知り合いのプログラマーSさんを紹介いただき、開発をすることとなりました。
今考えてもプログラマーSさんと出会えたのは運が良かったと思います。

3ヶ月で開発完了
プログラマーSさんは凄腕で3ヶ月程度で開発完了。まさに神。
シンプルなつくりで可用性がすこぶる高いプロダクトになりました。

テスト~本番反映
プロダクトができたので、テストを行い本番反映しました。

LPを作る。そしてリリース日を2020年4月に決めた
プロダクトができても、契約に繋げるためにLP(ランディングページ)を作らないといけない。
LP制作なら得意中の得意です。
自分でテキスト、ワイヤーを作り、デザイナー兼コーダーMさんにお願いして3週間ほどでリリースしました。
念願の無料チェック機能も実装して。
LPが準備できたので、リリース日を2020年4月と決めました。

広告表現チェックデータベース『ツクヨミ』があるから、KONOHA(コノハ)がある。

薬機法、景品表示法にまつわる広告表現で誇大に見えてしまう表現や効果効能を想起させる表現のワードを2015年から貯めてきました。
全て私が個人的に貯めてきたワードです。
今は自社メンバーが後を引き継ぎ沢山のワードが毎日貯められ続けています。
別の機会にツクヨミの話もできたらな。と思います。

おわりに

場当たり的に作っては消えていく儚いプロダクトや、他社の模倣プロダクトを作る企業にはなりたくないです。楽しくなさそう。
その点KONOHA(コノハ)は完全オリジナルです。
私が要件定義、画面設計、テスト、サーバー契約等、デザイン、コーディングとプログラミング以外は全て行ってます。
リリースしたからには一生育てて行きたいと思ってます。

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