Mino takahashi

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中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!34

青春  ラーメンイベントで溜まった疲労は、数日間休んだだけでは全く取れなかった。いつまでも若い頃のようにはいかないものである。結局疲労が取れたかなと感じたのは、イベントから2週間くらい経った頃であり、その頃にはByens Bedsteの優勝者を決める投票日も終了していた。ラーメンイベントがあまりにも大変だったので、幸か不幸かあれだけ意気込んでいたByens Bedsteのことを私はすっかり忘れていたのである。  この年のByens Bedste のイベントは11月第2週の木

    • 中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!33

      ラーメンイベント2日目  翌日キッチンに行くと、優子さんがスープ作りで肩を使い過ぎたためとうとう腕が上がらなくなっていた。彼女の痛々しい姿を見て私は再び本当に申し訳ないことをしたと思った。私とあーちゃんは、なるべく優子さんが腕を使わないように彼女のサポートをしながらそれぞれ担当する持ち場の準備を行った。告知では2日目はお昼の12時からオープンする予定だったが、昨日大失敗したのと、仕込みがまだ十分に終わっていなかったので、急遽16時からオープンすることにした。 昼間、遠い所か

      • 中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!32

        ラーメンイベントの準備  Xの11th anniversaryイベントが2020年10月3日(土)、行われることが決定したので、私たちはそのイベントに乗っかるように10月1~3日間ラーメンを販売することにした。その頃、ちょうどタイミング良くTokyo Kitchen は1st anniversaryを迎える時期だったので、私たちは勝手に「XとTokyo Kitchenのanniversaryコラボだね!」などと冗談を言っては、イベントについてワイワイ盛り上がり話をした。いつ

        • 中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!31

          Byens Bedste  本格的な夏が終わった頃、数か月前に出産を終えたあーちゃんが赤ちゃんを連れてちょこちょこキッチンに遊びに来るようになった。私達は赤ちゃんが大好きなので順番に赤ちゃんを抱っこしては「この匂い懐かしい~!」「頬っぺたプルプル~!」などと言っては赤ちゃんトークに花を咲かせていた。  そんなある日、一人の男性が1枚のポスターを持って来た。デンマーク語でどうやら「ここに張らせてくれ」と言っているようだった。私は「ポスター張っても良いけど、木曜日と金曜日しかお

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!30

          商品  長かった冬が終わり、本格的に温かくなってくると、外のベンチでご飯を食べるお客さんが増えてきた。彼らと話をしていると、食後のデザートが食べたいというリクエストが多く聞かれた。そこで私たちは、タイ焼き、豆腐ドーナツ、抹茶チーズケーキ、抹茶テラミス等様々な日本のデザートを作って販売した。さらに、今月の特別メニューとして、かき揚げ丼、五目御飯弁当、コロッケなども作り人気がある商品は定番商品にした。  新商品の中で最も人気があったのは手作り餃子だった。これは日本人女性6人がそ

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!30

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!29

          新聞  2020年1月初旬、一人の女性から私の携帯に電話がかかってきた。彼女は自分の名前を名乗りTokyo Kitchen にとても興味があると言った後、どうしてTokyo Kitchenを始めたのか、どうしてデンマークに来たのか、日本では何をしていたのか等色々な質問をしてきた。実は以前にも Tokyo Kitchen に興味を持ってくれた人から問い合わせがあり、Tokyo Kitchen に見学しに来て同じような質問をされたことがあった。私は彼女がどういう人なのかよくわか

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!29

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!28

          青春  フードビジネスを始める前までは、料理を作って販売するといっても、いつも家族にご飯を作っているから大丈夫だろうと考えていた。しかし実際に行ってみるとやり方が全く違うことがわかった。そもそも、Tokyo Kitchen で料理を作る場合、家庭料理とは比べものにならないくらい仕込みの量が多い。なので野菜を切るだけでも結構な時間がかかり体の疲労感が全く異なる。また調理方法や食料の保存方法などは保健衛生局のルールに従わなければならないので、例えば冷蔵庫の使い方など家では全く気

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!28

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!27

          通常営業  オープニングも無事(!?)に終わり、あーちゃんとゆうこさんと3人で通常営業について話し合った。まずは一番重要なメニューである。オープニング前はデンマーク人の好みがよくわからなかったので、3人で色々考えてはあーでもない、こーでもないと話し合っていたが、オープニング後は、はっきりとデンマーク人の好みがわかったので、すぐにチキン丼、焼き肉丼、カレー丼の3つを作ることに決まった。この他にベジタリアン用に何か一つ丼を作った方が良いねという話になり、以前優子さんの自宅に遊び

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!27

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!26

          オープニングデー  オープニングデーの前夜、私は緊張と興奮で数時間しか寝れず、かなり早めに目が覚めた。足りない材料を買うために早朝業務スーパーに行く必要があったので、子供たちがまだ眠っている朝6時頃家を出た。出発する直前エミールが起きて来て「調子はどう?」と聞かれたので、私は自分の口座にあったお金をほとんど使ってしまったこと、もしかしたらお客さんが全然来なくて、赤字になるかもしれないことを話した。すると彼は「お金のことは心配しないで!一番大切なのはミノ達が楽しむことだよ!」

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!26

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!25

          仕事と育児  4日間の初仕事を終え疲労困憊していた私は、翌日補習校の授業があるので、帰宅後早々寝ることにした。ラッキーなことにエミールと子供たちはこの日も義父の家に泊まってくれていたので、今日はいつものように子供たちの夜泣きで起こされず、朝までぐっすり寝れると思い布団に入った。しかし数時間寝たら目が覚めてしまい、それから寝れなくなってしまった。いつも数時間間隔で子供たちの夜泣きで起こされてしまうので、その睡眠リズムが体に染みついてしまっているのか、それとも、この4日間で初め

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!25

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!24

          初めてのオーダー  オープン日の前週に、キッチンリーダーのメスから「Xメンバーのイヤンスが12~15人分の朝食と昼食を3日間用意してくれる人を探している。誰かやりたい人はいないか?」といった内容のメッセージが送られてきた。あーちゃんと優子さんに聞いてみたところ、すぐに「やってみたい!」という連絡があったので、私は早速メスに連絡し私たちが彼らのご飯を用意することになった。「Tokyo Kitchenとして初めての仕事だ!」私は本当にビジネスが開始されたことにとても喜び興奮した

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!24

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!23

          X People  2019年9月上旬、私たちは、試作品作りや掃除をするためにXのコンテナキッチンに集まるようになった。Xにはたくさんのコンテナが置かれており、その中でも私たちが借りたコンテナキッチンはXの中心地に位置していた。キッチンの目の前にはAハウスと呼ばる昔電車の倉庫として使われていた大きな建物があった。そこには共有のキッチンとトイレがあり、Xの人々はしょっちゅうその中に出入りしていた。彼らは皆スタイルが良く、顔も美形で、もう少し綺麗な恰好をすれば、みんな日本でモデ

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!23

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!22

          会社設立  会社名が決まったので、いよいよ私は会社を設立することにした。起業講座では10分もあれば会社登録をすることが出来ると言っていたが、言語が苦手な私は一人で登録することに大きな不安があった。もちろん、コンサルタントに頼むことも出来るがそこには費用が発生する。そこで、無料で起業をサポートしてくれるSTARTVÆKST Aarhus のスタッフにダメ元で「会社登録をしたいがやり方がわからない。助けてくれないか?」といった内容のメールを送ってみた。超個人的な要求なので私は良

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          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!21

          Insitute for (X)  日本でたっぷり夏休みを過ごした後、デンマークへ戻った私はエミールが見つけてくれたキッチンを早く見たくて仕方がなかった。帰宅後すぐにキッチンを見に行きたかったが、子供連れの長距離移動で疲れていたのと、時差ボケがあったので、自宅で休むことにした。しかし、ちょうど数日後に日本語補習校で授業があったので、仕事が終わった後一人でキッチンを見に行くことにした。  日本人補習校へ行くと、朝一番に「キッチン見つかって良かったね!凄いね!とにかくやってみよ

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!21

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!20

          希望と不安  フードバイクを購入する前はフードビジネスを成功させる自信があったのに、勢いでフードバイクを購入した後は借金をきちんと返済出来るのかという不安の方が大きくなっていった。どうやら、日頃頭の中がお花畑の私でも借金をすると人並みに不安感を抱くらしい。この頃の私の頭の中では、購入したフードバイクの前でお客さんが長い行列を作っている光景と、誰もお客さんがいなく一人寂しくフードバイクの前で佇んでいる自分の姿が入れ替わり作り出されていた。  コペンハーゲンでフードバイクを購入

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!20

          中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!19

          義父の病気と義母の一言 自分で決めた「1週間に1回ビジネスのことについて行動する」ルールは、しばらくの間続いていた。実際に行動したことを誰かに話したいと思い、たまにエミールにフードビジネスの話をしても、彼の反応はいつもイマイチだった。彼と私の思考は全く反対なのである。常にリスクを考えて行動しているエミールに比べて、私はそもそも考えることが苦手である。私の場合、一生懸命考えても結果はいつも「やってみないとわからないじゃん!」という答えにたどり着いてしまう。そんな私たちのやり取り

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