食糧危機は本当に来るのか!? 〜安曇野で就農した農家の考察その2〜
みなさん、こんにちは。
前回の記事の続きです。
前回は農業の最新ニュースをお伝えしました。
日本農業は、非常に危機的な状況なのですが、しかし希望はまだある。打開策はある。と僕は思います。
日本の農家の多くは苦しい状況だそうですが、2年前に就農したばかりのうちがやっている農業生産とお客さんとの関係がとてもイイカンジな気がしているので、紹介したいと思います。
まずは改めて北アルプス高橋農園の自己紹介をさせていただきます。
僕たち北アルプス高橋農園は、
文字通り、長野県北西部に連なる北アルプスの山々の麓(北安曇郡松川村)で農園を営んでいます。
現在2haの農地を耕作していて、主な栽培品目は大豆、米、小麦。
まだまだちっぽけな農園です。
農園主の僕は、大豆を中心とした農産物を、JAや卸売業者にはほとんど出荷せず、個人的に繋がった家庭やお店、味噌屋さんなどに提供しています
妻は、地球と社会と人にやさしい事業を自ら展開したいという思いで、SNSでの発信も積極的に取り組み、6次産業として、米ぬかと大豆エキスを添加したオーガニック石鹸も手掛けています。
もともとは、夫婦で半農半Xな暮らしを目指して松川村に移住してきたのですが、結局Xが農になり、気がつけば半農半農つまり全農になっていました(笑)
ここに至るまでも色んなもちろんストーリーがあったのですが、それはまた別の機会に。。。
以上が簡単な自己紹介です。
今こそCSA型農業が広がっていくべき?
さて、みなさんはどこで食べ物を買いますか?
多くの人がスーパーや生協などで買い物をされているでしょうか。
米を作っている親戚や知人がいる方は、年間通じて食べるお米はその方から年に何度か購入している場合もありますね。
農産物を作って、売る。
僕たちがこれを本格的にやりだして2年、徐々にお客さんも付いてきてくれ、お客さんの方からの要望が来るようになってきました。
自然にCSA的な要素が生まれつつあります。
CSAとは? 分かりやすい例↓
さらに記事の中で代表のレイモンドさんは言います。
世界中で多様なCSAの形はありますが、僕のイメージは
消費者が主導で農家と組んで、
消費者が求める食べ物を、
消費者が自ら確保するというイメージです。
この生産〜消費のスタイルが、来たる食糧危機に対する抜群の防御力を発揮するものと感じています。
スーパーの棚に有る物を買う 受け身の買い物 から
数ヶ月後に食べる物を農家に直接依頼して作ってもらう 能動的な買い物へ
消費のスタイルの変革が急務なのかもしれません。
うちも実際、昨年「来年は小豆も10キロお願いできないかしら?」とお客さんから言われました。小豆は自家用で作っていたので、「では来年多めに作りますね。」と口約束を交わしました。
うちとしては、そうした取引がとてもやりやすい。【作った分買ってくれる人が居る】という状態は、売る仕事が格段に楽になり、作る仕事によりエネルギーを注ぐことができます。一軒の農家が作れる農産物が増えることに繋がります。
高橋農園も積極的にお客さんと話をしていって、お客さんの食べ物と自分たちの農業経営どちらも守っていけるスタイルを確立していきたいところです。
僕が心配性なだけかもしれませんが、これは本当に急いでやっていかないといけない気がしています。
食糧危機は本当に来るのか?
この記事のタイトルである、「食糧危機は本当に来るのか?」
実はこの記事を書いている途中で、ものすごく濃厚なお話「東京大学 鈴木宣弘教授の講演」を聞いたので、正直また考察をし直しています。自分の中でもっとまとまったらまたお伝えしますが、鈴木教授によると、どうやら食糧危機は既に始まっているらしいです。
今現在、外国産小麦・大豆の高騰は現実に起こっています。
次は輸入物が欠品しだしてくるのかな?
スーパーから、あれも消え、これも消え…と気づきたらスーパーでまともに食べ物が買えない!
少々缶詰を買い込むなどの備蓄では通用しない状況は、数ヶ月のうちにやってくる可能性は充分にある。
というのが現時点での僕のイメージです。
本当に飢える状況になってくると、家族の中で誰が一番先に命を落とすか…それは「その家の若いお母さん」だと、飢餓の歴史は教えてくれます。
もしうちの奥さんが餓え死にしたら…と考えると、うーん……
そうならないために、僕は種を蒔いていこうと思う。
あとがき
まだ始めたばかりの小さな農園のくせに、大きなことを言ってしまったかもしれません。
しかしながら、「これまで通り」が通用しない世界になってきていることは、みなさん感じていることかと思います。
たぶん僕たちは、時代に試されてる。
そう感じるので、日々エネルギッシュに時代を作っていきたいと思うのです。