リフォーム業者にベストパフォーマンスを発揮してもらうには
以前、リフォーム業者を選ぶ際の相見積もりについて、業者の立場から記事を書かせていただきました。
今回はお客様側の立場にも立ちつつ、
「じゃあ、どうすればいいの?」
と、ベストの業者を探し、最大限の力を発揮してもらう方法を考えてみようと思います。
まず、リフォームを成功させるカギは業者選び、とも言えるほど、
どこに頼むか?は重要なポイントです。
スキル不足の業者では、それ以上の提案ができないことがあります。
会社がつぶれてしまったら、保証は受けられなくなってしまいます。
でも、いい業者を見つればそれでいいかというと、
そう簡単な話でもありません。
やはりお互い人間ですから、その信頼関係によって、仕上がりは大きく変わってきます。
自分の想いを汲んでもらえ、
想像を上回る提案をしてもらえ、
末永くお付き合いできる。
そんな最高のリフォームをぜひ実現させたいですね。(^^)
最高のリフォームを創るために必要なもの
最高のリフォームをつくるために必要な要素って、一体なんでしょう。
①業者のスキル(技術、知識、提案力など)
②会社の信用(確実な保証、アフターサービスなど)
③担当者との信頼関係
こんなところでしょうか。
④価格の安さ
を重視する方もいらっしゃるかもしれませんね。
それでは、一つ一つの見極め方を考えていきましょう。
①業者のスキル
リフォーム業者には、スキルの偏りがあるところも少なくありません。
例えば、外壁塗装専門店。
マンションリフォーム専門店。
外構専門店。…etc
専門の工事はとても詳しく、低価格も狙えたりします。
でも専門外の工事となると、とたんに「まったくわからない」「協力(下請け)業者に丸投げ」なんてこともよくあります。
不良工事というのは、原因の大半が知識不足によって起こります。
ミスはできるだけない方がいいに決まってますよね。そのためには、その工事が得意な業者に依頼するというのが大原則になります。
では、業者の得意なリフォームは、どうやって見分けたらいいのでしょうか。
「〇〇専門店」などと看板を掲げていればわかりやすいですが、
「〇〇リフォーム」なんて看板では、何が専門なのか、何でもできるのか、よくわからないですね。
そこでまず、HPやチラシなどを見てみましょう。
施工事例が多く載っていれば、それらの工事は得意だったり、力を入れている分野と考えられます。
チラシなどであれば、紙面の多くを占めている内容が得意分野です。
ここで特に注意していただきたいのは、マンションと一戸建ての違いです。
マンションは構造部分には触れないため、誰でもできると思っている建築業者もいます。しかし実際は音の問題、給排水や換気など、マンション特有のルールがあるため、熟知していないと思わぬトラブルを起こすことになります。
一戸建ては構造体の修繕も同時に考えなければならないので、2級建築士以上の有資格者が監理していることを確認しておきたいところです。
得意分野がマンションか一戸建てかというのは、わりとはっきり分かれていることが多いものです。
よくわからなければ、電話でもメールでも、
「マンションと一戸建て、どちらが得意ですか?」
と質問するといいです。
「マンションもできますか?」「一戸建てもできますか?」
と聞いてしまうと、「できますよ」としか返ってこないのでNGです。
まずは、依頼したい工事が得意な業者を探す。
リフォーム業者には、一度声を掛けてしまうと相手のペースでどんどん話が進んでしまいます。仕事ですから仕方ありません。
なので、よくわからないからといって手あたり次第声を掛けるのではなく、しっかりと情報収集し、確実に業者を絞ってから声を掛けるというスタンスが大事です。
②会社の信用
もしトラブルが生じても、2年間の保証があるから大丈夫だろう…
なんて思っていても、会社がなくなってしまったら誰も保証してくれません。
大手のハウスメーカーなどであれば、ある程度の信用力はありますね。
工事単価も高めですが、信用に対する対価と思えば、納得できるところもあります。
しかし大手でないと不安なのか?というと、そんなことはありません。大手でなくても堅実に経営している会社はたくさんあります。
大きくはならないけど、ずっと地元で堅実に経営している工務店。
派手な宣伝をせずとも、お客様の紹介で仕事が途切れないリフォーム店。
そんな業者を近くにみつけられれば、ラッキーですね。
地元で堅実に経営していれば「一見さん」として足元を見られるなんてことはありませんし、何より長くお付き合いをする前提で関わってくれます。
逆に、大きな会社でも急成長しているようなところは、人材育成が間に合わず、不良工事によるアフターサービスに追われ、ついに倒産…
なんていうケースも、この業界では珍しくありません。
こちらの要望をじっくりと聞く姿勢がなく、契約を急がされたりなど、直感的に怪しいと思う対応があるときは、直感を信じて少し考えた方がいいかもしれません。
③担当者との信頼関係
会社情報をしっかり調査し、いざ見積りを依頼したら、
しっかりと築きたいのが担当者との信頼関係です。
信頼関係とは、相手を信じることからスタートします。
昨今はリフォーム詐欺などをニュースで見聞きすることもありますが、そんな悪質な人たちは、ニュースになるほど少数です。
(呼んでもいないのに突然訪問に来る業者にはお気を付けくださいね。)
リフォーム営業というのは精神的にも、肉体的にも、かなり負担の大きい職業です。
そんな中でも、数ある職業の中からリフォーム営業を選んで働いている人たちは、お客様の喜びを自分の喜びと感じられる人たちが多いように思います。
お客様に頼られていると感じれば、期待に応えられるよう、喜んでいただけるよう全力を尽くしたいと思うものです。
逆に、あまりアテにされていないと感じれば、限りある時間は頼ってくれる方を優先に考えてしまいます。
信頼とは、信じて頼る。
ぜひ、担当者とは良好な信頼関係を築き、協力し合って最高のリフォームを創り上げていただけたらと思います。
④価格の安さ
そうは言っても、限りある資金ですから、できるだけ安くしてほしいという願いもあると思います。
相見積りは、担当者と良好な信頼関係を築くという点において、お客様側にもデメリットのある方法だと思います。
しかし、私がこれまで経験した相見積りで、「これは上手いやり方だ」と感心させられた方法もあります。
キッチンのリフォームでしたが、お客様がご自身で商品を決め、メーカーのショールームに自ら足を運び、ご自分でキッチンプランを作成されました。
その後、「このプランでキッチンを交換したら、いくらかかりますか?」と数社に見積り依頼を出したのです。
リフォーム業者にすれば、ただ単価を示せばいいだけなので、時間もかからずシンプルな作業です。
その案件はご縁があって受注することができましたが、もちろん契約後には、こちらのご提案も加えながらプランを修正していきました。お引渡しの時にはとても喜んでいただけ、10年経った今でも強く印象に残っています。
そのお客様がおっしゃった、
「老後資金も考えると、リフォーム代金はできるだけ抑えたい。でも業者さんを振り回すことはしたくない。それで、自分でできるだけ動こうと思いました。」
というお言葉には、大きな感銘を受けました。
リフォームは、どれだけAIや機械化が進歩しても、人間対人間のウエイトが非常に多くを占めています。
良いリフォームを創り上げるためには、業者側のスキルはもちろん重要ですが、お客様側の人間力も仕上がりを左右すると感じます。
「どこに頼むか?」だけでなく、「どう頼むか?」にも目を向けていただき、ぜひ最高のリフォームを創り上げていただけたらと思います。(^^)