スピッツ『運命の人』歌詞の意味を考察〜バスの揺れ方で分かった人生の意味とは?〜
1997年11月27日に通算17作目のシングルとして発売された『運命の人』。今回はこちらの歌詞の意味を考察していきます。
まだ曲を聴いたことが無い方は、ぜひこちらからご覧下さい。https://youtu.be/AMWDAuPx26Q
※本noteはあくまでも個人の考察であり、「こんな捉え方する人もいるのだな」と楽しんでいただけたら幸いです。
1. 1番サビ前まで①
私は、この部分の歌詞はパートナーに対する真っ直ぐな愛を表現したものだと考えます。
まず、"バスの揺れ方で人生の意味が解った"という歌詞に驚かされます。バスはどう揺れたのでしょうか?日曜日のバスですから、幅広い年齢層が乗っていたと考えられます。生まれたての赤ちゃんから、長生きしてきたおじいさんおばあさんまで、幅広い年齢層を見たことで"人生"という長さの意味に達したのでしょう。これだけだとやや不十分ですが、次の"でもさ"で何となく意味が見えてくるのではないでしょうか?
"君は運命の人だから強く手を握る"を逆説の"でもさ"で繋いでいる訳なので、"人生の意味"とは「運命の人じゃないから手を握らない」ということになるのでしょうか?
ここから推測するのは、「バスが揺れたとき、よろける人がいても普通は支えたりはしないように、人生でも普通は助けたりしないよな。」"でもさ"「君は助ける。運命の人だから。」という意味なのではないでしょうか?
"偉大な獣"という表現も特徴的です。「動物」ではなく「獣」なので、どこか荒々しかったり、本能的な印象を抱きました。このことから、「理性という計算で君を選んだのではなく、本能で選んだんだよ」というような意味があるのではないでしょうか?
以上のことから、1番のサビ前①ではパートナーへの真っ直ぐな愛を表現した歌詞だと考察します!
2. 1番サビ前まで②
愛はコンビニなんかじゃ買えませんよ!!!などと思ってしまいましたが、要はそれくらい簡単でありふれた物、どこにでもあるもの、大量生産できるような均質化されたものといった意味でしょうか。少し踏み込んで、コンビニでも買えるけどわざわざ探すこともありそうなものを考えてみました。
例えば、パンなんていかがでしょうか?コンビニでも美味しいパンは買えますが、1番美味しかったのは苦労して並んでようやく食べられるパンや、作り手の顔が分かるパン屋さんのパンではありませんか?
拡大解釈しすぎだとも思いますが、愛も同じで苦労して手に入れたり、その人との思い出が何よりの美味しさになるということを歌ったのではないでしょうか?
"変な下着に夢がはじけてたたき合って笑う"ような何でも言い会えちゃうような2人で紡いできた日常は幸せそのものでしょう。更に、酸いも甘いも"余計なこと"がある方が、思い出は濃くなりますよね!
そんな2人の関係性と思い出の濃さが詰まった1番サビ前②だと考察します!
3. 1番サビ
これまでの歌詞から、ここで"この地球(ほし)の果まで"、"君を乗せて行く"と言ったのには深い意味があると感じました。「もう地球上の誰も変わりはいない、君しかいない」と聞こえてきます。
私的に1番好きな歌詞です。"あえて無料のユートピアも汚れた靴で通り過ぎるのさ 自力で見つけよう 神様"。お膳立てされた理想郷が広がっていたとしても、ここまで走ってきた汚れた靴のままスルーしていく。「自力で見つけよう」と力強く1人でやるのかと思いきや、これらの前に"アイニージュー"とカタカナで書かれています。「自力」の"自"には、パートナーと2人が入るのではないでしょうか?
以上のように、サビは2人で生きていく覚悟すら感じさせる内容と考察します!
4. 2番サビ前まで
ボールとは「好きという」気持ちで、それが届くということは相手と両思いになるということではないでしょうか?コンビニで買わずに、もう少し探して苦労して手に入れたと読むと、なんだか繋がりを感じますね!
"もらいあくびした後で涙目 茜空"は"変な下着に夢がはじけて たたき合って笑うよ"と呼応している気がします。かけがえのない素敵な日常を表しているのではないでしょうか?
"悲しい話は消えないけれど もっと輝く明日!!"は、ファンの間では"!!"がなんともカワイイと人気の部分です。「悲しい話は消えないけど、君といるから明日はもっと輝く」だなんて、素敵な生活すぎます✨
以上のことから、2番サビ前は1番サビ前②と呼応する君との素敵な時間を歌った歌詞だと考察します!
5. 2番サビ以降
君に好かれるためでしょうか、どんなにダサくても"かっこつけて行く"姿は等身大の勇敢さが感じられます。
"つまづいたときには" 助けてほしいのか、助けるよなのか、どっちなのだろうと思った直後、"横にいるから ふらつきながら 2人で見つけよう 神様"と来ました。「助ける」よりも「横にいる」の方がかっこつけてなくてかっこいいなと思うのは私だけでしょうか?
次の"神様 神様 神様 君となら…"と"このまま このまま このまま 君となら…"の"…"、ここです!ここに何が入るのかなとずっとモヤモヤしていたのです!
私としては、「神様 君となら"見つけられる"」または「神様 君となら"ここにいる"」。そして、「このまま 君となら"ユートピアだ"」かなと考えたのですが、みなさまはどう考えますか?そのまま"…"という意味でしょうか?ぜひコメントでシェアしてください!
そして最後は1番のサビと同じ歌詞で終わります。ただ、最後のサビと1番のサビは意味が違っているように考えます。これは1つ前の"…"が「神様 君となら"見つけられる"」だった場合に成立する考察なのですが、最後のサビの「自力で見つけよう」は文字通り"自力で"見つけようと決意しているのではないでしょうか?
例えばですが、恋人のときは君に甘えて2人で神様を見つけられると思っていた。けれど、夫婦となった今、君と幸せになるためには私が自力で神様を見つけないといけない。といったような具合での解釈もできるのではないでしょうか?
最後は「2人で見つけよう」になりそうなところを「自力で見つけよう」としたのにも、ラストにもう一度1番のサビと全く同じ歌詞にしたのにも、草野さんなら意味があるはずだと思い、深く考察してみました。
6. まとめ
いかがでしたか?様々な考察や解釈の余地がある、草野さんの歌詞は聞いていても、考えていても楽しませていただけますね!
コメントにて、皆様の考察もお聞かせください!
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