私学は私物ではない:私学の課題と日本の私立大学経営(緊急ライブ #2 文字起こし記事)
緊急ライブの2回目ということで少しお話をしてみたいと思います。
「日本の私学」問題の賑わい
ちょうどTwitter(X)を見ていたら、 いくつか目についたものがあって、一つは近畿大学ですね。
近畿大学の話
近畿大学の教職員組合が、学校法人近畿大学に対して、理事長の辞任を求める 団体交渉要求書を提出したと。これどういう話かというと、 近畿大学の理事長は実は、政治家の世耕弘成さんなんですね。 この世耕さんが実は、安倍派でキックバック問題の該当者ということで、 裏金づくりをした人間は社会的信用、 社会的評価が下がるので、理事長は辞めてほしいというふうに、近畿大学の教職員組合が辞任要求をしたという ニュースが流れてるんですね。
結局、 キックバックの件、 今 強制捜査が入ってるんですけれども、理事長として不誠実な態度をとっていると。理事長としても不適切だということで、大学の評価が下がる行為だということで、辞任してくれというのを近畿大学の教職員組合が出したということで今、 これが目下そういう話になってるということで、これが一つ目についたのと。
上野学園の話
もう一つが上野学園ですね。かつて辻井伸行さんとか、 いいピアニストを輩出した、 横山幸雄さんとか頑張ってたんですが、もう学園が酷すぎて、 理事会が酷すぎて 辞めちゃったという話なんですが。これが2020年にちょうど大学の募集停止というものとも 関連してたと思うんですけれども、高校ですね。 中高がストライキを実施したと。 その時の対応をめぐって労働争議が起きてるわけですね。
これについて組合側が、 ストを行った側が全面勝利を2023年の9月に勝ち取ってるんですが。 都労委ですね、労働委員会ですね。都労委に結局申し立てたわけです。組合側がね。不当労働行為だと、学園側はね。 そういうことでやったんですが、それで結局、 都労委が学園に対して命令書を決定して、 組合側の全面勝利になったという話なんですが。
これに対して学園側が、中労委ですね、 中央労働委員会、中労委に再審を申し立てた。これが9月14日 現在、 学園は都労委の命令を履行せず、 これ自体が労働組合法違反だという話になってて、ここもひどい話になってるわけです。 元々ここはいわゆる上野学園一族支配ということで、その弊害がもろに出る形で、大学を1個潰してしまった私学なわけですよね。
名古屋芸術大学の話
もう一つ目につくのが、名古屋芸術大学の問題です。 これは他でも語ってきたのですけれども、今裁判で係争中なんですが、学長を心身の故障ということで職務停止にして、学内立ち入り禁止にしたという話から始まってですね。 これは次期学長選考をめぐる、実は争いだったということで、次期学長はなかなかすごい人だぞっていうことも、 結構ツイートで流れてくるんですけれども。
結局、理事長、 本部長、 そして理事の対応が問われているわけです。ちゃんと学長選考をルールに従ってやらなかったと。 今裁判になっててしかも裁判所の方はちゃんと理事長と学長と話し合うように、ということなんだけど、これに対して、理事長側はずっと不誠実な対応をとっているという、こんな話があるわけですね。
他にも、日大問題とかあるんですが、 あれはまたちょっと違った問題なので、違った問題というか根っこは一緒なんですけどね。
私学は私物ではない
それで、「私学は私物ではない」というタイトルにしたわけですけど。これどういう意味か。 つまり「私学は誰のものか」っていう話なんですね。理事長のものではないし、 上野学園のオーナーのものでもないし。誰のものなのかって。私立大学 ・私立学校っていうのはね。
私学は誰のものか
私学は誰のものか。これどうやって答えます。 私学は誰のものか。 いろんな答えが返ってくると思うんですが、これを考えるときに一番はっきりしてるのは 結局、資金源です。 誰が資金を出してるのかっていうことですね。私学の資金、 誰が出してるか。
日本の私学にオーナーはいるのか
これはアメリカとかの私学なんか行くと結構、大きな財団があってね 。ちゃんとオーナーがいてね 。そこがかなりのお金を出してっていう場合が多いんですが。日本の私学の多くは オーナー大学もありますが、 意外とそうじゃない大学のほうが多いですね。
日本の私学は何で成り立っているか。 これ一度調べてみるといいですよ。オーナーがどれだけ金出してるか。 あるいは理事長がどれだけ金出してるか。給料で金は持っていくけれども、 金はほとんど出してないと思いますね、 間違いなく。それこそ設立当初に、 これ設置者っていうんですが、 設置するときにある程度の資産を投げ打ったり提供したりってことはあったかもしれないけども、 それはもう何十年も前の話で、その後はむしろ資金の提供っていうのをやっている 理事や理事長ってほとんどいないと思いますね。日本の私学はね。 これ調べたことないですけども、 非常に少ないと思います。
むしろその私学が、 もしそういったしっかりしたオーナーがいて、資金源があれば、これは別に私学の危機であっても 騒がなくてもいいわけですね。騒いでないところは意外と資金持ってたりするってこともあるんですが。
資金源は3つしかない
それはさておき、 結局、資金源は3つしかないんです。
1つは、オーナーですね。 設置者。設置者イコールオーナーっていうわけでもないんですけれども、1つは、設置者、あるいはオーナー。 これは資金源、 どんだけ出してるか調べてみるといいです。 皆さんの在籍してるところね。
学納金依存の日本の私立大学
一番大きいのは何かって言ったら、これは学納金です。 間違いなく、学納金依存の私立大学が、 日本の場合ほとんどです。学納金依存の私立大学です。
私立大学あるいは私学っていうのは、 学納金だけで経営しなきゃいけないものではないんですよね。もともと私学を設置するときっていうのは、 寄附行為っていう、これが私学の憲法、 企業でいう定款にあたるわけですけど、 寄附行為っていうルールがあってね。この寄附行為に基づいて設置されてるわけですが、寄附行為っていう言葉にもあるように、 寄附で成り立つのが私学なんですね。 基本的に。
私学は寄付行為で成り立っている
普通は設置者が一番大きな寄附をしてね。 それで私学を存続させるわけです。それは金儲けが目的じゃなくてもっと別の、教育というね、いろんな建学の理念があると思いますが、 建学の理念に基づいた教育を行うということで、これは寄附行為なんですね。 金を稼ぐ行為じゃないんです。私学で金儲けようと思ってる方が そもそも大きな間違いであって、金を儲けたいんだったら別のことを考えるべきで、 企業を作るとかね、起業をするとか考えるべきで、私学で儲けようと思ってる理事長や本部長がいたら、 これはもう間違いの始まりですよね。カジノで大儲けしてやろうとか思ってるとしたら、 これはもう大問題だということなんですが。
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