「良い自己紹介動画」とは何か①
最近の新人の動画編集者の間で、よく「自己紹介動画」が営業に使われています。
作った自己紹介動画をTwitterに投稿している人も結構いますね。
見たことがないという人は、一度「動画編集者 自己紹介動画」で検索してみてください。
(ただ、詳しくは後述しますが、検索して出てくるそういった動画を参考にして自分も自己紹介動画を作る、といったことはやめたほうがいいです。)
自己紹介動画とは、簡単に言うと「自分の名前・経歴や作業環境、稼働条件などを動画にしてまとめたもの」です。
もちろん、自己紹介動画を使って営業をするという風潮自体は悪いことではないと思います。
挙げられるメリットとしては、
・(顔出しをしている場合は)人となりがわかり親近感がわく
・ぱっと見でスキルや技術がわかる
・営業文だけでは図りにくい差別化が動画だと図りやすい
などなど。
どれも案件獲得がぐっと近づく、新人編集者には魅力的なメリットだと思います。
また、「とにかく一つの動画を完成させる」ことは、動画編集者としてのスキルの大きな一歩になります。
「知識や技術を身に着ける」ことと「それを使って一つ作品を完成させる」ことの間には大きな壁があるのが事実です。
自己紹介動画を作っている人はこの壁を乗り越えているわけですから、ただ技術を知っている人より、案件獲得後もきちんとした仕事ができる可能性が高いわけです。
では、「良い自己紹介動画」とは何か。
これはあくまで編集者にとっての話ですが、
「良い自己紹介動画」とは、「案件獲得につながりやすい動画」だと考えます。
自己紹介動画を案件獲得につなげるにはどうすればいいか、というと、先ほど挙げたような「メリット」をできるだけ多く、そしてできるだけ強く得られる自己紹介動画にすればいいわけです。
つまり、
「良い自己紹介動画」
=「案件獲得しやすい動画」
=「自己紹介動画のメリットを活かした動画」
言いかえると、「どれだけ自己紹介動画のメリットを多く得られているか、強く得られているか」で、あなたの自己紹介動画が「良い自己紹介動画」かどうかが決まる、ということになります。
けれどここで問題があります。
これらのメリットは、「とりあえず自己紹介をして」「ただそれを編集しただけ」の動画ではほとんど得られません。
Twitterに投稿されているような多くの自己紹介動画は、残念なことにこの「メリットを得られない動画」になってしまっています。
慣れない環境で慣れないツールを使って四苦八苦しながら何とか完成させた動画ですから、
「できた!早速Twitterに投稿!」
とか、
「できた!さっそくこれ使って営業しよう!」
となってしまっている方も多いと思います。
動画に限った話ではないですが、とりわけ「自分が一番最初に作り上げた作品」というものには、誰でも愛着が沸くものです。
ですが、最初に作った作品はたいていあまり「良い」ものではないのです。
もちろん最初からクオリティの高いものを作る必要はありません。
ですが、クオリティ以前の段階で失敗している自己紹介動画をよく見かけます。
とりあえずカメラの前に立って、「名前は○○、編集ソフトは○○を使っていて、カット・テロップ・○○・××の編集ができます。動画内容の意図をくみ取った編集を心がけます。納期は必ず守ります」などと話し、その録画をカットしてテロップを入れてサイドテロップも入れて、色んなエフェクトや効果音を使って……完成! となっている人。
一番やってはいけないパターンです。
この動画を営業に使ったとしても、「何もない営業文だけよりはマシ」程度の効果しか得られないでしょう。
クオリティを高めるのには時間と経験が必要です。
しかし、こういった「クオリティ以前の段階での失敗」は、ちょっとしたコツを知っているかどうかだけで改善ができます。
せっかく時間と手間を割いて作るのですから、少しでもメリットを得られる、そして案件獲得に近づく、「良い」動画を作ってほしいと思っています。
「じゃあ具体的にどうやって『良い動画』を作ればいいの?」と思った方もいるかもしれません。
そんな方々向けに、次回から「良い自己紹介動画」にするための具体的な工夫をお話していければと思います。