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-ヒトと脳と社会と-〔閑話〕人
「脳の大きさと社会集団の規模」とのあいだには「密接な関係」があるといわれている。
他方で、「脳容積の増加は生物に大きな負担を強いる」ものだ。
「脳はエネルギーを大量に消費」する。
「ホモ・サピエンスでは、体が消費するエネルギーの約20%は脳で使われる」という。
「大きな脳」に進化し、それを維持するには、火の利用こそ必要不可欠な条件であった。
脳容積が増大するにあたって「必要なエネルギーを賄うために、行動や食性」を変えることが必要であった。
だが、それだけではなかった。
脳容積の増加は「社会構造の変化」にもおおいに関係していたのである。
新皮質の増加と社会集団の規模の拡大との間には相関関係があるといわれている。
以前に紹介した『人類の起源』にも次の記述がある。
「ヒトの行動の複雑さや社会の規模と、大脳の新皮質の大きさのあいだには強い関係があります。共同体の規模が、大脳の新皮質に比例すると考えると、猿人の社会はチンパンジーと同程度の50人、原人段階では100人、そしてホモ・サピエンスでは150人程度になります。実際にホモ・サピエンスは、狩猟採集民から現代人の社会まで、150人をひとつの社会構成の単位としていることがわかっています。」
この150程度という数字をダンバー数という。
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