帰還

夢を求めて海を渡ったヒーローが戻ってきた。彼は確かに海の向こうでは大谷翔平やイチローのようになることはなかった。日本にいた時よりもより多くの、より高い壁にぶち当たり続けた。それを笑う者も確かに多かった。それでも多くの横浜ファンはその時がきたら戻ってくることを願った。当然自分もその一人だ。

2010年に鳴り物入りで導かれるようにベイスターズに入団した。彼は高校時代からスターだった。しかしプロの壁にぶち当たった。自分はその当時を生では見れていないから具体的なことに言及するつもりはないが、かなり苦しかったのは後に知った情報からして明白だった。それでも周りの支えと彼自身の努力でチームの顔に躍り出た。彼がチームのキャプテンになってからの5年間はベイスターズにとっても濃厚だった。前半戦首位ターンからの最下位フィニッシュ、球団初のCS進出、19年振りの日本シリーズ、本拠地初CS。かけがえのない時間だった。彼には夢があった。'19年オフにその夢を叶えるために海を渡った。

しかし現実は想像以上に甘くなかった。海の向こうに行った彼はもがいた。いつしか世間は彼を注目しなくなった。自分も正直熱をもって情報を追わなくはなってしまった。それでも彼の情報が入ってくれば頑張ってるか気にはなった。

そして彼はいよいよ日本に戻ってくることを決断した。色んな感情はあっただろうが、悔しさが大部分を占めていると思う。日本に帰ってきても色んな情報が錯綜した。正直不安でしかなかった。それでも、真実がどうだったかは分からないが最終的には横浜に戻ってきてくれた。戦力云々よりも戻ってきてくれたこと自体が嬉しかった。

ヒーローが戻ってきたからにはベイスターズにも当然期待したい。開幕3カード連続で勝ち越して以降苦しい戦いが続いている。それでもまだシーズンは序盤に過ぎない。彼が戻ってきてからのチームの輝きに期待したい。

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