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一人百首|一狄翁 【ろ】 - 北街 -

一人百首|一狄翁 【ろ】

一人百首|一狄翁 【ろ】 - 北街 -


北街へ|一人百首 006

006|逢ふ坂のおばちゃんふたり北街へ海鮮丼に舌鼓み

逢ふ坂の おばちゃんふたり 北街へ
海鮮丼に 舌鼓み

逢ふ坂の、はるばる大阪から札幌、北海道にやってきた。逢ふ坂は、大阪にかけています。十数年ぶりの再会です。
おばちゃんふたり、私と同い年のおばちゃんが、おばちゃん友達を連れてふたりでやってきた。自らをおばちゃんと呼ぶ、大阪のおばちゃんふたり。
北街へ、
待ち人が札幌にやってきた。北の街へ。(北)来たと(街)待ちをかけています。ふたりは、北街と呼ぶにふさわしい小樽へと出かけます。
海鮮丼に舌鼓み、
うまかったわぁ。時間がなくて海鮮丼だけ食べて帰ってきたおばちゃんふたり。それでも大満足だったようです。

凍る夜景|一人百首 007

007|うっすらと雪山頂へと心揺れるロープウェイ静寂に凍る夜景深雪のメガタウン長き冬へのいまだ登山口

うっすらと雪 山頂へと心揺れるロープウェイ 静寂に凍る夜景
深雪のメガタウン 長き冬へのいまだ登山口

うっすらと雪、翌日は、うっすらと雪もよう。夕方からのライブのあとに、急いでタクシーで藻岩山へと向かったおばちゃんふたり。
山頂へと心揺れるロープウェイ、
ギリギリ間に合ったわ、タクシーに乗って正解やったわ。山頂からの夜景がどうしても見たかったという。山頂へ向かうふたりの心が揺れる。ロープウェイは揺れていない。
静寂に凍る夜景、
夜景きれいだったわぁ、静かだったわぁ、ええもん見たわぁ。ごっつぅ寒かったわぁ。静寂につつまれた感動の夜景。
深雪のメガタウン、
山頂から見下ろす札幌の夜景。真冬には深い雪がおおう。200万人が住む大都会。そこは世界一の深雪のメガタウンだ。
長き冬へのいまだ登山口、
札幌の冬はまだまだこれからだ。長き冬へと向かう薄雪の季節を山頂にのぼるロープウェイと重ねつつ。

よぉ寝たわ|一人百首 008

008|もう散歩いってきたんかええなぁ元気やなぁあぁよぉ寝たわおばちゃんやっと起きてきたわおなんや喋りよるんかかわいすぎるわ!

もう散歩いってきたんか ええなぁ 元気やなぁ 
あぁよぉ寝たわ おばちゃんやっと起きてきたわ

お なんや喋りよるんか かわいすぎるわ!

もう散歩いってきたんか、我が宿の愛犬、冬一郎。かつてアイヌ犬と呼ばれた北海道犬。
ええなぁ、元気やなぁ、
犬と同じ目線で喋る大阪のおばちゃん。
あぁよぉ寝たわ、おばちゃんやっと起きてきたわ、
大阪のおばちゃんは犬ともフラットに会話する。ほんと、よぉ寝てたわ。
(一行の空白)、冬一郎がしゃべっている。北海道犬は、大阪のおばちゃんとフラットに会話する。
お なんや喋りよるんか、
あくまでも犬と同じ目線で喋る大阪のおばちゃん。
かわいすぎるわ!、
そんな大阪のおばちゃんもかわいいでぇ〜。
もうこのまんまです。喋った情景と言葉が強く印象に残っちゃったので、本当にそのまんまの歌になりました。

アイヌいぬ|一人百首 009

009|銀の瞳霜光の陽炎アイヌいぬ天光の神居The冬一郎

銀の瞳 霜光の陽炎
アイヌいぬ 天光の神居 The冬一郎

銀の瞳、冬一郎の瞳は銀色に輝いている。
霜光の陽炎、
朝焼けが霜に映えて琥珀光が一面に広がる。冷たさのなかにも熱を感じる冬の陽炎。
アイヌいぬ、
静謐でありながら力強い。霜光の陽炎を浴びて、毛並みは朱金に揺らめく。
天光の神居、
天から差す黄金の光。万物に神が宿る。アイヌの言葉、カムイ。琥珀色の天光に照らされる神居。アイヌ犬にも神は居る。
The冬一郎、
運命的に逢いぬ犬。赤毛の北海道犬。その名は冬一郎。

凍る朝|一人百首 010

010|凍る朝白い息ふたつ近所のお寺の鐘の音さみしく遠く消えゆく

凍る朝 白い息ふたつ
近所のお寺の鐘の音 さみしく遠く消えゆく

凍る朝、おばちゃんたちが帰った翌朝。路面は凍結。冷たい朝。
白い息ふたつ、
いつもと変わらぬはずの冬一郎との朝散歩。吐く息は二つしかない。息がやけに白く浮かぶ。
近所のお寺の鐘の音、
朝のお寺の鐘が鳴る。賑やかだった昨日までをふと思い出す。
さみしく遠く消えゆく、
二人だけの凍る朝の散歩風景がまた戻ってきた。

五つの歌をごく簡単に解説してみました。我が民泊ゲストハウスへのふたりのおばちゃんの滞在の思い出を詠んだ歌になりました。

一人百首について

70歳までに百首は詠めるだろうということで、一人百首としました。
70歳まであと9年あります。ペースダウンしつつ、息長く続けていきたいと思います。

短歌は文字で成りたちます。👉短歌といふ快楽|一人百首

一人百首は、短歌とポッドキャストをセットにして、LISTENから配信しています。二重の意味で、音声と文字とのアヴァンチュールを楽しんでいます。 👉一人百首|LISTEN playlist
・創作にあたっては、AI(Chat GPT)を共同制作のパートナーとして、ホモ・サピエンスの脳とAIとのコラボレーションを楽しんでいます。 👉 Chat GPT
noteでは、五首をひとまとめにごく簡単な解説を添えて紹介しています。短歌のほか自由律の創作詩も紹介します。 👉一人百首|一狄翁|note magazine
・ひとつひとつの歌に込めた想いや心情、詠んだ情景、創作の経緯や裏話、個人史的な背景などについてより詳しくは、ポッドキャストで語っています。 👉  LISTEN carefree

一狄翁という、雅号あるいはペンネームですが、これは、一人の北に住む翁、年寄りという意味になります。👉雅号(筆名)について|note

雅号(筆名)について

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