設計に関する48章『無い袖を振るのが設計』

『無い袖を振るのが設計』
副題:創意工夫
無い袖を振るのが設計は、なかなか難しい内容である。 競合もいて、競作となった時、困難で難しいと思われる案件もあるが、 そう言う時こそ、会社の技術力、発想力と挑戦する姿勢の差が出る。 トラックマウントの高所作業車の場合、車検枠がある。 GVW(車両総重量)と転倒角度(特ダネ車)30度以上と言う基本的な制約をクリアしつつ コンパクトで、作業範囲が取れて高揚程の車両の開発が望まれる。
■電工から、全長、全高を抑えられた低車高高所作業車を3社競作で開発した時 商品開発担当は、レイアウト設計上からブームは4段で全縮長さを設定し、その範囲で ブームを成立させたいと考えた。 機構設計を受け持ったが、どう考えても内蔵物(伸縮シリンダ、レベリングシリンダ、 テールシーブ等)を考えると単純には出来ないSPEC!! 納期は決まっており、引くに引けない状況! 当時の要素設計課長とレイアウトを創意工夫し今までに無い、シリンダのレイアウトと テールシーブのレイアウトを構想し試作を開発した。
そのブーム機構で特許は出願し取得出来た。 U375型低車高高所作業車(後方格納型)として、Gマークも取った。
量産に向けては、商品設計側が細かい手を入れ、○○ネックで長い間U423型の 低車高高所作業車(前方格納型)としてそのブームは採用され製品化された。 やはり、相違工夫は技術者にとって避けられない道であると思う。
無い袖を振るのが設計とは自分は思わない。 不可能だと思うことに挑戦しなんとかして行くのが設計者だと思う。
ユーザのニーズを具現化する為に、設計者は創造し挑戦して行く姿勢を忘れずに 頑張って欲しい! 技術の進歩は設計者の創意工夫があるから進歩する、楽しんで新たな挑戦をして 欲しいと思います。

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