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これからの時代に求められる新たな社会システムとは
はじめに
前回は幸せの公共政策を提言する広井良典氏(京都大学)が提言する「幸福の重層構造」と「地球倫理」を紹介した。
今回はその続きを紹介したい。
⚫︎創造的福祉社会
広井良典は人類史における3つの定常化の時代(表参照)を踏まえて、第三の定常化の時代において求められる価値は、
①個人を起点としつつ、その根底にあるコミュニティや自然の次元を回復していくという方向のものであり、
②超越性(ないし公共性)に向かうベクトルと内在性に向かうベクトルが循環的に融合するような性格のものとなる、と指摘している。
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※情報元:「定常化社会」における"文化的創造"と新しいパラダイム(京都大学・広井良典教授インタビュー)
https://www.hrnet.co.jp/scope/scope03.html
経済成長あるいは物質的生産の拡大の時代においては、“市場化・産業化・金融化”という大きなベクトルが支配的となり、そうした生産拡大に寄与する行為や人材が価値あるものとされ、創造性もそうした枠組みの中で定義された。
しかし、現在という時代は、生産性への寄与や拡大・成長といったこととは異なる次元での「存在そのものの価値」が求められる。
こうした価値に関する議論を社会システムの構想とつなげて考えると、“資本主義と社会主義とエコロジーの融合”そして「創造的定常経済システム」と呼ぶべき社会像と重なる。
広井は『創造的福祉社会一「成長」後の社会構想と人間・地域・価値』(ちくま新書、2011)を次のように締めくくっている。
<三度目の定常化の時代という人類史全体を視野に収めた視座や、資本主義の進化とポスト資本主義という文脈、ひいては日本社会固有の状況を踏まえながら、新たな社会システムを構想し実現していくとともに、一人ひとりが自らの関心にそくして多様な活動を行っていく。そのような試みと具体的な実践のプロセスの一歩一歩の中に、これからの「創造的福祉社会」は確実に展開していくことになるだろう。>
⚫︎鎮守の森コミュニティ・プロジェクト
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