星と生
人生において、自分がどこに向かって歩いているのか分からなくなることがある。目標や夢を叶えられても、その先には何があるのか。目標や夢すら、思いつかないこともある。人生プランを考えることができず、ただ漠然とした将来への不安に駆られてしまう。
人生の最後は、死と決まっている。過去、現在、未来の順に、直線に時間が進んでいると認識すると、私たちは、死に向かって歩いているように見える。元々存在しなかった無から、生を与えられ、また自ら無になろうと歩いているようだ。スタートとゴールは無。人生は、逆走のできない、一方通行の道。
先日プラネタリウムで流れ星を見た時、ふと、人生は星のようだと思った。人間から見て、星は点に見える。しかし星が流れると、線のように見える。人生も同じように考えることはできないだろうか。人生は、直線の道ではなく、点であると。
人生を点と考えてみよう。未来も現在も過去も、全て同じ地点に存在している。私たちは、どこかに向かって歩いているわけではない。ただ生を得て点ができ、時が来ると点が消える。何かを成し遂げたり、何かを得たりしたところで、その点は大きくも小さくもならない。ただ、点ができて、点が消える。それが生と死であり、人生そのものなのだとしたら?
目標や夢を見つけられない、見失ってしまった、そんな時は、人生は点だと思えばいい。今は、星の如く光を放っているときだ。過去や未来も、全ては、今この瞬間に存在している。未来への不安も、過去の後悔も、今感じていることでしかない。タイムマシーンでもできない限り、自分で操ることができるのは、「今」だけなのだ。
人生を点と考えると、少しだけ気が楽になる。私たちは、先の見えない長い道を歩いているわけではない。ただ、光を放っている。今、私は何がしたい?今持っている光を、何に使いたい?そうやって、今を積み重ねていくことが、人生をより豊かにするのかもしれない。見失いそうになったら、また星を見に行きたい。