
虫はどこから入ってくるのか
表題画像のようなテントウムシも、
大自然の中で見つければ可愛いですが、
室内で見つけたら、ちょっと嫌ですよね。。
かわいそうですが、家の中で見る虫は、あまり喜ばれません。
不快害虫といって、人体には何の害もないのに、
「不快」というだけで嫌われてしまう虫もたくさんいます。
この、家の中で遭遇したくない虫たち、
一体どこから入ってくるのでしょうか。
侵入経路がわかれば、対策も立てられますね。
「きっと家の中には知らない場所に隙間がたくさんあるのだろう」
という考えは、当たりともいえますが、外れともいえます。
実は最近の家には、構造的な部分には、虫が室内に侵入できるようなスキマは案外ありません。
(古い在来工法の木造住宅には、隙間が多くあります。)
スキマの量は構造によっても違いがあり、
マンション(RC造) < 木造(2X4) < 鉄骨造・木造(在来工法)
という感じです。
マンションでは「配管をつたって虫が下階から上がってくる」なんて話も聞きますが、防火のために配管まわりのスキマはふさがれていますので、それはありません。
では、家の中で発見する虫は、いったいどこから入ってくるのでしょうか?
網戸の使い方に注意
侵入経路として最も多いのが、窓や玄関です。
窓は「網戸があるから大丈夫!」と思いますよね?
でも、網戸が誤って使われているのを、ときどきお見掛けします。
引違いの窓は、網戸を左右どちらで使うかで、防虫効果が変わるのです。
網戸を室内側からみて左側で使うと、窓を途中まで開けた状態では、網戸とサッシの間に下図のようなスキマが開いてしまい、虫の侵入を許してしまいます。
これ、網戸を右側にすると、網戸とサッシのフレームがぴったりと合わさり、隙間をふさぐことができます。
4枚引違いの窓などでは左右が変わる場合もありますので、ポイントは
「網戸とサッシのフレームがきちんと重なっているか?」
をチェックしてみてください。
それから玄関も意外とあなどれません。
出入りはなるべく短時間に、宅配便の受け渡しなどは、なるべく開放時間を少なくできるよう工夫したいですね。
エアコンのドレン管
これも実は外界との強力なパイプとなっています。。
ドレン管とは、エアコンから発生するのドレン水を排出するためのホースのことで、通常外部に放出されています。
このドレン管は見たこともある方が多いと思いますが、
内径は15ミリ前後あるので、小さな虫は侵入できてしまいます。
お客様からも、
「虫がエアコンの裏から出て、またエアコンの裏に入って行った!」
なんて伺いますし、実際エアコンクリーニングで、内部で虫が見つかることは珍しくありません。
そこで、自分でできる虫対策ですが、「防虫キャップ」というものが市販されていますので、それをドレン管の先っぽにつけるという手があります。
ただ、この防虫キャップにも問題があります。
外からの虫は防げても、室内から外に出ていく虫が出口を失い、この防虫キャップを詰まらせてしまうことがあるんです。
ドレン管が詰まってしまうと排水がうまくできなくなり、最悪の場合、エアコンから水漏れが発生してしまう可能性もあります。
防虫キャップを取り付ける場合は、その管理も自己責任になります。
ときどき、詰まりがないかどうかのチェックを必ず行いましょう。
しばらく使っていない水道設備はありませんか?
排水口から室内への侵入は、基本的にありません。
通常排水口には「封水」といって、排水がすべて流れず、少し残って溜まる仕組みになっており、それがフタの役割を果たしているからです。
しかしこの「封水」は排水の残り水ですから、そこに新たな水が排水されなければ、いずれ蒸発して無くなってしまいます。
家の中に、ほどんど使っていない水道設備はありませんか?
例えば、洗濯横に設置したマルチシンク。意外と使われずに放置されているのをお見掛けします。
それから、2階をほとんど使わなくなり、1階だけで生活しているという方。2階のトイレや洗面台など、封水が干上がっていることがありました。
封水が干上がって無くなってしまうと、外部の排水管から上がって来るニオイも虫も、そのまま家の中に侵入してしまいます。
これを防ぐ最も簡単な方法は、使わない設備も、ときどき水を流すことです。2~3日から、最低でも1週間に一度は流しておきたいですね。
それが面倒で、かつもう2度と使わないなと思う設備であれば、リフォームで撤去してしまった方がいいかもしれません。
20年以上前の木造住宅はスキマだらけ
構造的にスキマがあいているのは、もはや皆さんの努力でどうにかできるものではありません。。
昔の木造住宅では、床下から侵入した虫は、壁の内部を伝い、屋根裏を抜けて外部まで自由に行き来できる環境になっています。
もし、この構造的なスキマも塞ぎたい!
と思われる場合は、断熱気密のリフォームをすれば、徹底的に塞ぐことも可能です。
断熱気密の性能がいいというのは、
虫の侵入もシャットアウトできるという効果もあるんですね。(^^)
虫も人間も自然界の生き物ということで、共存していきたいと思いますが…
やはり私も家の中では、あまり虫には遭遇したくありません。。
いいなと思ったら応援しよう!
