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『人類の起源』〔本〕人

古代DNA研究の近年の進展はすさまじい。

「「古代の試料にDNAが解析可能な形で残っている」ということが示されたのは、1980年代のこと」であった。そして、「その研究の本格的なスタートは、微量なDNAを増幅する技術であるPCR法の発明を契機として」いる。

『人類の起源』

コロナウィルス検知で有名になったあのPCR法である。そしてここから「古代DNA研究という新たな学問分野」が生まれることになった。

古代人類のゲノム解析は、古代人骨や化石から抽出したDNAを解析する次世代シーケンサーの登場によって大きく進展した。次世代シーケンサーとは、DNAやRNAの塩基配列を高速かつ効率的に読むための技術である。従来のシーケンサーよりも大量のデータを短時間で取得できる。
これにより、高品質なゲノム情報を得ることができるようになった。この技術の進歩により、古代人類のゲノム解析をより緻密に行うことが可能となったのである。

「古代DNA研究の最新成果をもとに人類の起源」をたどろうとする本書は、「進化人類学の最前線」からの「中間報告」となっている。

『人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」-』篠原謙一著、中公新書 (2022)

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