低迷する私学の本当の原因は理事会にある|記事紹介(文字起こし記事)
note記事の紹介をしたいと思います。これは、2023年8月17日にアップした記事です。
日本の私立大学は少子化の波を受けて、非常に今 困難な時代を迎えています。 淘汰の時代を迎えているわけですが、その中でうまくいっている私学は別として、 低迷する私学がたくさんあるわけです。
まさに断末魔の私学がたくさんあるんですが、 その原因はもちろんいろいろあるんですけれども、私は、本当の原因は理事会にあるというふうに思っています。
これは、ある意味当たり前のことで、私学の運営と経営に責任を負っているのは理事会ですから、 その私学が低迷していれば、 その学園が低迷していれば、 その責任は当然、理事会にあるわけです。
現場では意外と、理事会の理事の人たちは 理事長も含めて結構、他人事みたいな人も中にはいます。すべて現場のせいにする。 現場はどうなっているんですか、 何とかしてくださいと。理事会はほとんど動かないという場合が、 私が見る限り多いです。
日本の私学の理事会っていうのは、相当、根本的な問題を抱えていると思います。 なぜそういうふうになっているのかというのは、実はこの記事をきっかけにして、その後 「日本の私立大学の運営と経営を考える」というシリーズを もうこれで1、2、3、4、5回喋ってます。このシリーズは、まだまだ続きます。
日本の私立大学の運営と経営の問題は、相当深刻だと思っています。 これを何とかしようと、文部科学省あるいは政治の世界では、理事会権限を強化したり、 その前には学長権限を強化したり、 いろんなことをやってきたわけです。ところが、これがすべて裏目に出ている。 むしろ悪化しているというのが私の見立てです。
その出発点になったnote記事、それがこの「低迷する私学の本当の原因は理事会にある」です。
私、 小さな大学ですけどね、芸術系そして音楽大学と2つの大学で学長をやってきたんですが、その体験に基づいた大学論です。 低迷する私学の本当の原因は理事会にある。現場からのルポルタージュ報告みたいな感じになってますけれども、 こんな書き出しです。
本当はもう少し言うと、同窓生とか保護者とかっていうふうに ステークホルダーを広げることができるんですが、現場にいるのは、理事・教員・職員・学生です。
ダメな大学ほどうちは学生がダメだからというふうに理事や教職員が平気で言ったりするんです。 最近はそういう大学は減りましたけれども、これはもう私学の悪しき慣習ですね。
理事会がダメ、教員がダメ、職員がダメ、学生がダメ、全部ダメでは救いようがない。本当にダメなのは誰なのかということで、 本当の原因は理事会にある。そういう話を書いたのがこの記事です。 実はこの記事、8月にnoteの記事としてアップしたんですが、下書きは6月26日に書き始めたんです。
そういう思いを持ってたので、そういうタイトルは決まり、下書きを書き始めたんですが 、なかなかうまくまとまらなくて公開をためらっていたところ、ニュースが飛び込んできまして、このニュースを読んで確信が深まったので公開したということです。
一つは、京都大学の前総長の山極壽一さんが、 日大、日本大学のアメフト部問題で提言をしたという、こういうニュースが飛び込んできたんですね。 学長、それこそ山極さんの体験。京都大学の総長としての体験に基づいた 林真理子さん、 日大理事長として今頑張ってるんですが、に対するアドバイスをしたという記事。
それからもう一つが、林真理子理事長です。「ちょっと遠慮があった」と。
これすごく大事なポイントです。 学生一人一人をもっときちんと見なきゃいけない。
これを理事長が言ったんですね。林真理子理事長。これはもう本当に全国の私立大学の理事長に爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいです。
学生一人一人をちゃんときちんと見ている理事長が、日本の私立大学に何人いるのか。
そういう問題です。 ここを外してるから、ダメな私学になるんですね。学生がダメなんじゃないです。 理事長がダメなんです。 そして理事会がダメなんだということです。
それで「ダメな私学の本当の原因は理事会にある」という記事を書いたんですが、こんな書き出しで始まってるんですね。
これは最もダメな大学の例であると。
私が勤めていた大学がそうだったという話ではないです。念のため。
私の私学体験は25年に及びます。1996年から2017年までを私立の音楽大学、芸術系大学で過ごしました。そして25年のうち10年間、足掛け12年間は学長として、深く私学経営にも関わりました。 当然理事の一員として理事会も見てきました。
教職員あるいは学部長レベルでも理事会に関わる人は少ないので、結構、私学の理事会のことをちゃんと知っている人は少ないんですね。学長になると理事会に関わるわけですけれども、この理事会がなんというか大変です。 林真理子理事長が今、日大で苦労しているのはよくわかりますけれども、この理事会です。 低迷する私学の癌は理事会です。 これはもう断言します。
ということで、私の私学体験に基づいてあえて独断的な主張を展開してみたい。 これ、現場の人はなかなか言えないんです。今、現役で私学の理事やってる人は言えない。 結局、理事長のご機嫌を伺ったり、理事会の中で波風立てずに無難に過ごしていく人ばっかりなので。
だから、私学はますますダメになっていくということです。悪循環ですね。そこでちょっと突っ張ると、もう理事を辞めさせられたり学長を辞めさせられたりとかいうことが起きるわけです。だからもう私学はどんどんどんどん泥沼にはまっていって、ある意味、ガバナンスが崩壊していくという話なんです。
ここに書く記事の内容が、多くの私学関係者にとって心当たりがないことを心から切に願うばかりだと言いながら、この記事を書いたということです。
全ての大学の理事会と理事長が酷いわけじゃないけれども、理事長、理事による背任行為、任に背く行為ですね。これが後を絶たない。日大の問題だけじゃないんですね、実はね。結構、私学の世界には表沙汰になってないけれども、任に背いている理事はたくさんいると 私は思っています。
こうした事態を受けて、2025年4月からは私立学校法がまた改正されるわけですが、刑事罰を設けるという。これはね刑事罰を設けたところで、ダメなんです。これは悪いことをやった人を罰するだけの話で、 こういうことでは私学はまともにならないです。
もっと問われているのは私学のガバナンス回復で、回復といっても実はそもそももって なかったので回復しようがないわけですね。そういう意味では、私学のガバナンス構築。 一からガバナンスを作らなきゃいけない。
しかもその時に、理事会がガバナンス能力を持っていないので、理事長を先頭にね。 そういう私学が多いので、そこから教育しなきゃいけない。あるいはそこの人を入れ替えなければ、私学の困難は解決しない。それぐらい深刻だというふうに私は思っています。
もちろんすべての私学に当てはまるわけではないですが、 ガバナンスは低下したわけではなくてそもそもなかった。じゃあ出発点はどこなのか。 どこから変わるべきか。理事長、理事会から変わらなきゃいけない。
ところが今の私学のシステムとして、仕組みとして理事長と理事会を変える 仕組みがないんですね。だからますます泥沼にはまってくる。そんな話の出発点の記事です。この後 シリーズもので「日本の私立大学の運営と経営を考える」。今のところ、その5まできましたが、さらにこれは何回続くかわかりませんが、 問題がある限り続けていこうかなと思ってます。
noteの有料記事ですけれども、定期購読マガジンあるいは単独の過去記事マガジン あるいは全記事購読マガジンあるいはオンラインサロンに参加していただくと、こういった記事は すべて読めますので、最後はちょっと宣伝も含めて、「低迷する私学の本当の原因は理事会にある」の記事の紹介でした。
ではまた。
ここから先は
おだちんちょうだい!頑張って書いたよ! お駄賃文化を復活させよう! ODACHINを国際語に! オダチン文化がSNSを救う! よいと思ったらサポートをお願いします!